ココロの森

2009/08/30(日)22:24

『レキオス』池上永一

読書のココロ(小説)(229)

  (←単行本 / 文庫本→) 【内容情報】(文庫版「BOOK」データベースより) 舞台は西暦二〇〇〇年の沖縄。 米軍から返還された天久開放地の荒野に巨大な魔法陣が出現する。 一〇〇〇年の時を経て甦る伝説の地霊「レキオス」を巡り、 米軍、学者、女子高生、ユタたちが入り乱れ、 ついにその封印は解かれてしまう―。 大いなる魔法が完成するとき、人々はそこに何を見るのか? 時空を超えて弾け飛ぶ壮大な物語世界がついに文庫化。 巻末には大森望×豊崎由美の池上永一とレキオスをめぐる対談を収録。 <あらすじ> ある夏の夜、女子高生デニスは 沖縄に巨大な魔方陣が出現し、軍機が墜落するのを目撃する。 それが「レキオス」の目覚めの序章だった。 8.0の視力を持つ彼女は、その空にかかれた魔法陣の中に 鼻の欠けた逆さの霊チルーを目撃する。 チルーは目が合ったデニスに取り憑き、 強力なセヂ(精神・気力)を持つようになったデニスが 米軍やCIA、テロ集団、奇才の博士らの 『レキオス』にまつわる騒動に巻き込まれ・・・。 う~~~む。 読み終えてから散々悩んだのだけど どうも感想をうまくまとめられそうな気がしない ストーリー自体はおもしろいのだけれど 設定自体が時空を超えたり宇宙的風呂敷を広げ過ぎというか、 色々と盛り込み過ぎなんだよなあ~ 沖縄の歴史と宗教、神話、時空間移動、CIA、米軍、 人類学、数学、科学、黒魔術、テロ、エロなどなどなど。 著者の初期の作品だから仕方ないのかもしれないけれど 500ページ超使っても盛り込んだもの全てを消化しきれず終わってしまった感じ。 そして、終わった筈なのに、まだまだ「続く」感が色濃い。 物語の中に 究極の天才であり究極の変態でもあるサマンサという女博士が出て来るのだけれど 色々詰め込み過ぎた故に破綻している感じはこの物語全体にも通じると感じた。 ・・・というか、 最近読む作品にはことごとく変態が登場するのだが この偶然はいったい何を意味するのか? この「レキオス」を元に 未読の「シャングリ・ラ」が書かれたようなのだけれど とにかく読みにくかったこの物語の続きかと思うと 気力が失せるなあ・・・少し間を置こうと思う 好きな作家だから早く全作品読破したいのだけど・・・

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