2010/06/24(木)19:48
私の居場所 番外編4
4.<潜入>
まるまじろの巣は、村から意外とすぐ近くにあった。
「まるまじろな~んて、名前が可愛いから、とても凶暴なモンスターに思えないん
だけどね。」
「そだな。でも、村を壊滅させただけの強さの持ち主だ。油断すると殺られるぞ。」
「殺られそ~になったら、クロノスが守ってくれるの~?」
ユナはワクワクして聞いた。
「いや、置いて逃げる。」
「クロノスひど~い!!」
ユナ達は、そんな会話をしながら巣に足を踏み入れた。
中は広い洞窟になっており、真っ暗である。
クロノスは呪文を唱えると、杖の先に火が灯った。
それをタイマツ変わりに、ユナ達はゆっくり壁を伝いながら洞窟を進んでいく。
地面に火を近づけると、骨が見えた。
「きゃっ!こ、これ人の骨じゃ...」
ユナは思わず、うにさんが着ているコートにしがみつく。
ちょっとラッキー... な~んてw
「ユナ、敵の気配がする。」
クロノスは小声でそう言うと、険しい顔になった。
浮かれてる場合じゃなかった...W
ユナが反省したのも束の間、
「来た。」
クロノスの声とほぼ同時に、敵(まるまじろ?)はユナ達の目の前に
立ちはだかった。
「お、おっき~!」
モンスターは、土そのものであった。
土まみれで、突如現れたソレは天井に届くぐらいの大きさがあり、
ユナ達の姿を見つけると、覆い被さった。
「キャー!!窒息させる気なの~!!」
ユナは、うにさんにしがみついたまま目を瞑ったが、
「??」
何も起こらなかった。
恐る恐る目を開くと、クロノスとユナを白い光のバリアが包んでいるのが分かった。
クロノスが守ってくれてるの...!
しばらくその状態が続いたが、守りに徹するのが精一杯で、クロノスの精神力も続かず、
やがて、私たちは完全に土に埋まった。