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分太郎の映画日記

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2007.03.08
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 運河沿いの貧乏長屋に暮らす人々の生活を、少女の視点から捉えたもの。
 検閲によって上映禁止になった作品だが、戦後の1946年に系列の違う松竹で公開された(南旺映画は東宝系列の製作会社)。1940年当時の庶民群像を淡々と描いた佳作。
 フィルムセンターで開催中の「シリーズ・日本の撮影監督(2)」にて鑑賞(2007/3/3)。
 評価:☆☆☆☆

(ネタバレ有り)
 横浜・鶴見の運河のほとりにある、日掛け20銭の長屋。みさ(矢口陽子)は、有能だが酒の切れないうちは働かない大工の父(三島雅夫)と母(三好久子)、弟との4人暮らし。同じ長屋に住む釣舟屋の夫妻の末娘と、授業料がいらないという学校に通っている。
 その末娘は養女で、体が弱くて工場で働けないことから養父養母からいびられていたが、健康診断のいらない工場を自ら探してきて勤め始めて学校を辞めてしまい、学校で女の子は一人きっりになってしまう。みさと久しぶりに再会した娘は、休みの日に楽しみに観に行くという“活動”(写真)で流れていた歌を、みさに教えてあげようと歌い始めるが、いたたたまれなくなったみさは走り出して逃げてしまう。
 みさの家の隣には、売れない浪曲師(徳川夢声)と妻(水町庸子)、娘(悦ちゃん)が住んでいるが、仕事がなく、必死の思いで開催した河原で開催した浪花節大会も木戸銭をほとんど得ることが出来ず、結局、夜逃げしてしまった。
 その後に越してきたのは、母、日雇い人夫の長男と次男(宇野重吉)、長男の嫁(清川虹子)の4人。嫁は、みさの母から家賃を借りるも、白を切って返さずじま。独身の次男は、釣船屋の上の娘にこなかけるが、親に邪魔されてうまくいかない。
 その向こうに住む日雇い労働者の林造(小沢栄)は、その日に稼いだお金を博打に費やしてしまい、身重の妻(赤木蘭子)が働いて5人の子どもを養っていたが、ある日、林蔵が失踪してしまい、6人目の子を出産した直後からも働きに出て、無理がたたって亡くなってしまう。林蔵が帰ってきたのは、その葬式の日の晩であった。
 ある日、みさの通う学校に朝鮮人の少女(椿澄枝)が転入してくる。彼女の父親(滝沢修)は屑屋をやっていて、家は長屋よりもさらに貧しい生活だが、友だちになったみさは、母の「汚くないか」との心配を「貧しいけれど笑うことを知っている」と一顧だにせず、その家へ嬉々として通う。しかし、その朝鮮人の少女も結婚することになり、学校を辞めることになった。
 学校では先生(信欣三)が昔話をしていて、鬼を頓知でやっつける和尚さんの場面では、友だちをなくして一人ぼっちのみさの顔も、ようやく笑顔になる。
 心機一転して真面目に働く林蔵の帰宅とかち合ったみさは、林蔵を迎える子どもたちとともに、不幸せとしか言えない状況にも負けず、輝くような笑顔を見せるのであった。 

 映画の中で鶴見川を渡る鶴見線が映し出されるので、実際に鶴見川河口付近でロケされたらしい。

 ある意味、これでもかという不幸の連続が展開するが、監督の千葉はそれを情緒に流されることなく、淡々と描ききっていて秀逸。主人公の矢口陽子が時折見せる笑顔が大きな救いでもある。

 原作は未読だがオムニバスとのこと。ちなみに、タイトルの煉瓦女工の話しは出てこない。

『煉瓦女工』
【製作年】1940年、日本(公開は1946年)
【配給】南旺映画
【配給】松竹
【監督】千葉泰樹
【原作】野沢富美子
【脚本】八田尚之
【撮影】中井朝一
【出演】矢口陽子、三島雅夫、三好久子、徳川夢聲、水町庸子、悦ちゃん、小沢榮、清川虹子、赤木蘭子、宇野重吉、滝沢修 ほか





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最終更新日  2007.04.03 15:01:06
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