BVE 路線作成講座@西武秩父線編

2009/09/21(月)01:33

32.信号機周りのディテールアップ

Object作成(13)

前回は踏切周りを作りましたが、これを走らせてみるとデフォルトのままの信号機が 非常に気になったので、ディテールアップを行います。 (初歩的な信号機の設置については以前に第8講でも触れています) 今回も作ったファイルはzipで置いておきます。 デフォルトでは信号機本体と信号機柱のみですが、このほかにもいろいろあります。 左が絶対信号機、右が閉塞信号機です。 1.信号機柱(sig_pole.csv)・点検台(ladder.csv) 鋼管柱のものは株式会社てつでんの製品案内に、コンクリート柱のものは第23講の 架線柱の規格で出てきた大日コンクリート工業株式会社の 技術資料より大きさを知ることができます。   鋼管柱→http://www.tetsuden.com/catalog/pdf/tc4_p062.pdf   コンクリート柱→http://www.dainichi-x.co.jp/technology/pole.pdf 西武秩父線では一部の信号機に鋼管柱が使われていますが、 多くはコンクリート柱ですのでこちらに統一してしまいます。 コンクリート柱は上下で直径が異なりますが、細くなる比率はどれも一律なので、 最長の9m(地上では7.5m高)のもののみを作ります。 回転は行わないので、半円の形状で作ります。 梯子と点検台は別ストラクチャとして作ります。 こちらも株式会社てつでんの製品案内に梯子の長さが載っています。   http://www.tetsuden.com/catalog/pdf/tc4_p060.pdf 台自体や柵の高さは載っていないので、写真から推定します。 今回、一部平面化を行うので台は0.6m×0.75m、柵の高さは1mとしました。 柱が立体なのでこちらの構造をどうしようか悩みましたが、 台自体は立体、柵は梯子と共に平面で製作しました。 信号機の設置位置は柱の真ん前とは限りませんので、 このような場合は簡単に作った取付け金具(b*.csv)を取り付けてあります。 こうする事で空中に浮かぶことを回避します。 2.番線表示標(str.csvほか)・閉塞信号機識別標識(blc.csv) どちらも似たようなものですが、その役割は似て非なるものです。 信号機が停止現示(故障による消灯を含む)の場合、絶対信号機では先に進めませんが、 閉塞信号機では一定の条件の下で先に進むことができます。 これを「無閉塞運転」といいます。 (指令の指示を受ける無閉塞運転を「閉塞指示運転」と称する会社もあります) 無閉塞運転は先の通り、閉塞信号機でしかできないので、 閉塞信号機と絶対信号機のどちらなのか、見分けられなければなりません。 このため閉塞信号機には識別標識が併設されています。 絶対信号機の番線表示標はどの線路に対する信号機なのかを分かり易くするためのもので、 運転上の拘束力がある「標識」ではなく、あくまでも目安となる「標」です。 設置されなくても何ら問題はありません。 未だBVEではシミュレートされてない無閉塞運転ですが、 このへんも分かって運転するとより楽しめるかと思います。 余談ですが手元の二壷線ファイルでは何故か一部信号機が消灯状態になるので、 構文を工夫すればBVE2でも無閉塞運転のシミュレートも可能といえます。 JRでしたら番線表示標は「下本」「上1二場」、閉塞信号機識別標識は「1」などと 書いてありますが、私鉄では会社ごとに異なり、西武線では前者は「出発」「第2場内」、 後者は黒地に白丸の標識に基点からの距離も書いてあります。 閉塞信号機の距離板は点数が多くなるので今回は設置を見送ります。 製品案内は見当たらないので、寸法は写真からの推定です。 3.信号機機器箱 閉塞信号機には必須のアイテムです。 絶対信号機には駅側でのてこ扱いやCTCでの操作があるためか あったりなかったりしています。 踏切制御ユニットで代用します。 インピーダンスボンドと絶縁部は下の画像が見やすいかと思います。 4.インピーダンスボンド(imp_L/R.csv) レールには電車走行用の電流と軌道回路用の電流が流れています。 軌道回路用の電流は次で触れる絶縁により区切ることができますが、 これだけでは電車走行用の電流も区切られてしまうので これを設けることで電車走行用の電流のみを隣の軌道回路にも流しています。 インピーダンスボンドは信号機のある場所以外に、停車場構内では列車通過後の 速やかな進路構成のために分岐器周辺にも多く設置されています。 なおロングレール区間ではインピーダンスボンドを用いずに 軌道回路を構成している場合もあります。 テクスチャは以下のものを使います。 当初はケーブルは再現せず、ボンドのみを作ろうと考えていましたが、 やはりゴツいケーブルは多少なりとも必要、との結論に至り、 一部使わない領域も含まれています。 寸法は三工社の製品案内を参考に540×600×150としました。 存在感のある太いケーブルは、最初頂点を一つずつ決めて作ってみたのですが、 面倒な割にいいものにならないのでテクスチャでの再現へと変更しました。 太くて重いケーブルですので、テクスチャを貼る面自体に傾きをつけ、 垂れ具合を再現すると共に遠目から見てもケーブルであると分かるようにしました。 水平のままだと真上に来るまで分かりませんので。 5.レール絶縁(joint.csv) 定尺レール区間はもちろん、ロングレール区間でも絶縁されていますので、 この場合は走行音を定尺レール用に切り換えた方が現実的です。 (前後に伸縮継目がある場合が多いように思います) なおロングレール区間でも絶縁せずに軌道回路を作っている場合もあるので、 実際の線路をよく観察して設定した方がいいでしょう。 継ぎ目板って過去に製作された方っていらっしゃったでしょうか? 見かけた記憶はないですが、折角ですので作ってみます。 レールの形状が50kgNレールですので、これに合わせます。 寸法は大津鉄工株式会社(http://www.otsutekko.co.jp/)の取扱商品にあります。   http://www.otsutekko.co.jp/products/item/rail_pashi.html レールの頭頂面からの位置はありませんが、レール側面のテクスチャに合わせたところ、 上のY値は-0.048、下のY値は-0.127となりました。 (上のサイトでのWが≠{0.127-0.048}となっているのは右上の出っ張りを無視した為) 最後にレール間の隙間を黒い板で作れば完成……なんですが、 これを実際に線路上においてみても効果はほとんどないです。 置くのは大変ですが、省くのはNull.csvで一発なので、一応置くことにします。 定尺レールの継ぎ目にも使えますし。 そんな訳で改良後のSSです。 以上でディテールアップは終了ですが、忘れてはいけないストラクチャがあります。 他線用の信号機と反対方向の列車に対する逆向きの信号機です。 西武秩父線では2~5灯式の停止信号に加え、3灯式の進行信号と、 停止信号の中継信号機が必要です。 また逆向きの信号機は2~5灯式が必要です。 他線用信号機のうち、3灯式のものは基本ストラクチャ(Signal3.csv)に含まれていますが、 基本ストラクチャと実物とは大きさが異なるので、実物に合わせて作ります。 テクスチャは自前のものを使うと自線の信号機と見た目が違ってしまうので、 C:\Program Files\BVE にあるテクスチャを相対パスで参照することにします。 (当然ながらBVE4での製作では、自線の信号機含めて自作が可能です) csvファイルは C:\Program Files\BVE\Railway\Object\2ch\signal にあるものとして signal_**.csv をご覧下さい。 ファイル名はBVE4での製作を考慮したもので、興味のある方はご自身でお調べください。 逆向きの信号機ファイルは signal_b_*.csv です。 逆向き用に2灯式から5灯式まで揃える必要もない気もしますが…… 何かご意見いただけたら参考にさせていただきます。 今回のテクスチャはペイントによるCGが多くなりましたが、 良い素材が入り次第、実写へと切り替えようかと考えています。 次回もひと月くらい先の更新になるかもしれません。

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