|
カテゴリ:カテゴリ未分類
8月29日、種村季弘さんが亡くなった。
以前から入退院を繰り返していた。 数年前にバー・デスペラで囲む会が開かれて、お邪魔したことがある。 そのときは矢川澄子さんがいらしていて、絵本を頂戴した。 その矢川さんはもういない。 一昨年だったか、世田谷パブリックシアターで舞踏のレクチャーがあり、 元藤あき子さんとの対談の形でレクチャーが進み、終って少しお話しした。 その元藤さんももういない。 。 高校生の終わりくらいから、種村さんの翻訳、作品は熱心に読んできた。 グスタフ・ルネ・ホッケの『迷宮としての世界』(美術出版社)は矢川さんとの共訳で、当時バイブル的にひもといていた。そして同じく『文学におけるマニエリスム』(思潮社)も待望の邦訳だった。 また『ドラキュラ・ドラキュラ』(薔薇十字社)は、吸血鬼小説アンソロジーで、種村さんのエッセイとともども愛読した。『アナクロニズム』や『錬金術』『パラケルススの世界』『詐欺師の楽園』などなど、文章の正確さ、タイトな美しさが好きだった。近年は散歩的エッセイも面白かった。 お身体が大変といわれながらも、最近も種村セレクションの映画上映会とトークがあり 朝日新聞にも、たぶん口述筆記の書評が載っており、まだまだお元気と思っていた。 まだ71歳。本当にまだまだ活躍される人だった。残念でならない。 ご冥福を心からお祈りいたします。 志賀 信夫 朝日新聞の追悼記事 http://www.asahi.com/obituaries/update/0902/001.html お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年09月02日 16時12分37秒
コメント(0) | コメントを書く |
|