2007/10/18(木)10:00
「名もなき毒」宮部みゆき
コレを一昨日、一気読みして深夜まで起きていたため、昨日は寝不足でへばってました。やっぱり、宮部さん、バラバラのエピソードが最後にはひとつにまとまる、っていうところがすごいと思います。
まずは、青酸カリ連続殺人事件という「毒」を使った事件が軸となっています。
モチーフとして「毒」が用いられているのですが、心の中の「毒」が一番怖い・・・と。登場人物の中で、若い女性で切れまくる人が出てくるのですが、彼女はまさに全身に「毒」が回った状態。
よく、「毒を吐く」と言いますが、上手く毒を解毒しないと人間は究極までいっちゃうのかなぁ・・・と。
この本の主人公は本当に毒のない人間です。
それはそれで、すごいと思うのですが・・・・自分的にはその主人公の周りの人たちが普通の人間っぽくて好きだったな。周りに毒舌を吐いたり、酒を飲んだり、自分の時間を大切にしたり。
そんな風に普通は、自分の心の中の毒を解毒していくもんじゃないだろうか。
最初からあんまり毒のない主人公には共感を覚えませんでした。ミステリーとしては善くできた作品です。