遠野にいた頃・2
なんだか遠野への追慕がわき上がってきちゃったので、再度…。冬は零下10度以下もざら、という遠野暮らしで欠かせなかった物のひとつに、薪ストーブがあります。ホームセンターで4000円前後で売られているアレです。ダルマ型、時計型、とかあったっけなあ~。部屋の中の畳を一枚外して、そこにデンっと。隙間だらけの古い家では、この本物の炎のパワーなくして冬は越せないのです。薪は、夫の勤める炭焼き釜からもらって来たり、知り合いの薪ストーブ仲間と分け合ったりしていました。多かったのがカラマツの薪。火付きがいいのと瞬間の火力は強いのですが、長持ちしないのが短所。その点、ナラやクリなどの薪は火持ちが良くて最高!という扱いでした。たま~に、ブナの倒木なんかも分けてもらえたりして、それはそれで、なんだかとても貴重な気がして、なかなか使えなかったり。ちょうど今くらいの季節。秋が進むにつれて、軒先に積み上げる薪の量が気になりだしてくるのです。薪が多い程、冬の暮らしは安泰。「薪富豪」と、よく仲間内では言い表していました。薪を割るのは夫、山に入って落ちている枯れ枝や杉の葉を集めるのが私と息子の仕事。そうやって冬を迎える暮らし。ほんと、豊かだったなあ~と思います。写真は、遠野を引き上げてくる時に、最後に残した薪を外で燃やしているところ。この薪ストーブとは、それがお別れだったなあ。(息子の後ろにある筒状の物体は、牧場で使われていたであろうナニカ。よく彼が登って遊んでました。)