2007/02/14(水)14:51
『日本の色』(コロナ・ブックス)
日本古来の色260を色票で紹介し、名前の由来を解説。
さらに西陣織、懐石、町家など衣食住から
工芸品、能・狂言・歌舞伎まで、優雅で繊細に彩られた色の取り合わせを紹介する。
(楽天ブックス紹介文)
とにかく綺麗。
和の風情が好きなかたには、是非オススメの一冊です。
着物や和菓子、花簪(はなかんざし)、日本画、浮世絵、
焼き物、草花、漆器、唐紙の模様等々、
美しい写真を見ているだけでも、十分楽しめます。
昔から、着物の色のあわせに興味があり、
機会があれば、勉強したいと思っていたのですが
こういった本を読むと、
その奥深さにハマってしまいそう(笑)
あわせや柄で季節感を表すこの国の古人の美意識の高さ、
そして、色の名前の由来や、その響きの優美さ。
東雲(しののめ)、杜若(かきつばた)、露草、
青朽葉(あおくちば)、裏葉柳(うらはやなぎ)、鶸(ひわ)、
常磐(ときわ)、黄蘗(きはだ)、檜皮(ひわだ)、
白橡(しろつるばみ)、伽羅(きゃら)、消炭(けしずみ)・・・
あわせの色も、
濃紅と紅梅で、春の『梅重(うめかさね)』
淡青と淡紫で、夏の『葵(あおい)』
濃赤と赤色で、秋の『紅葉(もみじ)』
白と紅梅で、冬を表す『雪の下』 等々・・・
こういった日本古来の色の呼び名が
日常生活において、また復活するようになれば、
今は殆ど失われかけている、季節の節目を大事にする心や
身の回りの自然環境に対する心配りも違ってくるように思います。
色の名前の由来も、わかりやすく簡潔に解説されており、
手元に置いておきたくなる一冊でした。