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2021/09/10(金)09:27

文楽小説断片集 「頑 固 な 奴 」 2005年  10/12

小    説   断   片   集(30)

​​   ♪ 頑  固  な  奴 ♪​ ​​​​​​​     怒りぽっくて頑固で薄情な     どうしょうもない男であった。     人の話を聞き入れない男だとは     転勤前の友人からの連絡で知っていた。     「 今度そちらに行く片山という男は      とんでもない堅物だからな!! 」      そういった連絡だった。     M大学卒業の38歳の片山鉄治は     その名のとおり融通のきかない     頑固一徹な奴であった。     高校を出た温厚な43歳の     吉川良夫とは、対照的な性格である。     鉄治は一度いいだしたら人の意見を     聞きいれない男であった。     大ベテランで上司や同僚からも信頼     されている班員の良夫が親切に・・・     「 班長こうやった方がいいいですよ!! 」     と切り出しても絶対「はいわかりました」     とは言わないない男であった。     こんな班長とは、いい上下関係を築くことは     できないと良夫も半分しらけた気分である。     「今まで長いこと班長と付き合ってきたが     こんな不出来の班長は見たことがない!!」     と日頃あまりボヤクことのない良夫でも     ボヤクことがあった。     なんであんな性格が生まれたのだろう??     赤ん坊として生まれた時からあんな     性格ではなかったはずだ。。。     こんな班長の下で働くのは嫌だ・・・     前の班長は、よかったなぁ~     部下はみんなそんな思いである。     部屋のムードが鉄治がきてから     暗くなったみたいだ。     情愛もなく人との付き合いも淡白で     中身の濃い男同士の交流もできない     超自己中心主義の性格だった。     班員が残業し、業務に苦しんでいても     われ知らず、時間がくればサッサと     帰り支度をして「 帰るぞうー”” 」     といって先に帰るような男であった。     鉄治は,男同士のケンカは今まで     いくつもやってきたと自ら吹聴した。     この職場に7名の部下をもつ班長として     着任した2日目に早くも班員と     口ゲンカをしたのである。     「まったくやりにくい班長が来たもんだなぁ~」     部下はそう言ってため息をついた。     髪の毛の短いふっくらした     丸い顔に太い眉毛がのっている。     小さなサバの腐ったような瞳と     タラコのような口元。     顔の一つ一つのパーツは     誰が見ても冴えない見苦しい     男であるのだが・・・     一見すればダルマさんみたいな     顔立ちをしているものだから     早くも部下から「”ダルマの鉄”」     というあだ名をつけられた。 ​​     はいストップ!!     「ダルマの鉄”」というあだ名の     片山鉄治は、頑固一徹の男である。     新しい職場での仕事ぶりは     はたしてうまくいくのでしょうか?     さあ~ここからは、あなたに     おまかせしたいと思います。             よろしくお願いします。 m(__)m     * この小説に登場する       人物の名前は仮名です。 ​​​

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