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2007.03.22
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 『シェルブールの雨傘』や『ロバと王女』などの傑作ミュージカルを作ったジャック・ドゥミ監督の処女長編作で、初恋の人を7年間待ちつづける踊り子と、彼女に想いをよせる幼馴染みとを中心にした“初恋”、またはすれ違いの物語。
 ジャック・ドゥミという名は、一部の人には『ベルサイユのばら』の監督と言った方が通じるかもしれない。

 現在、フランス映画祭が開催中だが、その特別イベントとしてユーロスペース(3/27からは東京日仏学院)で行われている「ジャック・ドゥミ、結晶(クリスタル)の罠」にて鑑賞(2007/3/20)。

 『ローラ』 評価:☆☆☆

 「初恋――それはいつまでも残るもの」という映画の中のセリフが、全体の主題といってよいだろう。
 ネタバレになるが、7年間初恋に生きる純粋さをもった女性ローラの、その初恋が成就してしまう展開は、「現代のおとぎ話」と呼ぶにふさわしい恋物語である。といって、決して甘い香りが漂うものではなく、多くの出会いとすれ違いを通して、厳しく、そして美しく描き出している。
 そして、そのローラの初恋の人、ミシェルにもちょっとしたサイドストーリーが用意されているあたり、登場人物に無駄がないというか、話がうまく織りあげられている。

 映画で写し出されるナントの港町は、ドゥミ監督の生まれ故郷だという。そのためか、彼の作品には港町を舞台にしたものが多いように思うが(と断言できるほど作品を観ている訳ではないが)、たぶんそれは、港が到着と出発とを繰り返す場所で、その数に倍する人の出会いと別れが存在するからだろう。
 初めての長編で、一見おとぎ話の体裁をとりながら、人と人との出会いと別れを通して、信じて生きることの素晴らしさを真正面から訴えていることの意義は大きいと思う。生きる希望が湧くというか。

 処女作にすべてがある、とはよく言われることだが、ローラたちが歌って踊るシーンに、後のミュージカル映画の傑作群への萌芽が見られるし(そもそも『ローラ』は、「ヨハネスブルグへの切符」というアヌーク・エメを主演にしたカラー・ミュージカルの企画だったという)、その後しばしば描かれる「すれ違い」は本作の重要なテーマだ。
 しかし、それよりもこの『ローラ』の主要な登場人物が、その後のドゥミ作品に登場することだ。
 ローラのその後の人生は『モデル・ショップ』で描かれるし、ロランは宝石商となって『シェルブールの雨傘』に再び登場する(というのはパンフレットを読むまで気づかなかったが……)。
 また、少女セシルとフランキーの関係は明らかにかつてのローラとミシェルの関係をなぞらえている訳だが、踊り子になるためにシェルブールへと家出するセシルのその後の人生は、『シェルブールの雨傘』でカトリーヌ・ドヌーヴが演じたジュヌヴィエーヌの人生に重なる。
 細かいところでは、カフェのマダムの会話に出てくる靴屋のファヴィニは、ドゥミ監督の遺作『想い出のマルセイユ』でも書店の店主?の婦人とイヴ・モンタンとの会話にも出てきたりする。

 モノクロ作品でもあり、すべての人にお薦めできるわけではないが、“初恋”という誰にでも訪れる人生の重大“事件”を扱った秀作として一見の価値あり。


【あらすじ】(ネタバレあり)
 ナントの港町。1台のキャデラックが疾走してきて、アメリカ水兵の一団の脇を駆け抜けた。
 水兵の一人フランキー(アラン・スコット)は、仲間と共にキャバレー「エル・ドラド」に繰り出す。彼の目当ては踊り子のローラ(アヌーク・エーメ)。フランキーの熱意にローラは彼を家に招きいれる。
 遅刻が原因で会社を馘になったロラン(マルク・ミシェル)は、書店でデノワイエ夫人(エリナ・ラブールデット)とその娘セシル(アニー・デュペルー)と知り合い、英語の辞書を娘に貸すことになる。そして、彼女によく似た同じセシルという名前の幼馴染みのことを思い出す。
 ロランが下宿に戻ると、屋主のカフェのマダムから、床屋が以前に人を探していたことを聞かされる。話を聞きに床屋へと急いでいると、息子イヴァンを学校へ送る途中のローラと10年ぶりに再会する。ローラというのは芸名で、彼女の本名がセシルだった。互いに時間のない二人は、再会を約束して別れる。
 床屋から紹介された仕事は、南アフリカから宝石を密輸する手伝いだった。ロランは断ることが出来ず、明後日にアフリカへ出かけることになる。
 その頃デノワイエ夫人の娘のセシルは、雑誌を買いによったタバコ屋でフランキーに出会い、英語を話す理知的な彼に好意を抱く。
 その夜、ロランはローラと二人だけの時を過ごし、彼女の初恋の話を聞かされる。……14歳のとき、お祭りで出逢ったフランス人の水兵ミシェル(ジャック・アルダン)に一目惚れ。数年後に再会して、彼の子どもを身籠るが、彼女の妊娠を知ってミシェルは姿を消した。そして、7年後の今も彼を信じて待ちつづける……。彼女が「エル・ドラド」に出勤した後、ロランは一人夜明けまで歩き続けた。
 翌朝ロランは、フランキーと一緒にいるローラを見つけた。イヴァンを学校へ送るところを捕まえた彼は、カフェでローラに愛を打ち明けた。しかし、彼女が愛しているのはミシェルだけだった。ロランはフランキーのことでローラを責め、喧嘩別れしてしまう。
 明日シェルブールに旅立つフランキーは、ローラの家からの帰り道、少女セシルにばったりと出逢う。今日が誕生日のセシルは、彼と祭りの広場で楽しいひとときを過ごす。別れを惜しむ少女セシル。その夕方、デノワイエ夫人は、娘の誕生祝いを口実にロランを家に招待する。が、夫人の期待をよそに、ロランは翌日から仕事でアフリカへ出かけて戻ってこないことを告げる。
 翌朝、ロランが雇い主の床屋を訪れると、彼は密売で警察に逮捕されていた。そこに偶然現れたローラと和解することができた。ローラと別れたロランは、デノワイエ夫人から、娘のセシルが踊り子に成りたいと家出して、義兄(じつはセシルの実父)の住む(そして一時フランキーのいる)シェルブールに向かったことを聞かされた。夫人は娘の後を追いかけていった。ロランも何が待っているか分からないが、旅立つことを決心する。
 一方のローラは、別な仕事のために「エルドラド」の踊り子たちに別れの挨拶をしていた。そこへミシェルが姿を現す。熱い抱擁を交すローラとミシェル。走るキャデラックの中からローラが目にしたのは、港に急ぐロランの姿だった。



『ローラ』 Lola
【製作年】1960年、フランス(日本公開1992年)
【配給】ユーロスペース
【監督・脚本】ジャック・ドゥミ
【撮影】ラウール・クタール
【音楽】ミシェル・ルグラン
【出演】アヌーク・エーメ、マルク・ミシェル、ジャック・アルダン、アラン・スコット、エリナ・ラブールデット、アニー・デュペルー ほか






最終更新日  2007.03.22 09:18:50
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