10月2日 水曜日 午後4時半 気温12℃
今日のブリュッセルは、午前中は晴れていましたが、午後からはまたいつものどんよりとした曇り空で、寒い午後となっています。
明日はどうなるのかなぁ
2024年シーズンのペナントレ-スがもう直ぐ終わろうとしています。正確にはまだ続いていますが、優勝は勿論のこと、CS進出の可能性もゼロになった現在、残されたのは消化試合だけの無意味な戦いには、ほとんど興味が湧きません。なので、前回予告したように、これからは今季の楽天の『総括』をしていきたいと思います。
個人的には、現時点では次のようなことを考えています。進行具合によって、タイトルや内容が変わっていくと思います。
1. 今季の『コンバ―ト』の結果と評価
1)則本の『抑え/クロ-ザ-』へのコンバ―ト
2)内星龍の『先発』へのコンバ―ト
3)浅村の『三塁』へのコンバ―ト
4)藤平の『リリ-フ』へのコンバ―ト
2. 今江監督の采配
3. 先発投手陣の明暗
4. リリ-フ投手陣の明暗
5. 打撃陣の活躍度
等々、いくらでも出てきそうな気がします。
まあハッキリ言えば、シーズン中に不満だったこと、おかしいじゃないか、と思ったことを、ほんのチョッと抑え気味にして書いていけばいい事なので。不満だけは余るほど持っていますから。
選手個人についても書いていきたいですね。
ここで一つ問題が。
試合経過や結果をコメント付きで綴っていたシーズン中のブログとは異なり、自分の仮説が合っているのか、それなりに自チ-ムは勿論のこと、他チ-ムのデータも見ていかなければならないこともあると思うので、今までよりブログ作成に時間がかかってしまうと思います。
つまり『総括』記事を毎日投稿するのは難しいでしょう。出来て週に2,3回程度になるかと思います。まあ、似たようなことは去年もやっているので、書き方のコツを覚えれば予想以上にスム-スに行くかもしれませんが。
その代わり、別のブログ記事を頻度よく書こうかと思っています。
前書きが長くなってしまいました。
では、第一回はこれです!
《則本の「抑え/クロ-ザ-」へのコンバ―ト》は成功したのか? 結果とその評価。
この『お題』については、シーズン開幕当初から事あるごとに考え続けていたことなので、第一回目としては最も書きやすい内容といえます。
則本は昨季までは先発で登板して、昨季は8勝8敗の防御率2.61でしたが、クロ-ザ-の松井裕樹がMLBにFA移籍したことから、今季よりクロ-ザ-にコンバ―トされました。
開幕後から初夏のころまでは、まずまずの投球と結果だったのですが、夏以降抑えで失敗するケ-スが目立ってきました。
今季の成績を見ながら、彼に来季も抑え/クロ-ザ-を任すことがチ-ムの成績にとってプラスなのか、自分なりに答えを出していけたらと考えています。
【今季の成績】
則本は今季の最多セーブのタイトル(セーブ王)が確定しています。
「だったら合格でしょ」とは簡単に結論付けられないのは、皆さんご承知の通りではないでしょうか。
まず取っ掛かりとして、彼の今季の成績を見てみましょう。
セーブ王を争った西武アブレイユとロッテ益田の成績と比べてみることにします。(最後の松井裕樹はおまけ(参考程度)で、2023年のデ‐タです)
まだシーズンは終了していないので、10月1日現在のものです。
防御率 試合 勝 敗 セーブ 回数 被安 本塁 四球 三振 失点/自責 被打率 WHIP
則本 3.46 54 3 4 32 52 57 2 11 44 21/20 .281 1.31
アブ 2.39 52 2 5 28 49 38 1 20 33 17/13 .220 1.18
益田 2.59 44 1 4 25 41.2 27 2 14 35 16/12 .179 0.98
松井 1.57 59 2 3 39 57.1 38 3 13 72 14/10 .189 0.89
私の記憶では、アブレイユと益田は前半戦にかなり苦戦していた印象(同点、逆転を許してしまったケ-スが散見された)があったのですが、後半戦はしっかりいい成績を残してきたようですね。
こうして比べてみると、則本の成績というかパフォ-マンスはセーブ王(最多セ‐ブのタイトル)の割には、パッとしない成績ですね。防御率、被打率、WHIPなど、主な指標はよくありません。アブレイユと益田と比べると、かなり劣って見えます。この成績でよくセーブ王を取れたもんだと、むしろそちらの方で感心してしまいますね。
これは私が抱いていた印象とよくマッチしています。『一人走者を出すと、走者を二塁に進められてヒットで失点』という、則本得意のパタ―ンです。特に2死無走者から2連打、3連打で失点されるケ-スもありました。つまり、一人でも走者を出した時点で、かなり失点のリスクが高くなるということです。
一方で上のデ‐タからは、私がよく口にしていた(正確には『書いていた』ですが)"三振の取れない投手"というのは当たらないようですね。ここで私が抱いていたことは、『いざという場面で』三振が取れない投手、ということなんですが。まあ、松井裕樹には敵わないということで、ご勘弁ください
では、今季の月別の成績はどうなっているのか見てみます。
防御率 試合 勝利 敗戦 セ‐ブ 回数 被安 被打率 WHIP
3・4月 0.00 10 1 0 5 10 8 .229 1.00
5月 2.25 8 0 0 6 8 5 .179 0.63
6月 4.32 9 0 0 7 8.1 11 .324 1.44
7月 3.12 9 2 1 4 8.2 10 .294 1.27
8月 5.63 8 0 1 4 8 9 .273 1.50
9月 6.00 10 0 2 6 9 14 .359 2.00
5月までは安定した投球をしていたんですね。
私の記憶でも、交流戦の第一週目までは、相手打者が手も足も出ないような素晴らしい投球をしていましたから。
それが6月以降は散々な成績になっていきます。特に9月は酷すぎますよ。防御率6.00で6セ‐ブ挙げたなんて信じられません! 結局は、6月以降は調子を戻すことがありませんでした。
疲労による球威と制球の低下、が原因でしょうか?
では最後に、球種別での被打率データを見ることにします。 3投手で比較します。
ミスリ-ドを避けるため、配球割合が5%以下の球種は除いています。
則本 アブレイユ 益田
割合% 球速キロ 被打率 割合% 球速キロ 被打率 割合% 球速キロ 被打率
ストレ-ト 48 150.5 .305 41 155.9 .240 63.5 148.6 .206
フォ-ク 28 139.5 .296 --- --- --- --- ---- ---
スライダ- 15 132.6 .233 24 142.6 .237 16 134.2 .136
カ―ブ 6 114 .000 --- --- --- --- --- ---
ツ-シ-ム --- --- --- 30 155.6 .176 --- --- ---
シンカ- --- --- --- --- --- --- 21 134.4 .125
こうしてみると、則本が全投球の75%を投げるストレ-トとフォークの被打率が約3割なのに対して、同割合で比較してみると、アブレイユの被打率は約2割(ストレ-トとツ-シ-ムで71%)、益田が被打率1割台後半(ストレ-トとスライダ-で約80%)となり、則本の場合はメインの球種で見ても被打率が格段に高いことが判ります。
被打率から見て、則本のスライダ-とカーブは合格レベルですが、投球全体の5分の1程度ですから、『決め球』というよりは『打者のタイミングを外す』『打者の目を逸らす』くらいの球種と見たほうがいいでしょう。
つまり現在の則本の投球では、『決め球』という、ピンチに威力を発揮して自らを救ってくれる『武器』が無いことになります。
これで抑えをやっている訳ですから、大事な大事な最終回を任せるのは『かなりヤバい』と言わざるを得ないと思います。綱渡りなのも頷けるというものです。
では、もし被打率.233のスライダ-を多投したらどういう結果になるでしょうか?
何とも言えませんね。割合が低いからそれ程打たれていないのか、たまたま制球が良かったからなのか、上のデ‐タからでは何とも言えないと思います。まあ、少々配球や割合を変えたくらいでは、どうにもならないレベルの被打率だと思います。
【成績の評価と考察】
以前、則本が救援に失敗しそうになった時のブログに、こんなことを書きました。スポ―ツ紙の記事より引用しました。
『シーズン開幕前には、17年WBCで選手と投手コーチの間柄だった権藤博氏(85)からクローザーの心構えを学んだ。「カッコ悪くても抑えれば、抑えはそれが正解だから」との金言。「その言葉は常に頭には入れて、勝ちの展開で最後の27個目のアウトを取ればいいんだって気持ちでやってます」。失点してもいい。最終的に1点でもリードを守ることに集中する』
まったくもってその通りなんですよ。いくら走者を出しても、失点してもいいから、『最後はしっかりと抑えて』勝利をもたらしてくれれば、何も文句は言いません。(ただし、これには『心臓に悪い』という健康上のリスクは含んでいません)。でも実際には、そうじゃないことが多々あるから文句を言いたくなるんですよ!
これまで見てきたように、則本はピンチで相手を力でねじ伏せられるような『得意球』や『決め球』が無いので、則本を抑えとして使い続ける時は、リードが3点以下の場合は、かなりの確率で同点又は逆転されるリスクがあることを覚悟しなくてはなりませんね。
でもこんな条件を付けたら、則本を抑えとしては絶対に使えませんよ。だって楽天というチ-ムは打力が売り物ではなく、少ない点差を投手リレ-で凌がなければならないチ-ムですから。
私としては、来シ-ズンも則本を抑え/クロ-ザ-として起用し続けることには大反対です。
【来季のクロ-ザ-構想】
《クロ-ザ-候補者》
今年は、昨年まで先発として一向に芽が出ずに居場所が無かった藤平が、リリ-フ陣の一角として一本立ちできた年でもあります。いや、藤平はいまやリリ-フ陣の柱と言ってもいい存在にまで成長しました!
また、24試合(正確な数字は覚えていません)連続無失点試合を記録した鈴木翔天もいます。
私としては、今シ-ズンに大成長を遂げたこの2人をクロ-ザ-として起用できないか、という考えを持っています。何はとも有れ、まず今季の2人の成績を見ていきましょうか。
防御率 試合 勝 負 ホールド 回数 被安 奪三 四球 被打率 WHIP
藤平 1.66 44 0 0 19 43.1 28 52 12 .185 0.92
翔天 1.74 47 2 0 22 46.2 21 47 20 .138 0.88
なんとまあ、2投手とも素晴らしい成績ですね!
特に、藤平は奪三振の多さと与四球の少なさ、ですね。
鈴木翔天も奪三振をとれるところがいい。懸念は与四球の多さかなぁ。四球で走者を出して長打されることもありました。要注意です。
では2人の球種別の被打率を見てみます。参考の為に則本も入れています。起用しているポジションが違うので、単純な比較はできませんが。
則本 藤平 鈴木翔天
割合% 球速キロ 被打率 割合% 球速キロ 被打率 割合% 球速キロ 被打率
ストレ-ト 48 150.5 .305 63 150.6 .182 64 150 .163
フォ-ク 28 1395 .296 31 140 .159 --- ---- ---
スライダ- 15 132.6 .233 0.9 --- --- 24 133 .030
カ―ブ 6 114 .000 5.1 122.6 .429 1.6 --- ---
ツ-シ-ム --- --- --- --- --- --- 10 138 .214
ウ―ン、この2人の被打率は素晴らしい!
藤平は、全投球の94%を占めるストレ-トとフォークの被打率がそれぞれ.182と.159、もう一人の鈴木は、全投球の88%を占めるストレ-トとスライダ-の被打率が.163と.030ですから、則本とは比較にならない程安定していると言えます。
ただし、彼らを抑え/クロ-ザ-に起用して、似たような成績を上げられるかは、ハッキリ言って未知数です。リードして最終回にマウンドに上がった時のプレッシャーは、単なるリリ-フ役の時とは比べ物にならないくらい重いでしょうから。
《起用方法》
では、彼ら二人のどちらを抑え/クロ-ザ-に起用するのが良いのか、あるいは併用にするのか?
個人的には、2人の併用が良いと思います。
どんなに球威があって決め球もある投手でも、1シーズン休み無く起用に応えるのは、経験の浅い彼らには酷というものです。まず務まらないでしょう。
現実的な案としては、2人併用で起用するということです。
併用とは、一方を開幕から起用して、疲れが出てきそうな時点でもう一方にバトンを渡す、というものです。
まあ、言葉で言うのは簡単ですが、これを実際に当てはめてみるのは容易ではないでしょう。そもそも2人のコンディションが良くないと成り立たないし、こちらの都合よく運ぶかどうかは怪しいところがありますから。
ただ、だからと言って則本に来季もクロ-ザ-を任せるというのは、これだけのデ‐タがそろっているのですから、それは難しいというか無いでしょう。あるとすれば後述しますが、今江監督の『遠慮』でしょうか?
一つだけ例外があります。
今季の則本の不調の原因がはっきりしていて、オフの間に対策あるいは調整が可能であると判断された場合です。
そういうことであれば、それに対しては異を唱えるつもりはありません。少なくとも今季よりはよくなるのでしょうから。
《来季の則本の処遇》
実は、これが最も厄介な問題なんです。
今季のクロ-ザ-起用は、今江監督のたっての願いで実現したもので、プライドが人一倍高く「そうまでして頼まれれば断れない」と意気に感じて引き受けた則本にしてみれば、1年目に満足のいかない結果になったからといって、はいそうですか、といってクロ-ザ-を『降りる』とは考えにくいですね。彼のプライドが許さないということです。
勿論、彼自身も今季の成績には納得してはいないでしょうから、何らかのことはオフにするとは思いますが。ただ、あの酷い被打率が大幅に改善するとは思えないので、多くは期待できないでしょう。
また、クロ-ザ-へのコンバ―トを説得した今江監督にしてみても、初年度の成績が悪かったと言って、「じゃあ、また先発に戻ってよ」とは言えないでしょうね。遠慮というよりも『監督としてのプライド』、いや『監督としての責任と言葉の重さ』でしょうか。発言をころころ変える監督に、選手は付いてこないかもしれませんからね。
じゃあどうするのか?
最も現実的な対応としては、監督と投手コ-チが則本本人と腹を割って話し合い、彼の希望や意思を考慮しつつ、チ-ムとして最善の策を選択するしかないと思います。(則本の口から「もう抑えは無理です」という言葉が出ればいいのですが)
私なら迷わずに『交代』ですが…。来年も則本と『心中』するのは嫌ですから。
さてさて、今江監督の判断はどうなるでしょうか。
もしかすると、最初から則本続投しか考えていないかもしれません。いや、きっとそうでしょう。
そうすると、今年同様の、いや来年は『ノリのホラ-劇場』がもっと凄まじい恐怖の出し物で新規開演するかもしれないですね。恐ろしいことです…。
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