風鈴文楽夢綴り🌸 🌸 今日も笑顔で毎日ルンルンスキップ しよう🌸

2019/12/05(木)21:25

舞 妓 水 揚 げ 殺 人 事 件  3/15

頭  出  し  小  説  等(110)

​  ☆彡 舞 妓 水 揚 げ 殺 人 事 件 ☆彡   暖かいお正月だった。   画家の沢木潤一郎は、久しぶりに、祇園のお茶屋に   行くことにした。   なじみの舞妓、小菊にも会いたかったし、東京から、先輩の   画家が来たので、祇園に案内しようと思ったのである。   川口という先輩画家と、料亭で食事をすませてから、お茶屋に   行ったが、小菊はなかなか来なかった。   売れっ妓なので、いくつかの座敷を廻っているのだろう。   「 遅おすなあ。もうちょっと待っとくれやっしゃ。   さあ、あんたら、何かしてお遊びやす 」   おかみがいうと、先に来ていた3人の舞妓が、テーブルの   まわりに集まり、ゲームをはじめる。   こんなときに、舞妓たちと遊ぶ、お座敷ゲームは、色々ある。   一人が、輪の外に出て鬼になり、あとのものが、歌をうたい   ながら、コインまわしをて、歌が終わったときに、誰の手の中に、   コインが入っているかあてるものや、こよりを、下唇の下に   はさんで、隣りにまわして行くゲームなどもある。   今日は、「迷惑拳」というゲームだった。   鬼を一人作り、「ワン・ツウ・の5」とか10と叫ぶ、そのとき、   一人が、片手をあげれば指の数が5本なので5、   二人挙げれば、10というふうに、数える。   鬼以外は、その場の気分で、手をあげたり、あげなかったり   するから、数は、さまざまである。   鬼の叫んだ数と、手が合えば、鬼の勝ちで、罰として、   お酒を、鬼の隣りの人が飲まなければならない。   罰として隣りの人が飲まないといけないので   迷惑拳というのだ。   普通の家庭で、お正月に、子供がたちがやっているような   単純なゲームなのだが、舞妓たちが、「きゃっ」とか   「わァ」とかさわぎながら一生懸命になるので、楽しい。   鬼が強いと、隣の舞妓は、何度も、お酒を飲まねばならず、   飲めない舞妓に、無理に飲ませるのが面白い。   沢木は、慣れているので、それほど熱中はしないが、   今日の客川口は、珍しいらしく、一生懸命だった。​​

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る