映画「室町無頼」
応仁の乱の起こる5年前、寛正(かんしょう)の土一揆を取り上げた時代劇。戦国以前の室町時代が映像で取り上げられたことはほとんどなく、興味深く見た。疫病に飢饉で民は苦しんでいるのに、為政者は顧みず、関所を増やして庶民から金を巻き上げることしか考えていない。非道な金貸しが襲われるのは当然だろう。現代と同じだ。コロナ、物価高、コメ不足なのに税金は増える。政治家が国民を見ていない。なるほど、この時代を取り上げた意味が分かった。修行から棒術の達人になる才蔵(長尾謙杜)が初々しくてよかった。僕は知らなかったが、なにわ男子のメンバーだという。セリフ回しはまだまだだが、楽しみな役者だ。主役の大泉洋もひょうひょうとしてよかったし、全体的に面白かった。中村蒼の将軍義政も庭いじりばかりして政治に興味がない無能な感じがよく出ていた。細かい説明不足は、原作を読んで補うとしよう。☆☆☆☆☆