「上司」というコンサルタントを雇う
あなたの仕事のやり方や、会社内のノウハウをコーチしてくれる人はいるでしょうか?意外と盲点なところにいます。★P4〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓私は彼にこう答えました。 「営業のスキルアップ講座はたくさんあるし、いい研修講師やトレーナーもいると思う。キャリア相談についても、個人的なカウンセリングやコーチングをやっている人は少なくない。真剣に探せば、必ずいい人がみつかるはずだ。ただし……」 「ただし?、 何ですか?」 「本当にいい人にお願いしたいのなら、それなりのお金は必要になる。将来の自分への投資だからね」 「それなりのお金……ですか?」そして私は、評判のいい営業研修プログラムなら受講料が半年で数十万円することや、有名なキャリアカウンセラーやコーチングの先生に個人指導をしてもらう場合、 1 回あたり数万円かかることを伝えたのです。 「そんなに……」彼は溜息をつくと、うつむいて黙ってしまいました。 「でも、身近なところにも力になってくれる人はいるよ。しかも、無料で」 「無料で?!」慌てて顔を上げた彼は、真っ直ぐに私を見つめて、 「そ、それは誰ですか?」 「キミの上司だよ」 「上司?」 「そう、上司だ。いつもキミの近くにいて、キミのことをしつかり見てくれていて、キミを鍛えることやキミの相談に乗ることが、当然の役割になっていて、しかもお金は取らない。こんな便利な存在を使わない手はないだろ?」 「そんなあ……」がっかりした表情の彼に、私は次のようなことを伝えたのです。 「世の中で優秀な社員と言われる人たちは、私の知っている限り、一人の例外もなく上司という存在をうまく使っている。 使っているどころか、『使い倒している』と言ってもいい。 言葉は悪いが、上司を自分のステップアップの踏み台にしてしまっている人もいるほどだ。 もちろん、いい意味で最大限に活用しているということだよ。 つまり、上司をうまく使える人ほど、間違いなく仕事もできるようになるということさ」 「でも、うちの上司は……」 「うん、言わなくてもわかるよ。尊敬できるような上司じゃないんだね?」コクリと彼は頷きました。 「じゃあ、反面教師にすればいい。それに、使えるのは直属の上司だけじやないんだ。隣の部署の上司だっていい。そもそもオールラウンドの上司なんていないんだから、多くの上司から、いいとこ取りすればいいんだよ」彼は、私の言いたいことが少し和み込めてきたようです。続けて私は、 「キミたち若い世代は、ついつい上司と部下を対立する関係に捉えてしまいがちだ。敵対して、いいことなんてひとつもない。本来、上司と部下は、お互いのためにも協力関係にあるべきもの。倍返しなんて流行語に踊らされちゃダメだ。田中和彦(著) 『できる人はやっている 上司を使い倒す50の極意』――――――――――――――――――――――――――――★引用が長くなってしまいましたので、やや途中ですが、本書で言いたいことは伝わりそうなので、ここでやめておきます。■どうするといいのかは上司が一番知っている私は、上司だけで成長していけるものかというとそうでもないとは思っていますが、様々な形で上司から色々教えてもらったのも事実です。上司は、「実践的にどのようにすればいいか」という具体的な行動レベルで、仕事のやり方を教えてくれます。それも本書にあるように無料どころか、お金までくれて、教育してくれる存在です。もちろん、上司だけでなく、先輩や同僚、果ては部下までそうです。以下では「上司」にはこれらの一緒に仕事をする全ての人のいみで「上司」と使います。■「上司」は知識を与えてはくれないただし、「実践的に」というところが問題で、「この場合はこうする」は教えてくれても、「なぜ、そうするといいのか」や「どういうパターンならどうすればいいか」は教えてくれません。つまり、「上司」は、自分があるパターン化した思考をして、次の行動を導いていても、どういうパターン化がされているのかは、ちゃんと認知してないんです(していても表現できない場合が少なくありません)。だから、「それは、経験を積みなさい」という言葉になってしまいます。それを言葉にしてくれるのは、ビジネス書やセミナーです。■「上司」と知識の両輪だから、「上司」の指示や、自分の経験を、ビジネス書やセミナーで話を聴いた時に、「そうそう」と思えることが重要。「へ〜、そうなんだ」と思う人は、そういう経験がない人ですかね?そういう人は、多分、経験と知識の一方がないので、結局実践に結びつかない。次に、ビジネス書を読んだ時には、「上司」の行動と照らしあわせてみませんか。「上司」という行動をサポートしてくれる仕掛けと、ビジネス書やセミナーという知識があると、2つがあなたの成長の両輪になってくれるでしょう。■参考図書 『できる人はやっている 上司を使い倒す50の極意』立ち読み可2万人を面接した人材のプロが贈る、ボスをマネジメントの教科書上司の8機能+1を徹底活用すして、プレゼン、会議、人事、時間管理、人脈…これであなたの仕事が劇的に好転する!◆アマゾンで見る◆◆楽天で見る◆◆DMMで見る◆できる人はやっている 上司を使い倒す50の極意著者 :田中和彦できる人はやっている 上司を使い倒す50の極意検索 :最安値検索できる人はやっている 上司を使い倒す50の極意検索 :商品検索する●本書を引用した記事 トラブルを上司に報告する前にするべきこと 希望の部署に移動する方法 上司の情報を活用する すべてのスキルを育てる技術 失敗に対して上司がもっとも腹が立つこと 人脈をスタートさせる方法 ピンチヒッターを作る アホな上司は反面教師にはならない 部下・後輩の指導は計測するから始める 目標は自分だけが管理できる●このテーマの関連図書部下こそ上司にリーダーシップをとれ■同じテーマの記事●MMOSTを使って大量の知識を獲得し、記憶する ビジネス書を読むときに、「この本で何を知りたいか」を明確にしてから読むと、その本の中で自分にとって重要なものが高速に読み取れます。まあ、よく言われることですが、なかなか「この本を読む目的や目標」って決めてかかれないです。私は年間100〜200冊のビジネス書を読んでたりしますが、そこまでちゃんと決めて読み始めるのは1割ないかも。あとはセレンディピティっていうか、一期一会。要するに出たとこ勝負。本を読む目標を明らかにす..●ロバート・フェルドマンのビジネスマンに読んでほしい本2 著名エコノミストのロバート・フェルドマン氏が薦める本のご紹介。簡単にフェルドマン氏について。アメリカ合衆国テネシー州オーク・リッジ出身。東欧ユダヤ系。1970年にAFSの交換留学生として初来日。愛知県名古屋市の南山高等学校にて学ぶ。イェール大学(経済学・日本研究学士)を経て、マサチューセッツ工科大学において経済学博士を取得。野村総合研究所、日本銀行で研究業務、その後国際通貨基..●ロバート・フェルドマンのビジネスマンに読んでほしい本1 著名エコノミストのロバート・フェルドマン氏が薦める本のご紹介。簡単にフェルドマン氏について。アメリカ合衆国テネシー州オーク・リッジ出身。東欧ユダヤ系。1970年にAFSの交換留学生として初来日。愛知県名古屋市の南山高等学校にて学ぶ。イェール大学(経済学・日本研究学士)を経て、マサチューセッツ工科大学において経済学博士を取得。野村総合研究所、日本銀行で研究業務、その後国際通貨基..●セルフイメージを高める本当の方法 私も含め、どうもストイックな人が多いような気がします。これじゃあダメだもっと頑張らないともちろん、自分の課題を発見し解決していくことは良いことだと思います。ただ、それはマイナスをゼロにする方法でしかありません。ダメなところを改善してもプラスにはならないんです。一方で、良いところをより活用しようとしたり、より伸ばそうとするとプラスがさらに大きなプラスになります。アファメーション「アファメーション」という言葉の発祥..●デスクトップの3ゾーンを利用してタスクを処理する仕事を効率的に進めようと思ったら、タスクの一覧を管理することはとても効果があります。私の場合、タスクリストはアウトルックで管理していますが、今日やるべきタスクは一旦付箋(ポストイット)に書き出すようにしています。まあ、朝の儀式みたいなもんです。書き出した付箋を、未確認・未処理・処理中・処理済がひと目で分かるようにするためには、貼り付ける場所に一定のルール(工夫)をもたせるのが良いです。タスクは左から右に流れる以前のタスク管理ツール(タスクリストではありま..●たった1秒で相手の好感を得るボールペン操作術会議や簡単な打ち合わせなどを初めてとして、誰かと話をするときに最初に何をしますか?自分の机で人と話をするときも含めて、私はまず、メモ帳(ポストイットですが)の近くにボールペンを出して、芯を出した状態で近くに置きます(手に持ったままということもよくありますが)。話を聞くときの姿勢ちょっと気になるときがあるのですが、打ち合わせ場所に入ってきて、PC やノートを置き(広げるわけではなく閉じたまま)座って、そのまま腕組みをして、開始の合図を待つ人がいます。ツワモ..