上を向いて歩こう
今日、スタッフの一人がおばあちゃんが亡くなって、急遽葬式に田舎にもどると電話があって、昔々のこんな事を思い出したっす。*** *** ***ご存知の方も多いとは思うっすけど、俺の唯一の趣味は麻雀っす僕の雀暦は、年齢の割りに長くないっすwまだやっと10年くらいかな~。だから一回り年下のまぁちゃんと同じくらいっすかねw麻雀をはじめたばかりの頃って、フリーとか行かなくてセットばっかっすよねw麻雀やりたくてしょうがないから、会う人会う人に麻雀できるか聞いちゃう。ある日、超絶に美しい女優さん某ユキコさんと仕事した時に「あら、ブンさん麻雀できるの?ならあさっての日曜日うちに遊びにいらっしゃいな」なんて誘われたものだから、もう有頂天っすねww芸能人の「今度のみに行きましょう」はたいがい社交辞令なんっすけどね~。こんな具体的に誘われるなんてまずない事っすwあのあこがれの女優さんのうちにお邪魔できる!!なんてはしゃいでましたっすw都内のユキコさんの家につくと、出迎えてくれたのはユキコさんの綺麗な娘さん。「母はもうすぐもどりますから、しばらくお待ちください。」といって案内された大きなリビングの真ん中に、おかれた自動卓。すでに席につかれていたのは、某オカマのKMさんと、某コントの帝王。「今日はよろしくお願いします。ブンです。」といって、席にすわると、部屋中の壁にはある有名な男性の写真が張り巡らされている事に気がつく。その頃、実はあんましユキコさんの事とか知らなくて、ん~なんというかテレビの仕事してるのに、実は芸能人詳しくなくてっすね。恥ずかしながらユキコさんは年上の綺麗な女優さんくらいにしか認識してなかったんっすよね~「ああ!!」心の中でやっと気がつく。「そうだったけ,,,,,,」そうだ。彼女の旦那さんは、、、僕の頭の中には日本中を震撼させた、日航ジャンボ機墜落事故の映像がかけめぐる。上を向いて歩こう明日があるさ 涙くんさよなら僕は悲しみをこらえてなんとか前に出ようとする彼の歌が好きだ。障害もなにもないなんて、人生ありえない。だから、やみくもにポジティブに生きるなんてできない。みんなそれぞれの不幸や苦痛を背負いながら、前に出ようとしている。悲しみを力に変えようとする精神が好きだ。ユキコさんは友人を集めて、50円という低レートで麻雀を打ち続ける。この手の集まりではホント珍しい事だ。この部屋に毎週のように通ったけども、彼女にとっての麻雀は少なくともギャンブルなどではなく。供養に近いのかなと思った。一度だけもらした事がある。「わたしね。この部屋で麻雀を打っている時が一番幸せですのよ」彼女の表情は幸せと悲しみのまじって美しかった。その頃僕も、バブルの崩壊で600億円の借金とともに自殺した恋人のユウの事をひきずっていた。僕はユキコさんと麻雀を打たせてもらう事で、なんだかユウの供養をしている気持ちになり、いつしかユキコさんの顔が菩薩のように見えていた。ん~これね。ホントなんだよ。だから今でもユキコさんは僕にとってはけっこう神聖な存在なんだよね。ふと麻雀をはじめたばかりのあの頃を思い出したよそして俺にとっての麻雀は死者への供養なのかもしれないと思ったっす。10年以上たって、ユウ ハルカ あーたん 3人の恋人と死別してしまった。やっぱり後を追いたくなる。今でも僕だけがこの世にとりこされているような気持ちになってしまう。だけどね。今日は、少なくとも今日は上を向いて歩くよ 涙がこぼれないようにね