週末は天候が崩れるようで気候も世相も、いつもの年より厳しそうです。
アメリカのビッグ3の救済策の法案が流れまして実質廃案になりました。
反対も賛成もどちらも正しいと言えるだけに困難を極めます。
国の成り行きと自由経済の盟主とするならば救済策は間違いです。
あくまで融資として行く行くは返してもらうというエクスキューズなら、
恐慌の回避という大義名分も十分理解出来ます。
ブッシュ現大統領は自分の政権内で決定せず、
次期政権に任す形になりましたので、安心して政権を渡せます。
オバマ次期大統領は最初から自動車産業の援助を公に云ってますので、
流れた直後から繋ぎ融資の導入に積極的に動いています。
何が何でも倒産・破産はさせないために国をあげて支える姿勢です。
今回成立しなかった最大の要因は、
日系企業や他業種に比較して高すぎる労働コストの減じ方です。
いわゆるレガシーコストと呼ばれ、
退職者の年金や保険金まで車の値段に加算されます。
このレガシーコストを日系企業並にしようと画策しましたが、
全米自動車産業の労働団体が最後まで折れませんでした。
これにより会社が倒れたら、少なくなるどころか全くなくなる事になりそうです。
労働団体が次期大統領と話すために今回流したのかも知れません。
次期大統領が稼動するまでに会社が存続してればいいのですが。
いずれにしても最悪300万人の失業者は恐怖の対象です。
日本への余波は全く分りませんが大打撃になることだけは間違いありません。
次期大統領はアメリカ史上2度目のニューディール政策を目指しています。
前回と違って日本も浅からぬ縁続きですので、浮き沈みがシンクロすると思われます。
すでに円高のとばっちりが他業種まで影響を及ぼしています。
政府としてはAIUを助けてますので方便はなんとでもなるのでしょうが、
この先の自由主義経済圏でのアメリカの立場は弱くなります。
我田引水の如く、手前勝手な法を駆使し、
やりたい放題で、アメリカの気風を謳歌してきたビッグ3ですので、
潰れて当たり前と言えなくもありませんが、余波を考えると凍る思いです。
今回何とか助かったにしても、アメ車の魅力回復には及ばないでしょう。
需要の数としても半分以下の数字がいい所だと思われます。
ただ熱狂的な支持者もいますので大切にしなければいけません。
この先はEVやハイブリッド車に開発を傾けると言いますが
環境性能も含めかなり厳しいことは容易に想像できます。
何度も救済ということも出来ませんので自然消滅の可能性も無いとは言えません。
自動車業界発の本格的な世界恐慌のスイッチが入らない事を祈ります。
わたぼうし posted by
(C)違いがわかる男