1 クロ猫との出会い。



出会い


クロネコとの出会い



ノラが死んでから2ヶ月ほど経つ

秋の風も冷たさが日増しに身にしみてくる、

もうすぐ冬が来るんだ!!

そう思いながら毎日 仕事にあくせくして働く、

そんな日々が続いている。


11月の中になるころ、

太陽の日差しが暖かく休憩時間に表に出る。

工場の横に新築の建設の為に基礎工事をしている。

普通の民家の建物である。

興味深そうにその工事を見ている私・・・・



工場の片隅に目を向ける・・・オッ???

そこに、大人とは思えないクロネコが一匹、

ウロウロしている・・・

私と目が合うが、

私は何も気にしてもいない、

その日は、ごく普通の日々が過ぎて行く、



次の日 いつもの様に基礎工事を見に出る、

昨日 工場の片隅にいたクロ猫が気になり周りを探してみる、

・・・・・いた ・・・

クロ猫と目が合うがどうも警戒しているらしく、

近づいてこない、



猫の様子をしばらく観察している私である。

そうか?

まだ1歳ほどのクロ猫と推測して見る、

その動きが、どうしても気になって仕方が無い!!

良く見ると首から手の脇の下に掛けてヒモが掛かっている、

それを見て飼い猫であるんだと感じた私は、

ガッカリした・・・・

でもなんでこんな所にと疑問を持つ、



次の日もやはりクロ猫がいる、

今日は、以前居たノラに食べさせていた

キャッツフードが残っていた食べ物をクロネコに上げようと思い、

持ってきていた。

ご飯を差し出すと、

クロネコは恐る恐る近づいてきて食べ始めた。



ご飯を食べているクロネコを良く見ると、

なんと!!

脇の下がケガをしているでは無いか???

それは、細いひもが肉に食い込んでいるではないか??

ワ~・・これはひどい・・・・・

私はそのひもをハサミで切って取ると、

肉が開いて、痛そうである・・・・・


救急箱を持ってきてすぐに手当てをする が、

猫は本当にいたそうである。


この猫が小さい時にひもに縛られたまま大きくなるにつれて

ひもが食い込んでいったのであろう・・・・

なんとヒドイ人間がいる者だと腹が立つ!!!

こうして見るとこの猫は帰る家もない野良猫になっていのではない??。


私はこの猫をほうって置けなくなり

毎日 手当てとご飯を上げていた。

気候も冬に入り気温もどんどん下がり、

表では可哀想になる、

そこで工場の中へ入れてあげてダンボールで猫の巣を作り

とりあえず・・・

クロ猫に・・・

”さあ~ここがお前の家だよ!!!”

工場で働いている皆も、

このクロネコを大事にしてくれているので、

クロネコも、いつ居てしまった。

ま~いいか・・・工場のペットなのだ!!!

誰か可愛がってもらえる人は現れたらその人にあげ様と、

考えていた。



近所の人が引き取ってもらえる話が出来てその人に

預けた・・・

チョット寂しいが、可愛がってもらえればと

あきらめた、

数日経つと何とクロネコが私の工場に帰ってきてしまった。

預けたおばさんもあきらめたのか引取りに来なくなりました。


☆ クロネコとの生活☆



私も覚悟を決め、

この工場で飼ってあげよう・・・と

猫の巣を作ってあげる。



歳も明けて冬も本格的になり、

寒さも日増しに冷え込んでくる昼間はともかく。

夜ともなると工場の中はかなり冷える、

仕事を終え帰宅する時、

私はストーブをつけたままにして置いて帰宅する。

夜はこれでクロも風邪を引かないだろう・・・・



このクロネコの名前ですが、

工場で働いている女性が ”クロ”・・”クロ”と言う言葉が

ひんぱんに使われているうちに、

いつしか”クロ”と言う名前になってしまったのだ!!

”メス猫のクロ”

こうしてクロも私達と同じ工場の一員となる。


このころにはキズも治り元気に飛び回り、

私になついて良く言う事を聞いてくれる様になって来た。

クロネコは結構かしこい猫なんだと

改めて気が付く、


そしてもう一つ気が付いたのが

猫の年齢だ!!


それはクロにとって初めての冬を味わう「雪」

・・・・

夜中に降った雪が数センチの積雪になり、

朝 出社して工場の鍵を開ける、

いつもの様にクロは、

私の来るのをドアの向こうで待っている、

ドアを開けると同時に飛び出てくる、

ところが、

今日の表の状況が違っているのに・・

クロは気が付き、

飛び出るのをためらっているではないか!!

ドアの前は真っ白の銀世界である。

私はその成り行きを観察してみる???


このクロの様子から見ると、

雪を見るのが始めてなのだろう??

そう感じた私は、

雪の中でしゃがみ・・・


”クロ~・・・おいで~おいで~~”と


雪の中へ誘ってみた、

クロは、雪の所で片手を恐る恐る

雪の上に手を載せて見ている・・・

一度・・二度とそしてなめて見る、

雪の冷たさに気が付いたのであろう、

この時のクロの行動は少しコッケイである。

表に出ることをあきらめて工場の中へ入って、

私の顔を見て・・ニャ~オ~・・・・と泣くのだ!!!

”そうか・・・お前・・雪は初めてか???”

・・ハハ・・・・ッ。

この様な事を見ると去年の春に生まれた猫なんだと

想像できた。



クロねこつづく

------- つずく --------








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