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2023/04/12(水)11:28

ト ン ボ を 悲 し む 男

美  男  詞  花  集(631)

        ​ ト ン ボ を 悲 し む 男 ​​        朝の道に細い雨がポツポツと降っていた        アスファルトの路面が濡れている        そんな路面にあった昆虫の悲劇””        一匹のトンボの死をこの目で見た        なんという悲しい出来事だろう        それは確かきのう見たトンボだった        きのう二匹のトンボが飛んでいた        恋人か夫婦のトンボだろう        そんなトンボに何があったのか        こんな街の中でトンボが見れるなんて        トンボが生まれ颯爽と飛んでいる光景””        それはこの上ない喜びであった        だがその翌日にトンボの死を        目撃するとは信じられなかった        ただ黙するだけの寂しさのなかで        何もしてやれないことを悲しんだ        トンボよ””トンボ””悲しみのトンボよ        金子みすずという詩人だったらきっと        一編の詩「トンボの死」を書いただろう        夏目漱石という作家だったらきっと        「人間の死だけが悲しいのではないぞなもし””」        そのようにいったことだろう        友人にコーヒーをすすめながら        今朝トンボが死んだことを話したが・・・        トンボの死には全く関心がなかった        ああ~悲しみがまたひとつ・・・・​

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