カテゴリ:(小説)バルト×リーレウ物語
さて、毎回毎回一発書きでお送りしているこの物語ですが、
毎回読み返したりしないので、時間軸がおかしいです。 そのうち纏めて直していくと思うので、 「ああ、やらかしてるナー」と生ぬるくお見守り下さい。 *************************** 「おや、このプランは気に入りませんか。ではプラン変更と言うことで」 言うが早いかバルトはヴィリーを担ぎ上げた。 バルトの方の上で両手足をばたつかせながら、 ヴィリーが怒りで頬を真っ赤にし、帰らないとわめき散らしている。 「では失礼」 バルトはあいてる右手の指を揃え、額に向かってあげると、 簡単な言葉を残しくるりと向きを変えた。 「あ、不幸君はちゃんと修復作業やってから帰ってくるんですよ」 もと来た廊下を戻りつつ後向きのまま、ひらひらと手を振って彼は去っていった。 ヘルガも慌ててパタパタと後を追った。くるりとカールした毛先が合わせて上下している。 通ってきた部屋に入っていく所を見ると ゴーレムがあけた穴から出ていくつもりなのだろう。 三人の姿が見えなくなるのを呆然と見送ったリーレウは 所在なく自分と似た印象を持つ魔術師の男に向き直る。 「あのーお役に立てれば…幸いかと」 急に静まり返ったせいで部屋の中の温度が、 下がったような錯覚にリーレウは襲われた。 「まったくだ。一番役に立たなさそうなのをおいていって腹が立つ。 しかし、ああ、やっと静かになったか」 男は深くため息をつくと頭を掻きながら、ダイニングのイスを引いて座った。 「役に立たなさそうですみません…」 消え入りそうなリーレウの言葉に、彼は外の物置に工具があると簡単に説明した。 やっぱり修理させられるんだとかすかな希望をうち砕かれてリーレウは 「僕はやっぱり不幸なんだ」 と小さく呻いた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/01/29 04:13:05 PM
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