ベルリン映画祭で日本の寺島さんと山田監督に賞が贈られました。
どちらも見事な活躍に相応しい賞で益々の活躍を期待しましょう。
日本映画界の傾向としてCGを多用した映画制作が、
世界レベルから比べれば遅れていることは否めませんが、
寺島さんも山田監督もCGとは無縁な映画人です。
多分あまり興味が無いのでは無いかと思われます。
山田監督の今回の功労賞受賞のお祝いに、
BSきょうの世界のキャスター、丁野奈都子さんが、
インタビューを兼ねてお祝いに山田洋次監督にお話を聞きました。
凡そ、山田監督の作品に特殊効果や派手なスタントは必要有りません。
何処にでも在る市井の家族や人間の生活そのもので、
政治的なイヤミや皮肉も無く、悲哀や情愛を見事に際立たせます。
見終わったときの余韻が暖かく、優しい気持ちになれます。
インタビューの中で監督自身が中国からの引き上げで、
困難を極め、誰もが辛い時代に、優しく接してくれた人たちが居て、
本当に嬉しく、優しさに感動したとの事です。
男はつらいよ・おとうと、などは山田監督の作品ならではです。
丁野さんが言っていましたが、
「寅さんや、おとうとさんのような人が身内に居たら大変ですよね」
と言っていまして、監督も「まあ・映画ですので」と苦笑していました。
この国では世捨て人のような生き方がほぼ出来ない状態です。
皆さん行儀良く、キチンと整った生活をしています。
で有りながら、耳を疑うような犯罪も起きています。
社会全体に余裕が無く、ギスギスした感じは否めません。
身内に居たら大変でしょうが何処か憧れる感じも覚えます。
ドッカン・バリバリも映画の魅力に違い有りませんが、
柔らかな気持ちになれる映画も無くなることはないはずです。
山田監督は後進の育成に精力的ですので
監督の薫陶を受けた映画人の登場もそう遠くないと思われます。