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2021/09/10(金)09:06

文楽小説断片集 「 愛すれど悲しきメロディー 」2005年 12/21

小    説   断   片   集(30)

​​​​   ♪愛 す れ ど 悲 し き メ ロ デ ィ ー♪ (続編) ​​   洋子への思い。    それは、気が狂うほどの愛であった。    彼女への思慕は、達也の心に長年あたためてきた    ものだけにまさにそれは、激流が堰をきったように    全身にあふれその感情は爆発しそうだった。    達也の思慕は、さらに強くなって    炎のように燃えていた。    愛を常に感じつつ表現できなかった    7年の歳月の心のうちは当然洋子には、    わかるはずもなかった。    達也は、自分の苦しみを酒という魔物で    まぎらわし仕事という熱情で忘れようとして    生きてきたように思うのであった。    しかしこうして彼女洋子から電話があろうとは。。。    天が地がひっくりかえったような驚愕であった。    血が逆流し、声にならなかったが電話の声は    まさしく愛する人、洋子の声であった。    7年前の彼女の声は、年月を経てもやさしい    響きがあり達也は喜びと驚きのなかで聞いた。    「白戸さんのお宅ですか」    「白戸達也さんいらっしゃいますか」    電話のの声を聞いた時、何も感じなかった    達也だったが。。。    彼女は、不安と期待があったのだろうか。    とぎれたように間をおいて「失礼ですが    7年前になりますが・・・    洋子です。鹿島洋子ですけど覚えていますか。」    この時はじめて達也は、「えっ””」    と声をだした。    彼女が、達也の顔色を見たら    びっくりしたかもしれない。    電話を持つ手は小刻みにふるえ    どぎまぎしたような表情は    緊張で普段の達也とはいえなかった。    顔色は、やや青くなり心臓は    とまりそうだった。    「彼女が何故?」そう思いながら    「洋子さんですか””お久しぶりです。」    お元気ですか。誰かと思いましたよ””」    達也はいっきにしゃべった。    新たな感情が次から次へと漣のように    押し寄せるのがわかる。    「お久しぶり・・・突然でごめんなさいね”」    「お元気そうですが今どんなお仕事なの?」    「あぁ小さな花屋をやっています。」    学校を卒業してから転々として    今やっと落ち着きました。」    「洋子さんは、何を?」    淡々とした会話だった。お互いに7年という    空白が少し遠慮した他人行儀な言葉使いを    しているようだ。    それは、仕方がない。    7年の空白があったのだから・・・    お互いの生活や心情は    変わっていて当然であった。    あの当時の若さあふれるさわやかな    声色はなかった。    お互いに成長し、人生の何たるかを    経験した男女がいまさら若き匂いをした    声色をしている方が不自然である。    しかしお互いの声は、7年前の面影を    残しているのは事実であり懐かしい    気持ちがあふれた。    「懐かしいなぁ~あなたから電話を    もらうなんて。・    最初は誰だか自分でもわからないほどでした。    元気でやっているようですね””」 ​    * 洋子・達也は、仮名です。              これは、2005年8月28日掲載の       文楽小説断片集第18集      「愛すれど悲しきメロディー♪」       の続編というものです。       過去の分もお読み下さい。​​   ​     ​      ​​​​​​​​​​​​

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