カテゴリ:(小説)バルト×リーレウ物語
「よく思い出せない…でも、貴男が助けてくれたんですね…」
彼は上半身を起こし、血の付いた両手を見ながら頭を振った。 そして、貴男は命の恩人ですとリーレウの方に頭を向けた。 「ジェームス!」 彼はリーレウの顔を見るなり、信じられないとばかりに目をかっと見開いた。 突然身に覚えのない名前で呼ばれ困惑するリーレウに、 彼は血まみれのまま感極まったように勢いよく抱きついた。 折角中腰程度に立ち上がっていたのに、リーレウはまた地面に押し倒された。 野次馬達から変なざわめきが生まれ、リーレウの顔がさっと青ざめる。 「ジェームス、生きていたのか!良かった。 ずっと探していたんだよ!もう離さないからな、愛してるよ!」 彼はお構いなしに力強くリーレウを抱きしめると、 涙を流しながらリーレウの頭をなで始めた。 「あ、あの!僕はジェームスという名前ではありません!すみませんけど…」 あまりの事に一瞬呆然としたが、リーレウは慌てて彼の体を引き離そうと、 男の胸を押した。しかし、いつもバルトに払われるように彼にも払われてしまった。 そして絞り出した声も、野次馬達の嘲笑の口笛にかき消された ****(以下ぼやき)*************** 画像が簡単に貼れるようになってることに気がついたので まったく無関係に小説トップのイラストを貼ってみました。 バルトにくっつかれて困ってるリーレウです。 たぶん「愛してますよ」とか「かわいいですね」とか 「細いですねえ…試しに折ってみていいですか?あばらとか」 と言われてるんだと思います。 面白いなあ。バル×リーは今度からたまに挿し絵入りとか…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/03/02 04:05:24 AM
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