私の本屋活用法
私はある本屋さんを決めて定期的に行くようにしてます。新刊や平積みコーナーで最近売れてるジャンルは何かなぁとチェックします。雑誌は発売のサイクルが短いので今の流行りをすぐ取り入れる傾向があるので「へーこんなものが流行ってるのか!」と発見できます。もちろん短期でみると消えてしまう流行もたくさんあります。でもそこで効いてくるのは長い期間で行う定点観測です。大幅に書架の配置が変わらなければ、ある程度の期間をまたいで本や雑誌の見出しを眺めることができます。雑誌や本のコーナーで題字、見出し、本の帯に出てくるコトバに新しい動きが必ず出てきます。「あれ、こんなの新しい動きだな」とか「アレ、これはもう消えたのかなぁ/この動きは意外と長く続いてるな」とか「お!これは大きな流行になるかもなあ」とか「だいぶ根付いてきたんだな~」などうっすらとですが期間をかけて眺めることで見えてきたり、時には勝手に今後の動きを予想してみたりもします。見ることで判る定点観測だけでなく耳に入ってくるものもあります。店員さんに「こんな本探してるんだけど?」と質問攻めにしてるお客さんもちょっと聞く耳を立てると面白いヒントをくれたりします。(レジの順番待ちをしてるときは勘弁してほしいですけどね・・・。)先日は、年の頃は60歳代、白髪の紳士が「私等くらい向けの雑誌ってのはないですかね?なんだか若い人向けのが多くて」店員さんは「そうですねえ。この辺でしょうか。」と案内してました。「日経マスターズ(日経新聞が発行する定年後向けをターゲットにした雑誌)」や「男の隠れ家」などがありますが・・・。その他は健康をテーマにした「いきいき」や「わかさ」などもありますよ・・・。」しかし、その紳士はパラパラめくってましたがご不満な様子で一言「こういうのじゃないんだけどなぁ。これ広告じゃないの?記事より高額商品の紹介の方が多いじゃないか!こんな高いもの買わないんだけどなぁ。」巨大シニアマーケットを捕獲せよ!とマスコミが喧伝するようになって久しいですが未だに彼らにとっては満たされないニーズがあるということを現してるという気がしてなりませんでした。その世代の人に「読みたいけどない雑誌ってありますか?」聞いてみるとやはり、口を揃えて「しっくり来る雑誌かぁ。無いねぇ・・・・。」本屋さんは老若男女が持ってるあらゆるジャンルの趣味趣向を捉えてそれらをプロのもの書きの皆さんが紙の上で表現して売りものにする場なんでしょうが時代が変化すれば捉え押さえ切れていないものも出てくる。ということはちょっと視点を切り替えると本屋には満たされたニーズだけでなく満たされていないニーズを浮かび上がらせることが出来ます。本を買いにいくという目的だけでなく・・・・。これが私の実践する本屋さんの「もう一つの使い方」なのです。今晩は千駄木にある天外天(中国語で宇宙という意味だそうです。オススメはおこげ)という中華料理店である友達に会いました。彼とは出会ってからもう3年半。その経営者の書いた本を読んで「こいつはただものじゃない。この人に会って話さないと俺は一生後悔する!」と私は取り憑かれたようにアポなしで彼のオフィスを訪ねました。一回目は不発に終わりましたが二回目で何とか面会に成功しました。その経営者が酒好きであることを知っていた私は大吟醸を抱えオフィスに乗り込みました。何故訪ねてきたのか、自分の考えを伝えると意外にも受け入れてくれた様子で和やかに雰囲気になりました。うちの若いのを紹介するよと言われ社長室に入ってきたのがその彼でした。その経営者曰く「お前みたいに突然訪ねてきたんだよ。こいつも はっはっは。面白いやつ等らだよ 全くなぁ」不思議な出会いでしたがそれ以来時間を作っては飲みいきお互いの予測やものの考え方、ビジネスのアイデアをぶつける仲間になりました。やはり刺激し合える友の存在は大きいなと実感した一日でした。