楽天イ‐グルスの選手育成と外国人補強の問題点
今まで6回にわたって各球団のドラフト獲得選手の通信簿と題して、活躍ブレ-クした選手の「数」という面から見てきましたが、今回は本題である楽天球団のドラフト獲得選手の育成と外国人補強の課題を探っていきたいと思います。結構、気持ちが入っているのでかなりの長文になるかもしれません。最後までお付き合いいただければと思います。ドラフト獲得選手の育成についてまずドラフトで獲得した選手がブレ-クした年度から、次の2つのグラフを作ってみました。 左上のグラフAは、球団ごとに〈どのシ-ズン〉に何人の選手がブレ-ク(Aランクの活躍)したか、また右上のグラフBは、〈プロ何年目〉に何人ブレ-クしたかをそれぞれ表しています。グラフAは、楽天の様に年度が経つにつれて上昇カ―ブを描くのが一般的ですから、楽天の場合は22年と23年にピークが来ており、年と共に若手が順調に育っていると言えます。他球団を見てみると、オリックスと日本ハムは楽天と似たような分布になっており、楽天同様育成状況は良好と言えると思います。右上のグラフBを見てみると、楽天、オリックス、ロッテの傾向が違っているように見えます。楽天はプロ年数による大きな変化はなくFlatな分布です。一方オリックスは、プロ2年目と3年目にブレ-クが集中しています。このことは、1,2年目は1軍と2軍でしっかり実践経験を積んで、翌年に満を持して1軍で起用し続ける育成方法が見て取れます。山本由伸、宮城弘弥、山下舜平太などはこのパタ―ンでブレ-クしています。ロッテの場合は、結果から見るとより徹底しているかもしれません。1,2年目にブレ-クした選手は無く、3年目にピークが来ています。プロ入り後2年間はじっくり育て3年目に満を持して1軍に送り出しているように見えます。だからと言って他球団がダメだと言っているのではありません。上記3チ-ムは傾向がはっきりしているという事です。ここで2つのグラフから分かることを纏めると、楽天はここ数年若手中堅のブレ-クが相次いでおり、プロ年数にはそれほど関係せずに、毎年ブレ-クする若手中堅が出てくる可能性が高いことが言えると思います。勿論、これは今までの傾向であり、今後も続くかどうかは正直分かりません。ここで言えることは、近年の楽天の若手育成方法、システムは機能しているように見えるという事です。正直、こんなポジティブな結果が出て嬉しいというか驚いたというか。じゃあ、藤平や黒川が燻っているのは、本人たちの問題なの?それについては、答えは来シ-ズン、つまり今年4月から始まる新シ-ズンが終わるころに明らかになるでしょうね。今江監督は藤平をリリ-フに転向させることを決めています。黒川についても何か提案や指示を出しているかもしれないですね、今までと違う何かを。期待しましょう。話を元に戻します。但し、その楽天にも課題は残ります。和製大砲の育成と外国人選手下の表は、ブレ-クした選手の内訳を表しています。 内外野手 投手 中距離打者 長距離打者 楽天 5 4 0 オリックス 8 3 1ソフトバンク 3 3 0 ロッテ 4 2 0 西武 6 1 0日本ハム 5 1 1こうしてみると、長距離砲なんて2人しかいません!大砲を育てるというのはエース育成よりも難しいと言えると思います。因みに、上の表では万波と頓宮のみです。このままでいくと、近い将来パリ-グには和製大砲という打者はいなくなってしまいそうですね。そうすると当然ながら、外国人選手で大砲を探すしか手はありません。和製大砲を育成しつつ、大成するまでは外国人の長距離打者に頼ることもあるでしょう。ここで楽天が抱える問題点があります。長いこと生え抜きでの大砲が育っておらず、長距離打者はここ5年ほどは浅村一人という寂しさです。その穴を埋めるべく、毎年新外国人を入団させてはいますが、ここ3,4年は外国人野手で「当たった」ことはありません。好成績を残したものがいないにもかかわらず、野手は2人しか契約していない、2選手ともダメ、また新たに2選手を探して来る、という事を繰り返しています。楽天の場合は、将来の和製大砲となる逸材を〈積極的に〉発掘したり、〈計画的に〉育成するというという事をほぼ断念しているにもかかわらず、新外国人選手探しにはそれ程熱意や真剣さが感じられません。大砲を獲得する、という事に対しての楽天球団の方針がイマイチはっきりしません。あやふや、と言ってもいいくらいです。チ-ムとしては、勝利に直結することの多い本塁打をある程度は打てるチ-ムにしておきたい。ではそのためにどうすればいいか、についてはいくつかの方法があると思います。ザックリ言って次のような感じでしょうか。1)外国人選手には頼らず、将来の和製大砲候補を「積極的に」見出して育てる。2)和製大砲を育成しながら、当面は外国人野手に頼る。3)初めから和製大砲の育成は諦めて、外国人野手を3人以上獲得し競争させる。4)本塁打を10本から15本打てる中距離打者を積極的に数多く育て、「数」で勝負する。ここ数年の楽天の状態はというと、どうも上記4)を目指しているのでは、と考えざるを得ません。3,4年前までの楽天のドラフト指名選手と言えば、中距離打者ばかりでしたから。勿論、浅村というホームラン王はいるのですが、彼に続く長距離打者が全くいません。22年シーズンで26本の浅村の次はフランコの12本、日本人では小郷の10本という寂しさです。どう考えても、中距離打者を数多く打順に並べて、大砲の代わりにしているように思えてなりません。しかし頼り(?)にすべき長距離選手は小郷以外は10本以下です。一番手っ取り早いのは、3)の外国人野手を3,4人獲得して、調子の良いものを1軍で使う、という事なのですが、楽天はハズレばかし引いているのに、毎年野手は2人しか見つけてこない。その2人も役立たずで真の意味での「外国人助っ人」が、楽天には久しくいないのが実情であり問題点。何故、楽天球団は外国人野手を3人以上獲らないのかは分かりません。お金の問題なのか、成績不良の奴を2軍で遊ばせておくことに心理的倫理的に抵抗があるのか、正直分かりません。でも成功する可能性がが低い外国人探しですから、2人大砲が必要なら4人程度は獲得しなけりゃあダメですよね。変に手抜きをするから、ここ数年のような関係者の能力を疑いたくなるような惨憺たる結果しか残せないんですよ、と言いたい。ここまで結構力入れ興奮しながら書いてきたので、少々息切れしてきました💦。まあ今年1月中には、新外国人野手を1人は獲得するでしょう。でも2人目、フランコ(今季もほとんど役に立たないのでは?)を数えに入れれば3人目の外国人野手を獲得できるか、言い換えれば獲得する能力があるのか、いやいやそもそも獲得する気があるのか、楽天球団の「方針」「戦略」が問われているとおもいます。もしかすると、今季もまた外国人大砲はいない、と覚悟したほうが良いのでしょうか。 ブログランキングに参加しています。↓ポチッと押していただけたら嬉しいですありがとうございますにほんブログ村