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ココロの森

ココロの森

真珠の言の葉


これまでに読んだ本のなかから
     
ココロに留まった一節を書き留めてみました。


  
みなさんのココロには 

どう映るでしょうか・・・

 



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  山路を登りながら、かう考へた。
  
  智に働けば角が立つ。

  情に棹させば流される。

  意地を通せば窮屈だ。

  兎角に人の世は住みにくい。


  住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。
 
  どこへ越しても住みにくいと悟つた時、詩が生れて、画が出来る。

  
  人の世を作つたものは神でもなければ鬼でもない。

  矢張り向こふ三軒両隣りにちらちらする唯の人である。

  唯の人が作つた人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。

  あれば人でなしの国に行く許りだ。
 
  人でなしの国は人の国より猶住みにくかろう。


  越す事のならぬ世が住みにくければ、

  住みにくい所をそれほどか、寛容(くつろげ)て、

  束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。

  こ丶に詩人といふ天職が出来て、

  こ丶に画家という使命が降る。

  あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、
  
  人の心を豊かにするが故に尊い。






            ---- 夏目漱石 著  『草枕』より----

  




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  ----やがて風が吹き始め、花が実をつけるのと同じように、

    そういうふうにずっとずっと前から決まっている決まりなのだ。

    僕たちは、草に頬ずりし、風に髪をまかせ、くだものをもいで食べ、

    星と夜明けを夢見ながらこの世界で暮らそう。

    そして、いつかこのまばゆい光の生まれたところに、

    みんなで手をつないで帰ろう





             ---- 恩田陸 著 『光の帝国』より ---- 







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  「そして俺はその話をこの先たぶん誰にもしないだろうと思う。
   たとえ君に対してもだ。

   そして君もたぶんその話をこの先誰にもしないだろうと思う。
   たとえ俺に対してもね。

   俺の言っている意味はわかるかい?」


  「わかると思います」と僕は言う。


  「どういうことだと思う?」


  「ことばで説明しても
   そこにあるものを正しく伝えることはできないから。
   本当の答えというのはことばにできないものだから」 


  「そういうことだ」とサダさんは言う。


  「そのとおりだ。
   それで、ことばで説明しても正しく伝わらないものは、
   まったく説明しないのがいちばんいい」

 
  「たとえ自分に対しても?」と僕は言う。


  「そうだ。たとえ自分に対してもだ」とサダさんは言う。


  「自分に対しても、たぶんなにも説明しないほうがいい」




           --- 村上春樹 著 『海辺のカフカ』より ---  
  





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  「あなたは美しい方です、ドクター。

   聡明で、お強い。

   でもいつも心を引きずっておられるように見える。

   これからあなたはゆるやかに
   死に向かう準備をなさらなくてはなりません。

   これから先、生きることだけに多くの力を割いてしまうと、
   うまく死ぬことができなくなります。

   少しずつシフトを変えていかなくてはなりません。
  
   生きることと死ぬことは、ある意味では等価なのです、ドクター」





          --- 村上春樹 著「神の子どもたちはみな踊る」より
                         
                   『タイランド』 ---






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  「高度に発達したネットワークは 身体化する。

   そのときに、共鳴的な人々は

   身体化したネットワークを通して、

   世界とシンクロし始める。
 
   世界レベルの共鳴現象が起こり、

   彼らは世界を浄化する」



              
           ---- 田口ランディ 著

                    『モザイク』より ----




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