2012/12/27(木)22:39
先憂後楽
座右の銘のアンケートがあったとすれば、
経済人と呼ばれる方々に評判が良いのが「先憂後楽」です。この4文字熟語はリーダーの資質を良く表していて、
誰よりも先の見通しに腐心を極め常に臨戦態勢で居るべきで、
楽しむのは後進に道を譲った後にするべきであると言う、
仕事に集中するための戒めであり、見事な感覚です。その対極のような自慢話が日経に載っていました。
森元総理の私の履歴書でして、首相就任中の出来事で、
海洋練習船「えひめ丸」の遭難時にゴルフをしていて、
その事をマスコミがありもしない映像と絡めて私を貶めたと言うものです。確かにそんな事がありましたが、ゴルフに行っていた事は事実ですので、
私の感覚からすれば退任後に毎日やれば良いだけで、
事実上、行政府のトップである以上、就任中は滅私で有るべきでした。マスコミのやり方と世間の本質は瓦版の時代から変わっていませんので、
今更何を言おうが一国のリーダーとして資質を欠くのは疑いようがありませんで、
自らの勉強不足であり、驕りに他なりませんので気の毒なはずが有りません。
我が国のマスコミは政治的に中立でなければ成らないなどと言った、
報道のグローバル感覚から優遇されてる事は置いておくのが狡猾です。
全く利用しない事など不可能なのですから毒と薬を間違えたトンマな話です。特権階級に居ることが民主主義の精神を見失う事が多いとしたもので、
そういった感覚が私の履歴書に散見できますので、
やはり元から資質が無かったと言わなければ成りませんが、
今回、特使としてロシアに訪れる予定でして、
履歴書で自慢のようにくくられた当時のプーチン大統領の、
「ヨシと領土問題の解決をしたかった」との言葉の成否が分かるでしょう。政治的に何のイニシアチブも持たない人物に誰が約束するかと思いますが、
領土問題のテーブルを再構築し、話し合いのセットの段取りまでの仕事でして、
多分最終日にはこの特使の事が自慢になっていて、
自分でなければ務まらないかのようなオチのような気がします。結局、我が国は官僚・役人が動かしているのが事実なんだと、
最後までまだありますが、元総理のエッセイで良く分かりました。