BRASILの独り言

2005/05/30(月)22:29

美男美女ならマラソン大会

サンパウロの生活(81)

日曜日、ダンナのマラソン大会へ行ってきた。 サンパウロ大学のひろーい敷地内で行われたこの市民参加型マラソンは、主催がスポーツメーカー「nike」や大手スポーツ飲料メーカー「gaterade」など、大企業のスポンサーがついていて、参加者に配られたTシャツもNIKEで、GATERADEを何杯でも無料で飲めるという結構太っ腹なイベント。 参加者はなんと、11000人。たとえ、大学構内が大きくて、道も広いとはいえ、物凄い数だ。 8時半開始だから、7時に家を出れば余裕だろうと思っていた。 ところが、公共交通機関を使わないブラジル人たちは、皆自家用車での参加。駐車場には長蛇の列。 三つある駐車場全部が込み合っていて、仕方なく、道端に駐車した。 そこから会場まで歩くこと1キロ。 なんやかんやと開始前20分になってしまい、あせったダンナは私を残して、走って会場へ向かったのだった。 残された私は、なんとか出場者達が歩いて向かっている方向について進み、ついにメイン広場につくことが出来た。 そこには大ステージがあり、周りにはスポーツ関係の会社やメーカーのブースが所狭しと並んでいた。 さらに進むと、荷物置き場、簡易トイレなどがずらーと並木道に並んでおり、それも通り越してさらにいくと、マラソンスタート地点に着いた。 右へ行くと、10キロマラソン、左は5キロである。 私が着いたとき、既に10キロマラソンは始まっていて、係りの御兄さんはメガホンで、 「10キロはこっちー。もう開始しましたよー。」 と叫んでいた。 黄色いシャツを着た参加者達は、びっくりして駆けていた。みんなが集まるのを待ってくれるとでも思っていたのかもしれない。(笑) 普通のイベントは大抵1時間ぐらい開始が遅くなるのだが、さすがサンパウロは少しずつ世界基準に近づいているようだ。 もう開始したということを聞いて、諦めてしまった人も多かったようで、多くの黄色いシャツを着た人がそこら辺をうろうろしていた。(笑)  開始地点まで行ってみたが、あまりにも人が多いため、走るというよりは、ぞろぞろと人の群れが前進しているといった感じだった。マラソンってこんな感じだったっけ? でもシステムは一応近代的で、スニーカーの紐の部分にプラスチック製のチップをくくりつけて、スタート地点をくぐったとき、センサーが感知して、個別にタイムを計ってくれるのだ。 そうして、ゴールに着いたときもセンサーがタイマーをストップしてくれる。 あくまで、タイムによる順位なのだそうだ。 私は 10キロマラソンが既に開始したことを知ると、またもと来た道を引き返して、ゴール地点へ向かった。 そこまでも800メートル近くあって、かなり距離がある。 周りをきょろきょろしながらたどりつき、走者がよく見えるところを探し、芝生の上にござ(準備の良い私!)をしいた。リュックから、持ってきた本を取り出し、サテ、読もうかなとページを開いたところに、凄いサイレンのバイクが走ってきた。 「レースの先頭の走者が来ました!」 と、メガホンで叫んでいる。 え、もう??と顔を上げると、ボデイスーツに身を包んだ、細身で長身の筋肉質の黒人が余裕で走っていた。 にこやかに手なんて振っているが、私が全力で走ったってかなわないほどのすごい速さでゴールに着こうとしていた。 時計を見ると、開始から30分も経っていない。 それからに二番手三番手と次々にゴールに入ってきた。 上位でゴールする人たちは皆、かなりの筋肉質の人ばかり。 80人ぐらいが次々とゴールに向かってはいった頃から、段々とやってくる人数が多くなった。 多すぎて、ダンナがかぶっていた赤い帽子を頼りにしか、探せないほど。 ダンナと待ち合わせ場所も決めていなかったから、はぐれてしまうと思い、本は一ページも読んでいなかったが、しいていたござを早速しまい、レースを見学することにした。 ぞろぞろぞろぞろと入場してくる黄色の人たち(ユニフォームね)を30分近く眺めていたが、ついに赤い帽子のだんなを見つけることが出来た。 赤い帽子をかぶっている人は少しいたが、赤い帽子に赤いパンツの人は ダンナただ一人だった・・。(爆)←ダンナ曰く、黄色の生地に赤い色でロゴが入っているから、ちゃんと色をリンクさせてコーディネートしたんだとか・・・。 ゴールできたことに喜んでいたダンナは、早速メダルやら食べ物、飲み物などをもらいに人込みの中に消えていった。 マッサージもしてもらったようで、ご満悦の表情。 待っている間、会場にいる人を見ていたが、結構美男美女が多いことに気づいた。 長身で、きれいに日焼けして、普段から鍛えている体をスポーツウエアーに包んだ姿は圧巻だった。 女性も、結構露出の多いウエアーを着ている人が多く、胸の谷間や美しい背中を惜しみなく露出していたり、体の線がばっちりでるボデイースーツのようなスポーツウエアーを着ている人もいた。 さすが、健康に関心のある人たちで、鍛えているから、その露出も美しいし、格好いい。 日系人でも、女性も男性もかなり格好いい人がいた。 美男美女を見るなら、マラソン大会?って思ってしまった・・・。 * そして、このマラソン大会で目立っていたのが、参加者の一人が子どもをベビーカーに乗せて走っていたこと。 白人で長身の鍛えている感じの40代の男性が、1歳ちょっとぐらいの娘をベビーカーに乗せて、それを押して10キロ走りきったのだ!!ベビーカーのタイヤは少し変わっていて、タイヤが自転車の半分ぐらいのサイズで、三輪だった。(三輪に見えたけど、実は5輪だったのかもしれない。露出しているのは三輪だった。) しかも、ダンナより後にスタートして、ずっと早くゴールしたのだ! * もうひとつは 70代??ぐらいの頭真っ白で、腕などもシワシワのおばあちゃんの二人組みが元気に走っていたのだ!! 彼女らもダンナよりずっと早いタイムでゴール! これにはだんなもショックを受けていた。(笑) * また、片足がない人、背中が深く曲がっている人たちも、競技に参加していた。 * 帰りには、だんなが大学生時代に良く通っていたという「REI DOS BATIDOS」という気軽なジュースやカクテルを提供する店に連れて行ってくれた。 そこは、汚い街角の簡素なバー風なのだが、学生の間では美味しいと有名で、溜まり場になっているそうだ。 そこで、マンゴとイチゴのワインベースのカクテルを頼み、つまみにマンジョカイモのつまみを頼んだ。 そこでサービスしているお兄さんは自分が書いたという本を持ってきた。 きちんと出版社で出版され、お兄さんの顔写真も似顔絵も入っていた。 中に書いてある詩をパラパラっと見て、ダンナは意外に感動し、早速10レアイスで購入していた。 そのお兄さん、田舎の貧乏な州から16のときにサンパウロへ出てきて、23年間このバーで働いている。 サンパウロ大学の生徒と交流を深め、11回も入学試験に挑戦したんだそうである。結局通らなかったが、自分で勉強し、英語やフランス語、ヘブライ語をマスター(日常会話かな)、詩も書き始め、それを常連客に見せているウチに、本を出版しようということになったそうである。 来月には二冊目の本が出るとか。 本を購入すると、食器拭きの布に自分で花の絵をペインティングしたものをプレゼントしてくれ、自筆サインを入れてくれた。   この日はいろんな境遇の人たちが自分の境遇や歳に落ち着いてしまわず、夢や可能性を信じて、頑張ってモノにしている人たちに多数出会い、元気付けられたような気がする。 さらに、この日はAV.パウリスタで ゲイのパレードがあった。繰り出してきた人数が世界のギネスにのるほどの盛況ブリ。 ブラジルって、不公平な国に見えるけど、同時に壁となりうる要素に対するハードルの低い自由の国でもあるのかも、といい面を垣間見たような気もしたのだった・・。

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