酒豪
親友 遅刻魔女 やまだを除き、私の周りには 何故か酒豪が集まってくる。私自身、今でこそ何でも飲むが29才までは カクテルやチューハイなど女性向けの甘いお酒しか飲めなかった。26,7才の頃、よく一緒に飲みに行っていた友達は尚ちゃんファンの仲間たち(オール独身オンナ)で尚ちゃん自身が その頃から大の焼酎党だったものだからこぞって皆で「森伊蔵」だの「伊佐美」だの「魔王」だのをカパカパ飲んでいた。その横で、私はライムチューハイなんぞを飲みながらちょっとずつ、友達の焼酎を味見させてもらっていたのだがどれを飲んでも同じ味。不味くて 辛くて 飲めたもんじゃない。尚ちゃんは ライブ中でも ギネスや焼酎を飲む程の酒好きなので友達からは「そんなんじゃ 尚ちゃんファンとはいえない!」と無理矢理飲まされ、結果 身体にあわずに ぐるぐるに。焼酎の味がわかる友達が 心底羨ましかった。中でもその時期、一番の酒豪だったのが同じ職場にいた 同い年のKちゃん。彼女は尚ちゃんファンではなかったけれど尚ちゃんと同じ 福岡出身。彼女の部屋に遊びにいけば一人暮らしのワンルームに ファミリータイプの冷蔵庫。野菜室をひらくと 酒がずらり。ウォッカ、リキュール、ビールに日本酒、ウィスキー。冷凍庫には ロック氷が3袋。レモン・ライムも欠かさない。実家が小料理屋をしていたこともあり、酒のつまみもお手の物。ぱぱっと手早く2,3品作って、朝までオール。そんな彼女の武勇伝は会社の花見の席でのこと。ビール半ケース、日本酒1升、ウィスキーボトル半分を4時間ほどで空け「酔い覚ましてくる」とふらりと出たまま 行方不明。皆で探し回ること1時間、簡易トイレに籠城しているのを発見された。丁度同じころ、高校の頃、仲良しだったお酒好きの同級生と再会。飲みに行ったら 丁度 彼女は失恋直後。ショートカクテル5ハイを1時間で一気飲みされおなじくお店のトイレに籠城。お店の人に謝り続け、必死の説得で40分後にようやく鍵を開けた彼女は既に自力で立てず。170センチもある彼女を抱えて帰るわけにもいかず、やむをえず救急車出動、なんてこともあった。そんな時期も かわらずずっと甘いカクテル専門だった私。何故か 30歳の時、急に日本酒党になった。きっかけは 職場の日本酒好きの男性に勧められた「天狗舞」。それまでずっと 美味しいと思ったことのなかった日本酒をはじめて 美味しい!と感じた。以来、日本酒にハマり、焼酎にうつり、最近は泡盛にまで手を染めつつある。あの20代の頃の可愛かった自分は一体何処にいってしまったのであろう、と不思議だが焼酎の味がわかるようになったのは尚ちゃんファンとして とても嬉しい。それでもやはり、ウィスキー系だけは苦手な私。これもいずれ、飲める日が来るのだろうか?