2012/09/07(金)21:51
連載小説
蝉の声が少しずつ聞こえなくなり秋の虫の声が多く聞こえてきました。
窓を開けて走っていても聞こえるぐらい盛大に鳴いています。既に朝夕は夏の格好では寒いと感じるぐらいになりましたが、
日中は入道雲が出ていまして20%パワーダウンの夏の日々が続きます。月が変わって毎日新聞の連載小説「海と月の迷路」が終わりました。
ハードボイルド作家の大沢在昌氏の意欲作で、
在りし日の長崎の軍艦島を舞台にしたミステリー小説でした。連載小説を欠かさず読めたのは久しぶりで、
やはり小説家の力量は大いにあると勝手に想像しています。軍艦島は30年前に廃坑になりかつての賑わいは廃墟が物語るだけで、
戦前から国のエネルギー産業の根幹に位置してきた採炭産業の象徴です。私も一度訪れて見たいと思う場所でして、
この小説を案内に島のあちこちを見たい気がします。大沢氏の年齢からしてもリアルタイムな経験者ではありませんので、
事前の取材から想像を膨らませた作品でしょうし、
氏の代表作である「新宿鮫」と似てるような違うような感じです。資源の無い我が国は未来永劫エネルギーと向き合わなければなりません。
それでいながら毎日消費と製造を繰り返す訳であり、
人間の欲求と生活実態の本質はそれほど変化しないのも歴史の事実でしょう。この先も各紙の連載小説はアナログの極致として絶えることは無さそうです。