006232 ランダム
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 Precious one

Precious one

novel 3

Rey×Lunamaria

≪I should have hidden≫





「コンデイションレッド発令!コンデイションレッド発令!」


警報が鳴った。
はっ、と顔を上げて走り出す。
同期が二人、同じようにスタンバイする。見慣れた顔が乗り込んで行く機体は、戦場へと向かう。

仕方ない事だ 仕方ない。

言い聞かせている、自分がいた。



「ルナマリア・ホーク ザク、出るわよ!」


戦場へ向かう。
死の押し付け合い。彼女とて、例外ではない。死など、すぐそこだ。

仕方ない事だ 仕方ない。

そもそも、考える必要などない。
心など捨て、ただ敵を排除すると決めたのだ。
必要ない。


ドンッ!


「ルナ!」

「っ・・・大丈夫!」


ドクン


大きく揺れた鼓動を、確かに感じた。


嫌だ と。

嫌だと 思った。


いなくなる のは 嫌だ と。




「敵軍、撤退します!」


赤の機体が見える。
降りてくる彼女が見える。ほっとする。その感覚が満ちる。


いなくなって、欲しくない と思ってしまって いる。





心。





捨てた筈なのに  隠れてた

END




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