なすがまま時に流されな す が ま ま 時 に 流 さ れ 人間この世に生をうけて幼年少年青年と 淡き熟成しなき日々をなすがままに時に流され わが身を透明なる空気と光と自然の中におき 笑いと悲しみと怒りの呼吸をしつつ なすがままに時に流され人の世のよすがも知らずいつも 打ちひしがれて生きてきた 理想と夢想のはだまで悶々としつつ現実社会の生活を 顧みずなすがまま時に流され生きてきた これから先の死を迎えるまでもわが身は 悲しく打ちひしがれてなすがまま時に流され 生きていくのだろうか 平凡で無知で惰性的な私の生命が社会的に人間的に 意味のない虫けらのごとくただなすがまま時に流され ずっとずっと死の河口まで葉の船に乗り 流されて行くのだろうか なすがままに生まれなすがままに生きなすがままに死す 時は知らず知らずまたたってゆく なすがままに生きる私の前を 時に流されなすがままに生まれなすがまま生き なすがまま死す男がひとり 私と同じように今日もまた流されてゆく |