2010/09/14(火)12:12
潮の流れが変わる時
モザイク・プロジェクト~ジャズと生きる女たち
別に私は、女性の地位が向上して、世界への影響力が強まったら、社会環境が良くなるとか、単純にそう考えているわけではありません。
ただし、物理的に体力の弱い女性の志向性は、本能的に、闘って何かを奪い取り生き延びるという方向には強さを発揮しないのではないかと考えます。
東京ジャズのライブが楽しかったので、帰りにモザイクプロジェクトのCDを購入してきました。
実際には、ライブより多くのメンバーが参加していて、それぞれの持ち味を生かした素晴らしい仕上がりとなっています。
ジャンル的には、プログレッシブな方向性の作品といえるでしょう。
かつてジャズの創成期から続いた、アドリブによるバトルロワイヤルな世界を潔く捨て去って、
それは、テロと国家戦略の応酬を続ける世界が、消耗を続け何も得ていないことを示唆する視線に感じられます。
(そりゃあ、武器の売買とその後の復興で潤う人たちや、戦闘本能を満足させる人はたくさん居られるでしょうが、その裏で戦闘による被害や、その後の荒廃した世界を生きなければならない人たちの数と悲しみに比べたら・・・)
だから彼女たちの音は、駆け引きを続けながら、優しく、強く、自由な世界を描き出すのです。
母親が産み落とした子の行く末を案じるように、自分の伴侶とその家族たちを案じるように。
モザイクプロジェクトを聴きながらこれを書いていたら、いつの間にかティネカ・ポスマの世界に入り込んでいました。(ハードディスクに落としてあるので)
【送料無料選択可!】【試聴できます!】ザ・トラヴェラー / ティネカ・ポスマ
ステージでは、アルトとソプラノを持ち替えて、特にソプラノサックスの音が印象的でしたが、このアルバムでは、曲に込められた物語を呼び出すような力強いメロディが印象的です。
ソプラノサックスの少し高めの音が、私の中のコブラを躍らせるのでしょうか(笑)。
雨にも負けず、風にも負けず、資本主義の誘惑にも負けない、強くしなやかな音に、私はなりたい。
テネカ・ポスマ サランヘヨ