昨日、二人の孫、エタンとイヤエルがやってきました。もちろん娘と一緒です。
彼らがやってくると、家の中の空気がガラッと変わってくるようです。空気自体が軽くなり縦横無尽に飛び跳ねているようで、どういう訳かこちらもウキウキワクワクしてくるようで、幸せな気分にさせてくれる孫たちです。
暫くは、おもちゃで溢れんばかりのパルク(囲いの中の遊び場)で、お気に入りのおもちゃを探しだすためにおもちゃの箱をひっくり返す『いつもの儀式』が始まると、その部屋全体が一気に騒々しくなってきます。そう、いくつものおもちゃのスイッチが入って、いつものお決まりの音楽の大合唱が始まったのです!
そうすると娘は私に孫たちを任せて、元自分の部屋に置いてあるベビ-服のダンボ-ル箱の中から、生まれてくる双子用の服を探しに3階までとっとと上がっていってしまいました。
残された私は騒音の中で幼稚園の先生のように、笑顔を絶やさずにあれこれ注意します。やっと一通りのおもちゃと遊んで満足すると、エタンが急にビデオが見たい、と言い出しました。
実は前回来たときに日本のあるビデオを見せたら大変気に入ったようなので、その続きが見たいようです。そのビデオとは『アンパンマン』で、もちろん日本からベルギ-に赴任した時に持ってきたもので、30年以上も前のビデオです。日本にいたころは子供たちは毎日テレビのアンパンマンを見ていましたね。
孫二人とも日本語は分かりませんが、子供にはそんなことは全く関係ないようです。
次の写真は、そのビデオを見ている時のショットです。凄く真剣な顔してますねぇ

私が何を話しかけても全く反応しません!
写真を撮るために「はい、こっち向いて」とか「はい、笑って」などと注文をつけようものなら、挙句の果てにはこんな顔をする始末です⁉

もちろん、わざとこんな顔をして大人の私ををからかっている訳ですが。
ビデオが終わってやっとテレビから顔を離したエタンが、突然「ミーマはどこにいるの?」と訊いてきたのにはびっくりしました。
「ミーマ」とは亡くなった私の妻、つまり孫たちの『おばあちゃん』のことです。
フランス語で『おばあちゃん』のことを幼児語で『メメ』と言いますが、妻がそう呼ばれることを嫌がり、孫に「ミーマ」と呼ばせていたんです。確かに『メメ』は年寄り臭いですからねぇ。因みに私は「カク‐」と呼ばれています。理由は誰も知りません。
実はこれまで同じことを聞かれた時には「ミーマはいないんだよ」と、あやふやな返事をしていたんですが、この時はハッキリと「ミーマは死んでしまったんだよ。エタンは『死んだ』という意味わかるよね?」というと、孫はただ頷いただけでした。
孫の表情を見ながら、まだ孫の記憶の中には妻の顔が、妻の声が残っているんだなぁ、というのがわかって何だかホッとしてしまいました。いや、嬉しかったですね。孫たちにあんな優しかった妻のことを、孫たちが忘れてしまっていたら、何となく妻が可哀そうな気がしたんです。
この時、彼らが座っているところのすぐ後ろにある肘掛椅子で、孫たちの服をせっせと編んでいた妻のことを思い出してしまいました。
そんな感傷的な気持ちになっていたら、階段をゆっくり降りてきた娘の声が聞こえてきました。
「パパ、そろそろデジュネ(ランチ)にする?」
その声を聞いたら急にお腹が好いているのに気がつきました。時計を見るともう12時半でした。今日は久しぶりに賑やかなデジュネになりそうです
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