カテゴリ:(小説)バルト×リーレウ物語
ランタンを地面に置き、馴れた手つきで、灯火するバルトを
リーレウはぼんやりと見つめていた。器用だと感心していたのだ。 突然前方の暗闇から足音と大きな人影が現れ、 付けたばかり明かりに照らし出されたリーレウに 勢いを殺さず衝突した。リーレウはガウンの裾を引っ掛けられ 勢いで、反転し数歩よろめいた。 引っ掛けた影はそのまま走り去って行ってしまった。 咄嗟の出来事で、リーレウは何が起こったのかを 理解することができなかった。 カシャンとランタンがひっくり返る音とともに バルトはマントの中に手を突っ込み、短剣を抜刀し、 自分にぶつかり手を伸ばして来た影を斬りつけた、が遅かった。 その影はさっと手を引っ込めると声を上げることもなく、 前のめりになりながら、現れた時の様に闇に紛れ込んでしまった。 「あいたた、何なんですか、ちょっと、謝ってくれたっていいのに」 リーレウがぼんやり、自分にぶつかった人と、 バルトに切られ損ねた人を見送っていると、 「不幸君はのんきですね」 とバルトに悪態をつかれた。暗闇とサングラスで表情はよく分からないが、 声の様子からすると少々怒っているようだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004/11/13 10:37:05 AM
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