2007/10/12(金)04:36
週刊メルマガ「強引ぐ マイ ウェイ」vol. 41 バックナンバー公開
2005年8月16日発行号公開
アーティスト・ブルーシャ西村のエッセイ
「強引ぐ マイ ウェイ」 vol. 41 8/16/05 (水) 発行
皆様、こんにちは。お元気ですか?昨日でお盆が終わりましたね。
さて、私のほうは、七福神の音楽の制作も、着々と進んでいます。今後も少し
ずつ、進行状況をメルマガでお知らせいたしますね。
「ドクター・ジョン」
8月13日土曜日の晩に、リンカーンセンターの野外コンサートの初日として、ド
クター・ジョンがコンサートをしたので、行って来ました。このコンサートは無
料で、毎年ニューヨークで開かれるもので、今年で35周年を迎えるそうです。
私は彼の超大ファンで、日本にいた頃、コンサートに行ったことがあります。
超が5つつく位の大ファンです!
かっこいーぃ!
渋~い!
音が素晴らしい!
純粋に音楽が大好きなために音楽活動をしている姿勢!
海賊のボスみたい!
精神的に強くてビクともしなさそうっっ!
煮ても焼いても食えなさそうな強さと自信!
オトコらしーーーい!
男の子分達に慕われていそうなカンジ!
衣装とか全体の美的センスがいい!
独特!
何よりも、音楽に彼自身のワールドを持っていて、ジャンルでは一言にブルー
スといっても、とても個性的な彼のブルースです。難しい演奏は何もしていない
のだけれど、音がキマッていて、ビシッとはまっているんです。音がかっこいい!
濃い!
その上、彼はサウンドのプロデューサーとしても長けていて、ソウルを持つ素
晴らしいミュージシャンを、的確に、彼自身の耳で選ぶことができるのです。い
つもいいミュージシャン達と共に演奏してきているので、彼のコンサートは、迫
力と音が全然違います。
日本ではコンサートのチャージが高いので、彼のような人のコンサートを無料
で観ることが出来るなんて、ありがたいことです。ニューヨークは、さすが、
太っ腹ですね。私達は開演1時間前に行って、前から3番目の席に座りました。
ドクター・ジョンは、ニューオリンズの人で、グラミー賞(ブルース部門)を
2回受賞したことがあります。大御所ですね。音楽史上に残っていく一流の素晴
らしいミュージシャンです。白人なのに、ソウルのこもった濃いブルースを演奏
するので、若いときから地元の黒人ミュージシャン達に認められて慕われ、ドク
ターと呼ばれていました。ドクター・ジョンという同姓同名の人に、当時すでに
亡きブードゥー教の司祭がいたため、 “ブードゥーの司祭ドクター・ジョンの
再来”と呼ばれてデビューしたそうですよ。
彼の生演奏を観たのは、10年ぶりくらいだったのですが、彼の演奏と声は衰
えていませんでした。かなりなお年のはずですが、声を失ってはいませんでした
ね。彼は、まだまだ何年も演奏し続けることが出来そうです。渋い声をしていま
す。
コンサートでは、彼はグランドピアノとハモンドオルガンを弾きました。ピア
ノの上には人間の頭蓋骨(本物?偽物?)が置かれ、いくつかの小さなパーカッ
ションもありました。ブードゥー教っぽく演出をしているのでしょうね。時々、
彼自身も小さなパーカッションを演奏していました。
*エピソード
何年も前に、アメリカでジャズ・ミュージシャン達のセッションに、夜更け
に、私一人で出かけて参加していたときのことです。そういう場所には黒人が多
いので、みんな、女性がぽつんと一人でいると、すごく積極的に声をかけてきま
す。スペインもそうですが。女性に声をかけるのがマナーだと思っているので
すね、彼らは。日本人と大違いですね。彼らは、口も上手いし手も早い。ほんと、
日本と全然違います。出かける場所によっては、自分で気をつけていなければな
りません。世界的に、日本人女性は軽くて簡単だと有名になっているので、なお
さら、日本人女性というだけで、ナメられてしまうのですよね。
何度か、ドクター・ジョンが、救ってくれたことがありました。笑い話です
が。声をかけられて困っていたときのことです。その晩、私は一人だったから悪
いのですがね。一人で夜に出かけると、ロクなことはありませんね。
「どんな男性が好きなのですか?」と聞かれ、
「ドクター・ジョンかなあ。」
「えええーーー!!! あんなワルいヤツが好きなのおおおお? 怖ーい。君
は、恐ろしいヤツが好きなんだなあ。」
「そう、精神的にものすごく強いヤツが好き。何があってもビクともしない
ヤツ。」
「・・・・・・。」
と、彼は、サーっと血の気が失せて、私のことが恐ろしくなって、ものすごく
ヒイているのが分かりました。私のことを見直したみたいでした。
ドクター・ジョンに感謝ですね。これは、使えるネタだと思いました。今後は
必要ないかもしれないけど(笑)。
その後、友達にこの話をすると、
「そんな場所に一人で行っちゃあ、ダメだよ!」としかられてしまいました。な
んかね、私は無鉄砲なところがあるんですよね。