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分太郎の映画日記

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2007.06.13
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カテゴリ:日本映画(2007)
 昭和の名曲・ヒット曲をモチーフに、個性派の監督たちによる12の小編映画のオムニバス。
 シネスイッチ銀座にて鑑賞。

 『歌謡曲だよ、人生は』 評価:☆☆☆☆

 なんとも懐かしい曲が並んでいる。
 すべてを同時代的に聞いていたという訳ではないが(そこまで年ではない)、オープニングを除けば、いずれもそこはかとない郷愁を呼び起こしてくれた。
 各短編は、それぞれの曲をモチーフにと言っても、あくまでも監督の発想なり演出の“素材”であって、曲を知らなくても十分に楽しめるだろう。

 この手のオムニバス映画は玉石混合で、可もなし不可もなしになりがちだが、本作は、個々の作品レベルが高くお薦め。
 とくに私よりも上の、大半の曲を同時代的に聞いてきた世代の人には、この曲でこんな物語が展開されるなんて、と興味深く見ることができると思う。

 個人的には外したなと思ったのは、『乙女のワルツ』1作だけだった。
 逆に気に入った作品は、衝撃度では『いとしのマックス』、ドラマ度では『逢いたくて逢いたくて』、ノスタルジック度では『みんな夢の中』、SF度では『小指の想い出』あたりだが、最優秀賞は『女のみち』かな。

 以下、各話の簡潔な紹介と評価。

●オープニング『ダンシング・セブンティーン』(歌:オックス)

 ドラマではなく、曲に乗せて、高円寺の阿波おどりの映像が映しだされる。結構マッチしていて、意外な面白さ? この曲は初耳。
 評価:☆☆☆

●第1話『僕は泣いちっち』(歌:守屋浩)
【監督・脚本】磯村一路
【出演】青木崇高(真一)、伴杏里(沙恵)、六平直政(漁師の親方)、下元史朗(ボクシングのトレーナー)
【あらすじ】
 北の大地で恋人だった二人。沙恵はダンサーを目指して東京へ出て、真一もあとを追って出ていくが、沙恵には既に過去の想い出。やけになった真一は、偶然の出会いからボクシングを始め、二人はそれぞれ舞台に試合にのぞむが…。

 ありふれた話だが、磯村監督が手堅くまとめた。1960年代の青春映画のダイジェスト版のような作品。ラインダンスが懐かしい。ヒロインはちょっと薬師丸ひろ子に似ているかも。
 評価:☆☆☆

●第2話『これが青春だ』(歌:布施明)
【監督・脚本】七字幸久
【出演】松尾諭(大工:藤木貢)、加藤理恵(施主の娘:恵理)、徳井優(大工の棟梁)、田中要次(エアギター選手権の司会)、池田貴美子(清掃婦)
【あらすじ】
 大工の藤木は失敗ばかり。一目惚れした施主の娘・恵理を危険な目にあわせて落ち込んだ時に手にしたのが、エアギター選手権のチラシ。恵理に格好いい姿を見てもらうべく猛練習。そして当日を迎えるが…。

 主人公を演じた松尾のドジさ加減もほどよく、またエアギターも決まっていて、完成度の高いコメディ映画。ヒロインの加藤理恵は本作が映画デビュー。
 評価:☆☆☆☆

●第3話『小指の想い出』(歌:伊東ゆかり)
【監督・脚本】タナカ・T
【出演】大杉漣(初老の男)、高松いく(女)、中山卓也(若い頃の男)
【あらすじ】
 初老の男は町工場を出て楽しげに家路につく。アパートでは、娘のような若い女性が待っていて、甲斐甲斐しく世話を焼いてくれた。ふと、若い時に故郷に残してきた彼女の姿が浮かんでくる。懐かしい想い出。気が付くと、彼女は…。

 初老の男が、なぜ娘のような女性と妻のように暮らしているのか。大杉漣の一人芝居的な作品だが、オチがSFチックな一編。個人的に、この手の作品は大好きだ。
 評価:☆☆☆☆

●第4話『ラブユー東京』(歌:黒沢明とロス・プリモス)
【監督・脚本】片岡英子
【出演】正名僕蔵(古代の女/現代の極道者)、本田大輔(古代の男/現代の清掃夫)、千崎若菜(清掃夫の妻)
【あらすじ】
 太古の昔、ある男女が恋に落ちるが、火山の噴火で引き裂かれる。現代の東京、古代の女の生まれ変わりである極道者は、早朝の渋谷で清掃夫に心惹かれる。彼は古代の男の生まれ変わりだった。再会した二人は…。

 一番意表をつかれた幕開け。『ラブユー東京』の曲で古代というのは……。現代編の話の展開にもう一捻りあれば、傑作になったのではなかろうか。
 評価:☆☆

●第5話『女のみち』(歌:宮史郎)
【監督・脚本】三原光尋
【出演】宮史郎(刺青の人:次郎)、久野雅弘(高校生:正治)、板谷由夏(次郎の彼女)
【あらすじ】
 奈良のある銭湯のサウナ。正治が友人との我慢比べに勝ち、一人残っていたところへ、刺青をした男・次郎が入ってきて、「女のみち」を歌い始める。が、途中の歌詞を忘れて思い出せない次郎は、正治に一緒に考えろとすごむが…。

 歌を唄っている本人(宮史郎)が出演したのは本作のみ。演技的には?な部分もあるが、結構はまっていた。不運に見舞われたお人好しの高校生を演じた久野くんも好演。短編映画のお手本ともいうべき仕上がり。
 評価:☆☆☆☆☆

●第6話『ざんげの値打ちもない』(歌:北原ミレイ)
【監督・脚本】水谷俊之
【出演】余貴美子(女)、山路和弘(男)、吉高由里子(少女)、山根和馬(青年)
【あらすじ】
 女は昔の男から逃げ出して、海沿いの町の不動産屋で働いていた。ある日、男がやってきて、腐れ縁を断ち切るために、ある行動をする。季節が移り、女は、痴情のもつれから青年を殺そうとしていた少女を止める。そして封印していたバイクにまたがり…。

 ある意味で、一番ドラマチックな展開の、そして昔風の話かもしれない。余貴美子のバイク姿が歌にぴったりしていて、格好いい。
 評価:☆☆☆

●第7話『いとしのマックス/マックス・ア・ゴーゴー』(歌:荒木一郎)
【監督・脚本】蛭子能収
【出演】武田真治(一郎)、久保麻衣子(良子)、インリン・オブ・ジョイトイ(先輩:川井)、矢沢心(先輩:横田)、希和(先輩:山下)、長井秀和(上司:若林)
【あらすじ】
 デザイン事務所で働く良子は、いつも先輩たちのいじめを受けていて、今日も公園で先輩たちに下着姿にされてしまう。すると、彼女に想いを寄せる同僚の一郎が現れ、良子に赤いドレスを手渡した。駆け出した二人は先輩たちの元へ。そして一郎の怒りが爆発して…。

 マンガ家・蛭子能収の劇場映画の監督デビュー作。破壊力、インパクトではナンバー1だろう。インリンや矢沢らの嫌みな先輩ぶりがはまっているが、怒りを爆発させる武田真治がもの凄い。
 評価:☆☆☆☆☆

●第8話『乙女のワルツ』(歌:伊藤咲子)
【監督・脚本】宮島竜治
【出演】マモル・マヌー(マモル)、内田朝陽(若いマモル)、高橋真唯(リカ、若い女)、山下敦弘(若い男)、エディ藩(ゴーゴーバーのマスター)、鈴木ヒロミツ(医師)、梅沢昌代(マモルの奥さん)
【あらすじ】
 喫茶店のマスター・マモルは、常連の若者が連れてきた新しい彼女が、昔の恋人にそっくりで驚く。若きマモルは、横浜でバンドを組んで、ゴーゴーバーで演奏していた。そして、客のリカと愛し合うようになるが、ある日リカが倒れてしまい…。

 第1話と同様、よくある感じの話だが、磯村監督ほど手だれていない分、平凡な仕上がり。現在と過去のつながりの処理が難点かな。ヒロインの高橋真唯は可憐だった。
 評価:☆☆

●第9話『逢いたくて逢いたくて』(歌:園まり)
【監督・脚本】矢口史靖
【出演】妻夫木聡(鈴木高志)、伊藤歩(妻:恵美)、ベンガル(前の住人:五郎丸隆俊)、小林トシ子(大家)、江口のりこ(友人:啓子)、堺沢隆史(友人:和男)、寺部智英(友人:浩二)
【あらすじ】
 アパートに越してきた鈴木夫妻が、ゴミ置き場から「連絡済み 五郎丸」と貼り紙のある文机を拾ってくると、引き出しの中には、五郎丸が女性に宛てた手紙が大量に入っていた。思わず読んでしまうと、彼がある女性に交際を迫る様子が綴られていて、まるでストーカーのようだった。そこへ引越し祝いに訪ねてきた友人たちと一緒に五郎丸が現れ…。

 ドラマの完成度としてはこの作品が一番かな。“逢いたくて”の対象がそっちなのかという意外性。やはり妻夫木くんは上手い。全力疾走する姿がよかった。
 評価:☆☆☆☆☆

●第10話『みんな夢の中』(歌:高田恭子)
【監督・脚本】おさだたつや
【出演】高橋惠子(原美津江)、烏丸せつこ、松金よね子、キムラ緑子、本田博太郎、鈴木ヒロミツ、田山涼成、北見敏之、村松利史
【あらすじ】
 廃校になって久しい小学校で同窓会が開かれた。みんな50代になり、当時の面影は…。美津江が少し遅れてつくと、ちょうど校庭から掘り起こしたタイムカプセルに入っていた8ミリフィルムが上映される。子どもの頃を懐かしんでいると、校庭が不思議な光で包まれ、同級生だった鉄太郎が小学生のまま現れ…。

 主人公の高橋惠子(関根恵子)ほか芸達者な実力派の役者陣が、テストなしの一発本番で撮ったという本作は、リアリティに溢れていて、本当の同窓会に紛れ込んだような気持ちにさせてくれる。それにしても小学生時代は遥か遠くになりにけり。
 評価:☆☆☆☆

●エンディング『東京ラプソディ』(歌:渥美二郎)
【監督・脚本】山口晃二
【出演】瀬戸朝香(バスガール:香織)、田口浩正(運転手)、中村咲哉(小学生:悟)
【あらすじ】
 東京の街を走る観光バスの中では、バスガイドの香織が『東京ラプソディ』を乗客と合唱、香織をじっと見つめる小学生の悟。神田の見学のときに、悟が姿を消した。慌ててみなが探すなか、香織が彼を見つけた。何かを隠そうとする悟。新宿、渋谷とめぐり、終点へ。悟は、湯島聖堂で購入したお守りを、香織にプレゼントするのだった。

 藤山一郎のレコードの発売が昭和11年(1936年)なので、唯一、戦前の曲だが、懐かしい感じがするのは何故だろう。小学生の淡い(年上の女性に対する)恋心をうまく描いていて、締め括りにふさわしく秀逸な出来。
 評価:☆☆☆☆



 現在では歌謡曲そのものがなくなってしまった。
 歌謡曲には、たんに喜怒哀楽をもつだけでなく、当時の世相が折り込まれ、そして何より、子供からお年よりまですべての世代に共通する(した)というのは大きな価値がある。
 昨今のヒット曲にオール世代は望めないというのも時代なのだろうが、世代間の断絶を象徴しているようで寂しい。
 本作が、老若男女を越えて多くの人に見てもらえればと願う。

『歌謡曲だよ、人生は』
【製作年】2007年、日本
【製作】桝井省志
【企画・製作】アルタミラピクチャーズ
【配給】ザナドゥー

公式サイト
http://www.kayomusic.jp/


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最終更新日  2007.06.18 10:57:34
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こんにちは。   マサラ0517 さん
TBありがとうございます。
先日、ある映画の試写会の帰りに「いとしのマックス」の監督の蛭子さんとエレベーターが一緒になりました。テレビで見るのと一緒のとても穏やかそうな人柄から、何処からあのヴァイオレンスが生まれてくるのか不思議に感じました。 (2007.06.18 11:55:09)

Re:こんにちは。   es1-Bunbun さん
マサラ0517さん
いつも御世話様です。

>先日、ある映画の試写会の帰りに「いとしのマックス」の監督の蛭子さんとエレベーターが一緒になりました。テレビで見るのと一緒のとても穏やかそうな人柄から、何処からあのヴァイオレンスが生まれてくるのか不思議に感じました。

写真で見ると、確かに穏やかそうですよね。
『歌謡曲だよ、人生は』の監督短編集(文庫)での蛭子さんのマンガも、短い分、さらにぶっ飛んでいます。 (2007.06.18 14:22:12)

歌謡曲だよ、人生は   ケント さん
こんにちは、TBおじゃまします。
この映画を観たとは、「ぬぬっ、おぬし出来るな」
という感じがしました。
(2007.12.15 16:44:37)

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