面接は最初の1分で決める
私の会社のことしかわかりませんが、私の知っている範囲では新規採用、中途採用、昇進昇格などの面接に望む面接官で、事前準備をしてくる人は殆どいません。面接室に5〜10分前に入って、そこから面接者のプロフィールを読み始めます。ここでやっと、自分がこれから面接する人がどんな人なのか、何歳で、どういった経験をしているのかを見ます。そこからすぐに人事担当者がやってきて、「じゃぁ、いいですかね?」で面接スタートです。だから、自己推薦書に文字が多いと、(実は)ほとんど読んでません。おそらく、面接を受ける人は、何日も、何週間もかかって一生懸命書いた自己推薦書なのでしょうが、残念ながらその程度の扱いです。でも、面接した結果はちゃんと出ます。それが面接官の仕事ですから。■面接の合否まず、面接について知っておきたいのは、ほとんどの面接官は、顔を見て、あいさつをし、一言二言しゃべった瞬聞に、第一印象を形成してしまうということ。その第一印象は最後まで残り、面接の結果を左右します。第一印象が悪いと、後でどんなにいいことを言っても 「なんだ、そんなもんか。大したことないな」と思われてしまいます。こうした傾向はいいこととはいえませんね。本来は、面接官はきちんと質問を準備して、それを一つひとつ聞いていって採点し、最後に集計して、候補者の評価を出すのがいいとは思います。しかし、多くの会社では、そんなシステマチックな面接のやり方を面接官に教えていないそうです。少なくとも私の会社はそうです。面接官教育なんてやってもらったことがない。上記のように面接官は、いきなり人事部から「この人を面接してください」と言われて、特に準備もなく面接をすることになります。だから、面接の仕方はあたる人によって大きく違います。難しいケース間題を出題して解決策を聞くような人もいれぼ、世問話のような話をずっと続けるだけで、どこで評価しているのかわからない面接をする人もいます。要するに主観的、あるいは好き嫌いで点数をつける傾向が強い。そのため、面接官が高い点をつけて人社したのに全然仕事ができなかったという例は、いくらでもあります。■面接のポイント3つ面接のポイントを絞っていくと、3つに集約されると思っています。 1.はっきりと明瞭な挨拶ができるか(始まりと終わり) 2.自分の経験やスキルを相手にわかるように説明できるか 3.面接後の雑談で、地を見る■1.挨拶ができるだから、面接を受ける場合は、とにかく面接官に気に入られるように、パリッとした服装をして元気よくあいさつができること。お世辞の一つも言えれば大したものですが、とにかく第一印象。就職斡旋会社から教えられていると思うのですが、面接室の前に立ってから、面接室の扉を閉めるまで、絶対に姿勢を崩さず、笑顔を絶やさないこと。挨拶や言葉は語尾まではっきり言うこと。相手に好印象を与える笑顔の見せ方が旦那様はFBIという本に書いてありました。 ・相手と最初に目があった瞬間(面接室に入り、姿勢を正した瞬間)に最大の笑顔を見せる ・相手が自己紹介をしたら軽く笑顔で目礼(または会釈)するという2段階の笑顔の見せ方が効果的だそうです。■2.自分の経験やスキルを相手にわかるように説明できるか面接では、まず自己紹介から人ろから、履歴書に書かれたあなたの経歴をいかに生き生きと語れるか、おもしろそうに語れるかが第1の関門。面接官はあなたが話す表情や身振りを見て、本当にあなたがいい経験をしてきたかどうかを判断しているんです。なので、 ・自分の経験を、どうやってお芝居にするか ・身振り手振りを生かして、リアリティのある伝え方をするかがかなり大きなポイントになります。あなたが一通り話し終えると、面接官から 「その仕事で一番苦労したことは何か」 「今やり直すならどこを変えるか」とか、いかにも予想される質間が飛んできます。こういう決まりきった質問をどう処理するかが、あなたの腕の見せどころですね。この辺りは、いろいろな面接本がありますので、そちらを参考に、その仕事を進めていく上で番対応が難しかった点を指摘し、「そのとき知りえた情報で、べストの解決をしたつもりだったが、今になって振り返ればこういうやり方もあった」というように、自分のそのときの判断が正しかったことを強調しながら、反省すべき点もあったというように答えよう。くれぐれもネガティブに受け取られないように話すべきです。ここで、悪い点がつくのは、過去を批判する人。「●●さんに○○をした方がいいと言われて、それに従ってやったら失敗した」というような責任回避型の言い訳があなたの評価を落とします。ほとんど会社としては、評論家がほしいわけではなく、実践家が欲しいのですから。■3.面接後の雑談で、地を見る面接後、人事の担当者が入口(出口)まで送ってくれることがあるでしょう。その時に、面接が終わって、ホッとしているとは思いますが、実はこれ、ウチの会社では評価してます。あとで、「面接後こういう会話をした」という報告が回ってきます。こういう所で、地を出すひとが多いんですね。それで面接結果がひっくり返るということも少なくありません。こういう時は、 「御社の設計はどこのビルにあるのですか?」 「通勤はどの駅を使われる方が多いですか?」などあまり重くならないように、従業員としての活動の簡単な内容を聞くのがいいみたいです。特に、「もし、自分がここの会社の従業員だったら」という前提で、「会社について興味がありますよ」ということをアピールするべきです。それから、「どうもありがとうございました」をなるべくたくさん言うこと。これは、大した会話ができなくても、印象が悪くはなりません。逆に印象が悪くなった例をいくつか上げておきます。 ・面接時とは打って変わって、何も言わない。礼も言わない。 →人事担当者(相手が面接官でなくとも)と一緒にエレベータに乗ったら、「本日はお忙しいところ、どうもありがとうございました。大変お世話になりました」くらいは言いたいものです。 ・会社から出るときに、一礼もせずにさっさと帰ってしまう →まず見送ってくれた人に礼を言うとともに、一旦その人の正面を向いて、しっかり頭を下げて最敬礼をします。その後、会社を出たら、もう一度、振り返り、姿勢を正して一礼してから帰ります。 ・会社の受付嬢を無視する →受付嬢は、その会社に行った時に、名乗って受付をしてもらったはずです。 その人の前を無視して通りすぎてはいけません。一旦立ち止まって、その人に笑顔で会釈、または、「ありがとうございました」と声をかけましょう。まあ、面接で×になる人もいますが、案外余計なところも見ていますよ、という事を頭に入れておいた方がいいとは思います。■関連する記事●面接官になりなさい 昇進・昇格面接にしろ、中途採用の面接にしろ、やってみるとすごく効果がある方法があります。いくつかな面接技術関連のビジネス書を読んでみました(それほど多くではありません)が、これが書いてあった本は、この本だけ。『エンゼルバンク ドラゴン桜外伝』面接官は面接のシロウト昇進昇格、中途採用の面接官は通常、人事部1人、業務部門2〜3人です。過去記事でも書いていますが、人事部は当然、応募者を見る目はプ..■同じテーマの記事●ダラダラ癖から抜け出すための10の法則:自分の使った時間の記録のやりかた 過去記事でも何度か「日誌を書く」について書いてますが、これは実際いろいろな良い効果があります。ひとつは、忘れ物をしなくなること。もうひとつは、振り返り(いわゆる「レビュー」ですね)のときに、「事実」と「記憶」が結びつくこと。さらに、メモが活かせるようになること。他にもいろいろありますが、代表的な効果はこの3つです。これをさらに一歩進めると、「日」単位ではなく「時」単位の「時誌」になります。これをつけるようになると、日..●ソフトに会話する(作用反作用の法則) 他人を説得して自分のやりたい活動に巻き込んでいくために、気をつけたほうがいいのは断言しないことです。どうしても、自分がやりたいことがあると、「大丈夫です。やりましょう!」みたいにいいたくなるのですが、こういうリーダーに従ってくれるのは、「言われるままやっていればいいや」と思っている人。でも、大抵の人は「そんなことやってもなぁ…」とかいろんな感想を持ってます。自律的に進めてほしいこういう人に強い態度で臨むと、従って..●時間日誌の効用 「この仕事はだいたい3時間位掛かりそうだな」、「1週間お待ちいただけますか」って言った仕事ってどのくらいの精度で完成しているでしょうか?こういうのって、それに近いことをやった経験自体も必要ですが、経験を積むためには、「やった」だけではなくて「測った」「予測と実績の差の理由を考えた」という経験がないとなかなか精度が上がりません。予測精度をあげるために記録をつける予測精度が上がるとどんないいことがあるか、についてですが..●引き継ぎをする サラリーマンは、だいたい期末や期初に業務や担当が変わったり、昇進昇格によって仕事内容が変わったりします。そのときに、以前その業務をやっていた人がいるはずですよね。あらたに仕事を作ったのではない限り。そういうときに、前任者からきちんと引き継ぎをしてもらってますか?実はわたしは引き継ぎをしてもらった経験があまりありません。知らない人が困っても痛くも痒くもない一番仕事で困るのは、「その前がどういう状態だったのか」がわから..●期末面談の自己申告を請求書にしてみる毎年、1年間の業務成果を上司に報告して、上司から業務評価をもらいますよね。いわゆる期末面談。私としてはサラリーマンの最大のイベントだと思っているのですが、どうもぞんざいに扱う人が多いような印象を持ってます。「今やっている仕事が忙しいから」と、当日になって、「エイッ」って書き込んで、誤字脱字のまま提出してくる人もいたりする…。今やっているプロジェクトや仕事は当然大切なのですが、その結果自身で給料が決まっているわけではなく、期末面談で書かれた上司の評価で給料が決まっている..