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2007.06.10
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 それまで、インディーズ系の映画で活躍していたジョニー・デップを、一躍メジャー映画の大スターに押し上げた海賊シリーズの第3弾。
 ワーナーマイカル・シネマズ板橋のレイトショーにて鑑賞。

 『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』 評価:☆☆

 第1作『呪われた海賊たち』(私の評価:☆☆☆☆☆)は事前に期待していなかったこともあり、大変に面白かったが、シリーズが進むごとに、つまらなくなってくる。
 第2弾の『デッドマンズ・チェスト』(私の評価:☆☆☆)は、たわいない内容(食人族の島でのあれこれや、水車を使っての三ツ巴の戦いなど)を、無駄に豪華に撮影しただけという気がしたが、それでもキャプテン・ジャック・スパロウという稀有のキャラクターを活かした話の展開ではあったので、それなりに楽しめた。

 しかし本作では、シリーズの要とも言うべき、ジャックのたち振る舞いが話を引っ張っていくことがまったくない。海賊側で話を動かすのは、キーラ・ナイトレイ演じるエリザベス・スワンと、復活したバルボッサ船長だ。
 ジャックは狂言回しにさえなっておらず、“死の国”からの脱出のときの閃きと、海賊王選びの投票を除けば、完全に居ても居なくてもよい存在でしかない。
 これでは映画が面白くなるはずかない。
(製作者もそれが分かっていたのか、ジャック・スパロウの分身を二人登場させて、その会話の妙で誤魔化そうとはしていたが、とても成功していたとは思えない)

 ジャックと東インド会社との取引も、ウィル・ターナーを同じように動かしてしまったがために、ほとんど意味がなくなってしまった。
 また、エリザベスとウィルの結婚を司るのも、ジャックではなく、バルボッサだ。これでは、ジャックは浮かばれない。
(良くも悪くも、バルボッサ船長を復活させたのが、映画的にはキャプテン・ジャック・スパロウにとって受難だったようだ)

 これらは、まさに脚本の失敗で、いわゆる海賊の(海の)自由な価値観と、東インド会社の経済的な価値観との戦いに話の主眼を設定した段階で、ジャックの居場所がなくなってしまった感じだ。
 無駄に長く(2時間50分は長すぎだ)、さまざまな要素を整理して考えることなく、詰め込みすぎたことが問題だろう。

 例えば、チョウ・ユンファの登場は楽しみの一つだったが、彼と誰かの戦いが描かれる訳でもなく、無様な途中退場では、わざわざ役柄をつくった意味がない。
 シンガポールの造形は力が入っていたが、そもそも何故“世界の果て”の海図があり、それをチョウ・ユンファが持っていたのか。そこを描かないのであれば、女神カリプソたるティア・ダルマが海図を持っていたとする方が、よほど説得力がある(何せバルボッサ船長を死から蘇らせることができる力の持ち主なのだから)。
 と考えると、エリザベスにキャプテン職を譲る以外に、チョウ・ユンファが存在する意味はまったくないことになる(エリザベスのキャプテン就任は別な形で可能だろう)。

 細かいことでは、海賊の会議で、ブラックパール号の船長としては、ジャックかバルボッサかのいずれか一人にしか代表権がないように思うのだが(二人が同時に船長というのは、“死の国”から戻ってきた後なので、かつての海賊会議への参列は、いずれか一人だったはず)、その辺はどうなっていたのだろうか。
 船を無くしても、他の海賊親分たちは、キャプテンと認めたままなのだろうか。過去の業績で判断?
 それともジャックは、海賊の“掟の番人”の息子ということで、特例なのだろうか。

 そして、さらなる問題は、クライマックスの、海賊の連合VS東インド会社の艦隊。
 ベケット卿率いる艦隊の大船団が霧の中から現れた瞬間は、どんなにかものすごい艦隊戦が繰り広げられるかと思いきや、単に大渦での、ブラックパール号とフライング・ダッチマン号との1対1の戦闘で終わってしまい、思いっきり肩透かし。
 それはないだろう。ここが一大スペクタルシーンとして描かれていれば、キャプテン・ジャック・スパロウが不在であったとしても、海賊映画としては大成功だったはずなのに。
 まぁ、その1対1の戦闘場面は、それなりに見所はなくはないが(戦いながら結婚式をあげるとか)、でもここぞというシーンはなかったな。

 そしてこの後の、ベケット卿の旗艦エンデバー号VS海賊船2艦だが、これまた拍子抜け。
 何でエンデバー号は単独でのこのこ出てきたのか、まったくわからない。自分の手で止めを刺すにしても、あれだけの大船団なら普通はもう数隻で勝負を挑むだろうに。

 ただ見守るだけで何も(本当に何も)しなかった他の海賊の大親分たちが無邪気に喜んでいる姿が、長々と映し出されていたが、これも興醒めに拍車をかけるだけだった。

 また、解き放たれた女神カリプソは、結局、大渦を作り出しただけなのだが(と思う)、その大渦に巻き込まれる(た)のが、たった2艦というのでは、あまり役にたっていない。
 海賊たちは、その勝機を、相手の艦隊を大渦に巻き込んで、そこで決戦を挑むことと捉えていたように思うが、前述のように、ブラックパール号とフライング・ダッチマン号のみしか大渦に巻き込まれないのでは、何のために海賊たちは彼女を復活させたのか。
 せめてCGで、海賊の船や、東インド会社艦隊の艦を描き入れて、疑似的にでも戦闘を描くことはできなかったのだろうか。予算は、他の映画では考えられないくらい潤沢にあったのだろうから。

 と何やかんやで、個人的には全然面白くない作品だった。
 もちろん映像的には見るべきシーンはあったとは思うし、役者としては、とりわけキーラ・ナイトレイの頑張りは凄かった(あとジェフリー・ラッシュの存在感)と思ったりするので、評価は☆二つにした。
(期待?のキース・リチャーズは、ただのカメオ出演だった。まぁ事前にブラッカイマーもそう言っていたので、文句をつける謂われはないのだが)

 エリザベスとウィルの話は、この3部作で完結したので、次回作があるとすれば、キャプテン・ジャック・スパロウの新たな冒険になるはずだが、それを楽しみに待つことにしたい。
 今度こそジャックが大活躍しますように。

 なお小説で、少年時代のジャック・スパロウの冒険物語が刊行されているが(現在は第7巻の『黄金の都市』まで)、この『ワールド・エンド』よりはずっと面白いと思うので、興味のある人は手にとってみてはいかがだろうか(ロブ・キッド著、講談社)。


パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』 PIRATES of the CARIBBEAN : AT WORLD'S END

【製作年】2007年、アメリカ
【提供】ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
【製作】ジェリー・ブラッカイマー
【配給】ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン)
【監督】ゴア・ヴァービンスキー
【脚本】テッド・エリオット、テリー・ロッシオ
【撮影】ダリウス・ウォルスキー、ASC
【音楽】ハンス・ジマー
【出演】ジョニー・デップ、キーラ・ナイトレイ、オーランド・ブルーム、ジェフリー・ラッシュ、ビル・ナイ、チョウ・ユンファ、トム・ホランダー、ステラン・スカルスゲードル、ナオミ・ハリス ほか

公式サイト
http://www.disney.co.jp/pirates/



ノベライズ本

CD オリジナル
サウンドトラック

DVD
『呪われた海賊たち』

DVD
『デッドマンズ
・チェスト』

書籍『ジャック
・スパロウの冒険1』

書籍『ジャック
・スパロウの冒険2』






最終更新日  2007.06.14 12:27:21
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