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分太郎の映画日記

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2007.06.16
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 “イタリアの至宝”モニカ・ベルッチ主演、フランスの往年の大女優カトリーヌ・ドヌーヴ共演の、フランス発アクション・スリラーの怪作。
 銀座シネパトスにて鑑賞。

 『ストーン・カウンシル』 評価:☆☆

【あらすじ】
 3歳の時に孤児になったローラ・シプリアンは、慈善事業を展開するイニット財団の理事長で心理学者のシビル・ヴェベールを後見人として成人するが、不妊のため、イルクーツクの施設から、モンゴル人の男の子リウ=サンを養子に迎えた。いまは、駐仏ロシア大使館のフランス語通訳として、息子と一緒に親友のクラリスをルームメイトとしてパリで暮らしていた。
 リウ=サンの7歳の誕生日が近付くころ、ローラとリウは同じ夢を見たり、リウの体に不思議なアザが現れたりする。主治医は問題はないと診断を下すが、二人が帰った後で、彼はアザが現れたと何処かに連絡を入れた。また、ローラの元に別れた元恋人リュカがまとわりつき始める。
 ローラが海外出張に行くことになり、リウをシビルに預けることになった。リウはシビルの所にいるのが嫌だと抜け出し、ローラの車に忍び込むが、帰宅途中、鷲が襲ってきたことに驚いたローラは、事故を起こしてしまう。ローラは無事だったが、リウは意識不明の重体。しかし、医師が驚くほどのスピードで、リウの傷は自然治癒していった。
 ローラはヘビに襲われる幻覚に悩まされる一方、リウが聞いたことのない言語の録音を残しているのを見つける。また、リウのいる病院の駐車場では主治医が惨殺され、リウの言葉を解析してもらおうと訪ねた言語学者も殺されていた。リウのいた施設も、火事で書類は焼け院長は死んだという。
 そして、リウが意識を取り戻すと、シビルが彼を何処かへと連れだしてしまった。大使館員のセルゲイの協力で調査を進めていたローラは、リウの行き先がモンゴルであると確信する。モンゴルのある部族に伝わる伝説では、神秘の力をもつ子供が生まれ、その子を殺した者は永遠の命を得るという。
 ローラは息子を取り戻すために、一路モンゴルへと向かうが……。


 何とももどかしい作品だ。
 原作が『クリムゾン・リバー』のジャン=クリストフ・グランジェなので、お得意の秘密結社もの。ただ怪奇趣味の度合いはかなり薄い。

 スリラー映画としては話を省略しすぎで(編集が悪い?)、スピード感はあるものの繋ぎが悪く、意味不明の箇所も多い。素材の処理の仕方も工夫の余地が大きいだろう。
 秘密結社もボスが永遠の命を得るために必死なのは分かるとして、部下たちが何故命をかけるのか、まったくわからない。「教え子」というだけでは、普通あそこまで動かないでしょう。金がふんだんにある組織とも思えないし。

 アクション映画としては、モニカ・ベルッチを主人公にしたのは画期的だが、ただそれだけ。当たり前だが、彼女が主体のアクションシーンに、他の映画のような見所を求めるのは、そもそも間違いだろう。

 したがって、本作品で私的に関心があったのは、役者陣と、モンゴルが舞台となる点。

 まず前者。

 主人公のモニカ・ベルッチは、“イタリアの至宝”“イタリアの宝石”などと紹介されながら、彼女の(単独)主演作は意外なほど日本では公開されていない。ぱっと思い浮かぶところでは『マレーナ』くらいか。
 ほかは、『マトリックス』シリーズにしても『ブラザーズ・グリム』にしても、妖艶な美女として“脇役”ばかりだ。役者として濃すぎるのだろうか。
 もっとも、映画祭を除けば、イタリア映画が劇場公開されること自体が少ない昨今、単に我々が知らないだけだとは思うが。
 そういう意味で、本作は単独主演の珍しい作品だ。しかも、ほとんどすっぴん(ノーメイク)のショートヘア、しかも後半はアクションにも挑むので、ファンに限らず、貴重な作品といえるだろう。お約束?の全裸シーンもあるし(全然官能的ではないが)。
 彼女のアクションについては、設定が30歳代なかば?の普通の女性なのだから、アンジェリーナ・ジョリーのような過激なアクションシーンがあるとしたら、かえっておかしい訳で、これはモニカの健闘・頑張りを讃えるべきものだろう。

 映画中で、もう一人の華というべきカトリーヌ・ドヌーブは、(ネタバレになるが)彼女には珍しく、秘密組織の親玉役。出番は多い訳ではないが、なかなかの怪演ぶり。これを見ただけでも、価値があったかもしれない。
 私としては、カトリーヌというと、『シェルブールの雨傘』や『ロバと王女』などのジャック・ドゥミ作品での可憐なイメージが非常に強いが、本作の演技をみていたら、なぜか細○数子女史を思い出してしまった。なんが貫禄が似てない?

 他の役者では、モンゴルの少年役を演じたニコラ・タウが好演。なかなか出演の機会には恵まれないだろうが、今後に期待大。

 この映画、後半はモンゴルが舞台になる。
 『モンゴリアン・ピンポン』の感想で書いたように、個人的にモンゴルの大地が描かれた作品は出来るだけ見たいと思っていて、その点で、この映画にほんの少し期待していた。
 が予算の関係だろう、ほとんど映し出されることなく終わってしまった。
 いや町並みなどロケされたシーンもあるが(本当にモンゴルかどうかは確かめようがないが)、圧倒的に物足りない。
 せめてローラとセルゲイ、そして案内人の3人が、馬に乗って山の中の“禁断の地”を目指す場面は、もっとじっくりと描いてほしかった。

 ちなみにラストを見ると、続編が作られる感じだ(って本国フランスではヒットしたのだろうか)。

 ということで、スリラー映画、アクション映画は欠かさずに見るという人や、モニカやカトリーヌの出演作品は欠かさずに見るという人などを除くと、薦めたいという映画とは言いがたいが、気になる人は、見ないで後悔するよりも、見て後悔した方がよいと思う。


『ストーン・カウンシル』 LE CONCILE DE PIERRE

【製作年】2006年、フランス
【製作】UGC YM
【配給】アルバトロス・フィルム
【監督】ギョーム・ニクルー
【原作】ジャン=クリストフ・グランジェ
【脚本】ギョーム・ニクルー、ステファーヌ・カベル
【撮影】ピーター・サシツキー
【音楽】
【出演】モニカ・ベルッチ(ローラ・シプリアン)、カトリーヌ・ドヌーヴ(シビル・ヴェベール)、モーリッツ・ブライブトロイ(大使館員セルゲイ)、サミ・ブアジラ(元恋人リュカ)、エルザ・ジルベルスタイン(ルームメイト:クラリス)、ニコラ・タウ(息子リウ=サン) ほか


DVD
『マレーナ』

DVD
『ダニエラという女』

DVD
『ロバと王女』

DVD
『昼顔』





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最終更新日  2007.06.18 12:45:29
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