BVE 路線作成講座@西武秩父線編

2009/01/22(木)19:52

4.線路の分岐・合流

Route作成(22)

前回は他線の設定を行いました。 今回はこの他線を自線と分岐・合流させます。 今回の題材です。 上の写真は八高線東飯能駅を発車した上り列車を橋上駅舎から撮影したものです。 上り列車の走る上り本線はこの先で左側の上り1番線と合流し、 さらにその先では保守用車の出入りする線路が分かれていきます。 これを再現してみます。 その前に、何をどうすればいいのか少し考えてみましょう。 今回は線路番号を 0:上り本線 1:上り1番線 2:保守用車の出入りする線路  ……とします。 簡単にするために今回は他の線路を無視します。 また上り本線と保守用車の出入りする線路の先にあるカーブも無視します。 上り1番線は右にカーブした後、分岐器で左にカーブし、上り本線に合流します。 保守用車の出入りする線路はその先の分岐器で左にカーブし、 そのまま真っ直ぐ上り本線から離れてゆきます。 上り本線と上り1番線の間隔を3.8mとし、路線ファイルを書いてみましょう。 --------------------------- With Train .Folder 113_6 With Route .Gauge 1067 With Structure .Rail(0) BallastS.csv .Ground(0) Grass.csv With Texture .Background(0) Bg_Fine.bmp With Track 0,.Sta 駅1,.RailType 0;0,.Ground 0,.Back 0,.Height 0.5,.Rail 1;-3.8;0;0 25,.Stop -1 100,.Rail 1;-1.9;; 125,.RailEnd 1;0;,.Rail 2;0;0;0 150,.Rail 2;-1.9;; 175,.Rail 2;-3.8;; 200,.Rail 2;-5.7;; 225,.RailEnd 2;-7.6; 300,.Sta 駅2 325,.Stop -1 --------------------------- これを「test4.csv」と保存し、BVE2で「運転開始」します。 合流と分岐が再現できました。 構文をよく見てみましょう。 0,.Rail 1;-3.8;0;0 100,.Rail 1;-1.9;; 125,.RailEnd 1;0;  上り1番線は75m地点まで上り本線の右-3.8mに沿い、  125m地点までの50mで上り本線に合流しています。  100m地点での1.9という値は3.8を2で割った値です。 125,.Rail 2;0;0;0 150,.Rail 2;-1.9;; 175,.Rail 2;-3.8;; 200,.Rail 2;-5.7;; 225,.RailEnd 2;-7.6;  保守用車の出入りする線路は25m進むごとに右に-1.9mの割合で離れていきます。 続いては自線が分岐側へと進む場合です。 上の写真は福島駅西方の奥羽本線新在分岐点を撮影したものです。 手前が福島駅、奥が山形方面です。 下りの「つばさ」号と上りの普通列車はどの分岐器でも直進側に進みますが、 下りの普通列車は手前の渡り線を通り下り線へ、 上りの「つばさ」号は奥の渡り線を通りアプローチ線へそれぞれ進みます。 それぞれの線路に名前を書きましたが、これはここでの説明用です。 今回は下り普通列車の場合(黄色の矢印)を考えてみます。 まず何をどうすればいいのか少し考えてみましょう。 今回は線路番号を 0:上下本線-渡り線(手前)-下り線 1:上り線 2:アプローチ線 3:渡り線(奥)  ……とします。 題材は標準軌ですが、狭軌で作ってみます。 自線は一番手前の分岐器で左に曲がり、 次の分岐器で右に曲がってアプローチ線と合流、そのまま下り線となります。 上り線は一番手前の分岐器で自線より分かれます。 アプローチ線は二番目の分岐器で自線に合流しています。 渡り線(奥)は下り線より右に分岐し、 一番奥の分岐器で左に曲がり上り本線に合流しています。 軌道中心間隔を3.8m、一(三)番目の分岐器の始端から二(四)番目の 分岐器の終端までの長さを75mとして路線ファイルを書いてみましょう。 --------------------------- With Train .Folder 113_6 With Route .Gauge 1067 With Structure .Rail(0) BallastS.csv .Ground(0) Grass.csv With Texture .Background(0) Bg_Fine.bmp With Track 0,.Sta 駅1,.RailType 0;0,.Ground 0,.Back 0,.Height 0.5,.Rail 2;-3.8;0;0 25,.Stop -1 100,.Curve -329;0,.Rail 1;0;0;0 125,.Curve 0;0,.Rail 1;0.95;;,.Rail 2;-2.85;; 150,.Curve 329;0,.Rail 1;2.85;;,.Rail 2;-0.95;; 175,.Curve 0;0,.Rail 1;3.8;;,.RailEnd 2;0;,.Rail 3;0;0;0 200,.Rail 3;0.95;; 225,.Rail 3;2.85;; 250,.RailEnd 3;3.8; 300,.Sta 駅2 325,.Stop -1 --------------------------- これを「test4.csv」と保存し、BVE2で「運転開始」します。 合流と分岐が再現できました。 それぞれの線路ごとに構文をよく見てみましょう。 【自線】 100,.Curve -329;0 125,.Curve 0;0 150,.Curve 329;0 175,.Curve 0;0 【上り線】 100,.Rail 1;0;0;0 125,.Rail 1;0.95;; 150,.Rail 1;2.85;; 175,.Rail 1;3.8;; 【アプローチ線】 0,.Rail 2;-3.8;0;0 125,.Rail 2;-2.85;; 150,.Rail 2;-0.95;; 175,.RailEnd 2;0; 【渡り線(奥)】 175,.Rail 3;0;0;0 200,.Rail 3;0.95;; 225,.Rail 3;2.85;; 250,.RailEnd 3;3.8; 今までに扱った構文のみで再現できていることが分かります。 渡り線がカクカク曲がっているように見えますが、 これは「BallastS.csv」が25mの間、一直線なストラクチャであるためであり、 半径329mの曲線になっている線路ストラクチャを指定すれば解決する問題です。 329や0.95、2.85といった数字は公式サイト>Edit>路線>レイアウトにありますので、 そちらをご覧下さい。 最後に自線と他線が共に分岐する場合です。 上の写真は上毛電鉄線三俣駅の西桐生側から撮影したものです。 両開き分岐器と島式ホームからなる典型的なローカル線の交換駅です。 中央前橋側も同様の両開き分岐器があります。 左が上り線、右に下り線があります。 分岐器の先で上下線とも半径500mの曲線を描きます。 今回は上り列車の場合を考えてみますが、二通りの異なる考え方で再現してみるので、 駅二つ分書いてみることにします。つまり…… _/ ̄ ̄\__/ ̄ ̄\_  ̄\__/ ̄ ̄\__/ ̄  駅1   →   駅2 こういうことです。 駅1側を今までに扱った構文で書いてみます。 駅1側をどうすればいいのか少し考えてみましょう。 今回は線路番号を 0:上り線 1:下り線 2:基準線  ……とします。 自線は分岐器で左に曲がり、R500で右に曲がります。 直進した後R500で右に曲がり、分岐器で左に曲がります。 下り線は分岐器で右に別れ、R500で左に曲がり、 直進した後R500で左に曲がり、分岐器で右に曲がって自線に合流します。 これを踏まえ、路線ファイルを書いてみましょう。 --------------------------- With Train .Folder 113_6 With Route .Gauge 1067 With Structure .Rail(0) BallastS.csv .Ground(0) Grass.csv With Texture .Background(0) Bg_Fine.bmp With Track 0,.Sta 駅1,.RailType 0;0,.Ground 0,.Back 0,.Height 0.5 25,.Stop -1 50,.Curve -250,.Rail 1;0;0;0,.Rail 2;0;0;0 75,.Curve 500,.Rail 1;2.5;;,.Rail 2;1.25;; 100,.Rail 1;6.24;;,.Rail 2;3.12;; 125,.Curve 0,.Rail 1;7.48;;,.Rail 2;3.74;; 150,.Curve 500 175,.Rail 1;6.24;;,.Rail 2;3.12;; 200,.Curve -250,.Rail 1;2.5;;,.Rail 2;1.25;; 225,.Curve 0,.RailEnd 1;0;,.RailEnd 2;0; 250,.Turn -0.05,.Rail 1;0;0;0,.Rail 2;0;0;0 275,.Rail 1;2.5;;,.Rail 2;1.25;; 300,.Curve 500,.Rail 1;5.0;;,.Rail 2;2.50;; 325,.Curve 0,.Rail 1;6.26;;,.Rail 2;3.13;; 350,.Curve 500 375,.Curve 0,.Rail 1;5.0;;,.Rail 2;2.50;; 400,.Rail 1;2.5;;,.Rail 2;1.25;; 425,.Turn -0.05,.RailEnd 1;0;,.Rail 2;0;0;0 450,.Sta 駅2 475,.Stop -1 --------------------------- だんだんと複雑になってきました。 これを「test4.csv」と保存し、BVE2で「運転開始」します。 二つの交換可能な配線ができましたが、 走らせてみると前後の分岐器で曲がり方が異なることがわかると思います。 太字部分は新たな構文です。 Turn構文は線路を旋回させる構文です。 25m先で-1.25m右に自線を旋回させるので「.Turn 0.05」(1.25/25=0.05)としました。 この構文でも分岐器を再現できますが、 ストラクチャを置く段階でリアリティに欠けることになるので、 以後分岐器ではCurve構文を使用することとします。  #考え的にはTurn構文でリアリティのある分岐器の再現も可能ですが難しいです またTurn構文はBVE5では廃止されることが明言されています。 このためTurn構文の詳しい解説は行いません。 駅1側の構文をよく見てみましょう。 【自線】 50,.Curve -250 75,.Curve 500 125,.Curve 0 150,.Curve 500 200,.Curve -250 225,.Curve 0 分岐器で左に曲がり、R500で右に曲がり、 直進した後R500で右に曲がり、分岐器で左に曲がる、そのままの記述です。 【基準線】 50,.Rail 2;0;0;0 75,.Rail 2;1.25;; 100,.Rail 2;3.12;; 125,.Rail 2;3.74;; 175,.Rail 2;3.12;; 200,.Rail 2;1.25;; 225,.RailEnd 2;0; この線路は交換設備前後の線路を真っ直ぐに結んでいます。 1.25や3.12といった数値は「現物あわせ」で十分です。 【下り線】 50,.Rail 1;0;0;0 75,.Rail 1;2.5;; 100,.Rail 1;6.24;; 125,.Rail 1;7.48;; 175,.Rail 1;6.24;; 200,.Rail 1;2.5;; 225,.RailEnd 1;0; 下り線は基準線を基準に自線と線対称の線形をしています。 そのため各々の数値を2倍にすれば配線できます。 (1.25×2=2.5、3.12×2=6.24 ……) 曲がる自線を基準にするとわかりにくいのですが、 基準線の視点で考えると非常に分かりやすくなりました。 先に述べましたが基準線の1.25や3.12といった数字は現物あわせですので、 根気と気力が必要になります。 BVE本体だけでは相当な不便です。 ということで次回は路線製作に便利な環境設定を行います。

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