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カテゴリ:Route作成
曲線と勾配の詳細です。
鉄道工学的内容が入ってきますが、よく分からなくても問題ないかと思われます。 曲線(平面曲線)は円曲線と緩和曲線の二つの部分に分けられます。 円曲線はその名のとおり、円の一部をなす曲線で、半径が一定の曲線です。 列車が遠心力で曲線の外側に倒れないように一定量のカントがついています。 カントとは左右レールにおける高低差(下図)です。 ![]() カントがあるおかげで列車はやや曲線の内側に傾き、 遠心力による不快感を軽減しています。 対して緩和曲線は円曲線と直線を結ぶもので、 直線側は半径無限大、円曲線側は円曲線の半径と断続的に変化します。 カントも同様に断続的に変化します。 緩和曲線の任意の地点での曲線半径は次式で求められます。 r=R×L÷x r = 任意の地点での緩和曲線半径(m) R = 円曲線半径(m) L = 緩和曲線の長さ(m) x = 緩和曲線起点から任意の地点までの距離(m) 一方、緩和曲線のカントは、列車の速度が100km/h程度までは 一定の割合で直線的に変化する方式が一般的なため、 任意の地点でのカント量は次式で求められます。 c=C×x÷L c = 任意の地点でのカント量(mm) C = 円曲線のカント量(mm) x = 緩和曲線起点から任意の地点までの距離(m) L = 緩和曲線の長さ(m) これを図に表すと次のようになります。 ![]() 図中でも説明していますが、BCCなど意味は次の通りです。 BTC(Beginning of Transition Curve):緩和曲線始点 BCC(Beginning of Circular Curve):円曲線始点 ECC(End of Circular Curve):円曲線終点 ETC(End of Transition Curve):緩和曲線終点 TCL(Transition Curve Length):緩和曲線長 CCL(Circular Curve Length):円曲線長 C(Cant):カント S(Slack):スラック(路線制作上は関係なし) なお、緩和曲線長は円曲線の出入り口で異なる場合もあります。 大抵の路線はこれだけ(上の場合を単曲線と言います)で製作可能なのですが、 都市部や山岳路線では複心曲線、反向曲線、全緩和曲線も相当数存在します。 複心曲線は1つの曲線中に半径の異なる円曲線が2つ以上存在する曲線です。 ![]() 上図は青梅線川井駅の奥多摩方を撮ったものですが、 円曲線半径210mを示す曲線標と180mを示す曲線標が前後して写っています。 両者の間は中間緩和曲線で結ばれています。 中間緩和曲線の始点をBIT、終点をEITとしています。 反向曲線は特殊なS字曲線です。 通常のS字曲線では2つの曲線の間には20m以上の直線が存在していますが、 地形上の都合により20m以上の直線を取れない場合があり、 代わりに3次放物線の緩和曲線で結んだものを反向曲線と呼んでいます。 複雑なので、計算式は省略します。 反向緩和曲線始点をBRT、終点をERTとしています。 全緩和曲線は円曲線の存在しない曲線(つまり単曲線のCCLが0のもの)です。 緩和曲線の接合点をJTCとしています。 要約すると、揺れが激しくなるので緩和曲線を再現しましょう、ということです。 なお、BVE5では自動的に緩和曲線を計算してくれる構文が加わる模様です。 続いては勾配です。 特に勾配が変化する地点(縦曲線)の話です。 ![]() 上の写真は箱根登山線出山信号場のものです。 右が小田原方、左が強羅方で、どちらも80‰の勾配となっています。 信号場内の勾配は0なので、勾配の変化量は80-0=80‰ですが、 いきなり80‰分変化するのではなく、緩やかに変化していることがわかります。 これは車両が浮き上がって脱線したり、線路と車両の床下が接触したりするのを 防ぐ為に必要な作りであり、縦曲線と呼ばれています。 狭軌線では縦曲線の半径を3000m以上 (半径800m以上の曲線上では半径4000m以上)と定めています。 簡単な計算をしてみたところ、縦曲線長と勾配の変化量の関係は以下のようになりました。 ![]() これに準じて縦曲線を設定すると見栄えがよくなると言うことになります。 なお、BVE5では自動的に縦曲線を計算してくれる構文が加わる模様です。 次回はカーブレールを作ろうかと思います。 今回の参考文献:線路-軌道の設計・管理(山海堂 宮本俊光・渡辺偕年編)
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