父親たちの星条旗
アカデミー賞候補にもなった、クリント・イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」と同時に撮影された兄弟のような映画。こちらは米国側の視点で描かれている。「硫黄島・・・」のほうは劇場公開時に見て、こちらはなかなか見られず片手落ちの気分だったが、ようやく観賞できた。戦闘シーンなど「硫黄島・・・」と違うアングルで撮ったと思われるものもあった。しかし、これは戦争そのものというよりも、旗を立てたことで意に沿わず英雄に祭り上げられてしまう3人の軍人たちの後日談が中心になっている。旗を立てたことは戦闘の中では大して重要じゃないのに、ことさら英雄視されて苦悩する3人。ある者はアル中になり、またある者はたまたま写真に写った衛生兵だったため硫黄島のことを一切語らず死んでいった。戦争でたくさん人を殺し手柄を立てるのが英雄なのかを、見る人に問いかけるような映画だ。☆☆☆☆