ひ ま わ り 日 記

2007/06/19(火)16:40

キングダム・オブ・ヘブン(2005年 アメリカ)

映画鑑賞レビュー か→こ(12)

「グラディエーター」の監督 : リドリー・スコット バリアン(オーランド・ブルーム) ゴッドフリー(リーアム・ニーソン) ホスピタラー(デビッド・シューリス) ボードワン4世(エドワード・ノートン) シビラ(エヴァ・グリーン) ティベリアス(ジェレミー・アイアンズ) サラディン(ハッサン・マスード) ギー(マートン・ソーカス) いまだ解決の糸口が見えない中東紛争。全世界に及ぶテロの脅威。 エルサレム・・・イスラエルの地、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教共通の聖地。 古代イスラエル・ユダ王国の首都。 エルサレム宮殿があった。 イエス・キリストが処刑された地。(Wikipediaより) ユダヤ教は、キリスト教、イスラム教、の起源ですが、解釈の違いにより、人は宗教戦争を起こします。 1095年、トルコのイスラム王朝が地中海まで領土を広げてきたことに圧迫されたローマ帝国は、ローマ教皇の力を借り、西ヨーロッパのキリスト教徒たちに、 「罪の償いが免除される。」という特権を与え、戦争参加を呼びかけました。 「異教徒イスラム教国からの聖地エルサレムの奪還」という「聖戦」という名の下に、十字軍を結成し、イスラム教徒の国での虐殺、略奪、侵略を行い、わずか数年でエルサレムを征服します。「神の御心のままに!」と叫びながら、、、。 舞台はその100年後、重病ではあるが、賢者ボールドウィン4世が、エルサレム王国を平和に治めていた時代。 イスラム教の偉大なカリスマ的指導者サラディンとの間に微妙な距離を保ちながらも共存し、平和な王国を築いていました。 父の意志を継ぎエルサレムの王を守る騎士となったフランスの鍛冶屋バリアン(実在の騎士バリアン・オブ・イベリンがモデル)は、イスラム教徒との戦い、内部抗争、王位継承、に巻き込まれ葛藤しながら、一人の人間として、成長し、英雄になっていく姿を描きます。 印象に残るのは、凄まじい戦いの映像と、平和を訴える言葉が各所に散りばめられていることです。 父ゴッドフリーに導かれ、エルサレムに向かう途中のイタリアの港メッシーナで、若い司祭が叫んでいた 言葉、「異教徒は殺しても罪にはならない。天国への道です。」宗教戦争の本質をえぐっています。     バリアンの支えになっていた父の同士の言葉。 「私は信仰心は信じない。馬鹿な連中の行き過た行為さえ、神の意思だと認めてきたのは信仰心なんだ。神聖さとは正しい行為にある。力なきものを守る勇気だ。神の望みは、人間の良心だ。日々行う決断により、良い人間にもなり、悪い人間にもなる」 と。 最後、サラディンが、エルサレムの価値は?と尋ねるバリアンに、「何もない。だが、全てだ。」 と答えるのですが、とてつもなく深い意味のようで、解釈が難しいです。。。。。 ディレクターズ・カット版(DC版)は、劇場公開版よりも約50分長く3時間10分ですが、できればDC版をお勧めします。初めてでも、感情移入しやすく、興味深い人物も登場するそうです。今度は、DC版を観たいと思っています。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る