第2子出産日記(5/31)

出産-3日
検診。
前回注意された、10kg増目前の体重は微減していたが、
診察前の尿検査で蛋白+と糖++++が確認され、
再度血液検査に回されることに。

幸い、血糖値は正常範囲だったが、
カロリー制限と塩分制限との指導。
子宮口も全く開いてないし、子どももおりてないとのことで、
このままだと予定日過ぎちゃうかもよ、と脅される。
里帰り出産だと甘えずに、37W入ったのでもういつ生まれてもいいから、
まずは家中の拭き掃除をして、それから散歩も一生懸命して
お産をつけなさい、と忠告を受ける。

早速帰宅後拭き掃除。
母、掃除の手間がはぶけて喜ぶ。

出産-2日
今日も拭き掃除に励む。
狭い家だけれど、通常体重+9kgの体には相当キツイ。
便秘のせいか、腰が重い。

出産前日
夕方、スーパーに買い物に出かける。
としたところが、これまで出たこともない鼻血が出て止まらなくなる。
「鼻からおしるし?」と冗談半分で母と笑い合う。

2006年5月12日(金)、出産当日
7:30頃
普段どおり起床、朝ごはん。

10:00
母が息子・ゴージャスを買い物に連れ出してくれたので、
その間拭き掃除をしたり、ネットをしたり、のんきに過ごす。

12:00
お昼ごはん。

13:00
ゴージャス、珍しくこんな時間に昼寝。
日記をアップしたりして過ごす。
まだなんの予兆も感じていない、その日記

14:30
ゴージャス、昼寝から起床したので、
外出中の母と図書館にて合流。
ゴージャス、歩くのが大嫌いだけど、
今日は徒歩3分とはいえ全行程歩いた。

15:30
明日法事の親戚宅を訪問。
生後4ヶ月のいとこの子どもを見てなごむ。
TVの大相撲を見ながら、なんとなく腰に軽い鈍痛を覚える(16:30頃)。
先日からの便秘のせいかな?と特に気にも留めず。

17:00
スーパーに買い物へ。
腰の鈍痛は強くないが、断続的についている。
相変わらずお通じかも、と信じて疑わない。

17:30
夕食の準備。
時々お手洗いに行ってみるものの、
お通じという気配もない。
そしてある程度規則的な鈍痛・・・。
さすがに私も少し疑ってくる。

明日の法事の準備で頭も手もいっぱいの母に怖々告げる。
「どうも腰が痛い。」
母も「えっ。」と顔色が変わる。
せめて明日の法事の後にしてよ、と笑いながら(でも真剣に)言った。

18:00
夕食。
普段どおりの食欲だけど(つまりモリモリ)、
やっぱりこれってそうだよなぁ、という痛みに時折襲われ、
その間はさすがに箸が止まってしまう。

18:30
念のため、入院のための荷物の確認。
陣痛のメモもつけ始める。

<陣痛メモ:時刻。()は痛みの秒数。-は計測できず)>
18:48(40) 18:53(40) 19:00(50) 19:08(50) 19:13(-)
19:27(-) 19:31(40) 19:38(-) 19:41(-)

19:10
これはいよいよか、と息子と入浴。
途中母と交代し、私は早めに切り上げる。
シャワー中も2度ほど痛みに襲われる。

19:50
病院でもらう「病院に連絡をするタイミング」を読むと、
痛みが経産婦は15分おき、もしくは1時間に6回以上の場合、
とある。おぉ、とっくにその基準はクリアしているではないか。

病院に連絡。
なかなか出てくれなくて焦る(後で知るがその時間、出産してる人がいた)。
状況をいろいろ説明したところ、
どうやら陣痛ですね、病院にお越し下さい、と言われる。

バタバタと入院の最終準備を始める。
陣痛は我慢できる程度だけど、始まるとさすがにフリーズしてしまう。
寝転んで背中を丸めると多少ラク、なような気がする。

20:20
いざ出発。
夜に入って雨が降り始めた。
病院はとなりのさらにとなり町。
所要時間は車で約1時間。
破水したらどうしよう、はたまた生まれてしまったら・・・
などとちょっと不安な気持ちになる。
自宅にいる夫や友人にメールを送ったりしながら、
フロントガラスを忙しそうに往復するワイパーをぼんやり見つめる。

21:20
病院到着。
実は車中、痛みの間隔が長くなり、痛みが遠のいていっていた。
しまった、前駆陣痛だったのかも?!と到着まで違う冷や汗が出ていた。

しかし、車が到着して地面に片足を下ろした瞬間、
キッツーイ痛みに襲われ、車に半身を残したままフリーズ。
これならなんとか面目がたちそうである。

時間外受付に行くと誰もいなくて、
待合室で少し待たされる。
次来る陣痛の強さにやや恐怖を感じながら
(1回1回違うし、時間を追うごとに強くなるから)、
早く受付帰ってきてくれ~と心の中で叫ぶ。

ほどなく受付の人が帰ってきて、
産婦人科の担当看護師が降りてきてくれて病棟へ。
業務用のエレベータに乗り、だんだんと懐かしい景色が
見えてきた(第1子の時もここの病院だったので)。

・・・と感傷に浸っている暇はなく、
廊下でガツーンと腰痛に襲われる。
よく生理痛の何倍、などと表現をするのを聞くけれど、
私は体質的に生理痛というものを体験したことがなく
(きっとラッキーなんだろうね、これって)、
どう言っていいのかわからないけれど、
腰というフィールドで砲丸投げ大会が開催されてる感じ。
各国代表がすごい早さで交代して、
どすーんどすーんと鉄の玉を落としていくのです。

いやはや、余計わからない表現になってしまいましたが、
陣痛の不思議なところは、痛くない間というのは
本当にケロッとしていて、廊下で約1分「ーーーーーっっっ(無言)」
と耐えた後は、「さぁ今のうち行きましょう!」と、
自分が主導権を握ってすたこらと進んだりする。
看護師さんも付き添いの母も苦笑い。

看護師詰所横の自動ドアが開くと、
あぁ本当に懐かしい、新生児室。
2、3人赤ちゃんがいた。
小さい! 生まれたての赤ちゃんてこんなに小さかったっけ?!
新鮮な感動を受けながらも、腰は時折ずーんずーん。

診察待ちをしていると、出産後の処置を終えて病室に帰る、
車椅子の産婦さんとその家族とすれ違う。
昨日から丸2日かかったんですよーと付き添いの人が言っていた。
産婦さんの安堵の表情がとってもうらやましい。
私も早くそちら側の人になりたい・・・うっっっ(耐)。

診察の前に病衣に着替えておきましょう、
と新生児室横の陣痛室に通される。
前回、破水で始まったため促進剤使用で約10時間苦しんだ、
今となっては懐かしい陣痛室。
今回もお世話になります(ペコリ)。

診察に臨む。
診察台に上がる時、やはり陣痛に襲われる。
ゆっくり、大丈夫な時でいいですからねーと
看護師さんから言われる。
お言葉に甘えて、自分のペースで台に上がる。

「こんばんはー。担当の何々です。内診しますねー。」
とカーテンから看護師(助産師?)さんがあいさつ。
新人さんなのか、カーテンの向こうで何やら指導の声が聞こえる。
もぞもぞもぞ(内診の音)。
「えーと・・・多分5cm大です。」
多分、て・・・なんだか不安じゃないか。

「こんばんはー。担当の何々です。内診しますねー。」
とカーテンから今度はいかにも研修医の医師
(女性、というより女の子といった方が近い)があいさつ。
もぞもぞもぞ(内診の音)。
「うーん・・・5cm・・・かなぁ?」
かなぁ・・・って。

「こんばんはー。内診しますねー。」
また違う医師が内診(ぐったり)。
こうやって医療従事者は育っていくのですね。
献体の気分です。

21:50
陣痛室に戻る。
新人看護師とその指導係があわただしく
血圧を測ったり何やら準備に追われている。
だいぶ痛みが強くなり、思わず「ふうううぅぅぅぅ」と
ため息まじりの声が出てしまう。

前回、早い段階でいきんだり大声を出したりして
いざお産の時にヘロヘロになった教訓を活かし、
なるべく体に力を入れないようにがんばる。
体力のこともあるけど、早い段階から力を入れてると
産道付近がうっ血して赤ちゃんが通りにくくなる、
と検診の際の待合室で読んだプレモに書いてあった。
理屈で理解するとなんとか守ろうと思う力が働く。

でも頭ではわかっていても、
痛みが強くなるにしたがってだんだんその体に力を入れない、
ということが難しくなってくる。
1分ほどの陣痛、息を止めないで~はい、深呼吸~
(前回のように、あんまりヒッヒッフゥーにはこだわらないようだった)
と看護師さんは言うけど、時々反射的にうっ、と力が入ってしまう。

せめて産道付近には力を入れまい、と思い、
足の爪先をつるかと思うくらいぐぐ~っと丸め、
家から持参したテニスボールを握り締め(推定握力80kg)、
痛みを逃す。

ちょっと腰をさすってくれるとラクなんだけどなぁ、
と思いつつ、家族はなぜか陣痛室に呼ばれず。
看護師さんも相変わらずあわただしそう。
何度も点滴をやり直す新人看護師。
陣痛で痛いから気にならないけど、おいおいって感じ。
「なんでそこにうつの?まぁ固定しちゃったから仕方ないか。」
なんて指導係に叱られてる。 ・・・大丈夫なのか。

「今日中に生まれるかなー。」
と指導係看護師。
またまたご冗談を、と苦笑する。
時計を見ると22:00。
きっと陣痛で苦しむ妊婦への優しいウソなのだろう、
と受け流す。
自分の中では早朝かな、とふんでいた。

というのも、痛いのは痛いのだけれど、
前回の破水→促進剤使用陣痛とは比べようもないくらい痛くなく、
クライマックスはまだまだ先だろうと感じたから。
「促進剤を使うと痛いって聞くけれど、
自然につく陣痛とそんなに違うものですか?」
と指導係看護師に聞いてみる。

そりゃもう雲泥の差よーとの回答。
特に破水してると羊水というクッションがなくなって
胎児の衝撃をもろ受けるから、余計辛いのよ、
とのこと。
へええぇぇぇ~。すごいなぁ羊水って。
母体が辛いということはきっと胎児も辛いんだろうなぁ。
不可抗力だけど、破水しちゃってごめん、と息子に謝る
(すでに3年が経とうとしている)。

22:10
看護師「そろそろ分娩室に移りますか。」
私「へっ???」

あまりに拍子抜けした返事をしたものだから、
看護師がもう一度丁寧に説明してくれた。
いえ、決して理解できてないわけではなく、
陣痛室のベッドもあったまらないくらい短時間だったもので・・・。

分娩室に行く前にお手洗いに立ち寄る(小)。
ペーパーに少量の血液が見られた。
あぁ、これがおしるしの類なんだなぁ、と見入る。
お手洗いを出て陣痛の合間を見計らい分娩室に向かう。
前回は痛さと体力消耗で、分娩室への移動の際
陣痛が来て床に這いつくばったっけ。

案内された分娩室は前回と同じところ(2つか3つある)。
うんうん、懐かしい。
分娩台に上がる時と、台に仰向きになって
足置きに足を乗せる時に陣痛がくる。
深呼吸でいきみたいのをガマン。

仰向きでしばし待つ。
看護師が主治医を捕まえようと連絡に追われているもよう。
先生、どこ行ったんだよぉ。早くいきみたいよぉ。

ほどなく主治医登場。
内診するねーともぞもぞ。
主治医「ん?おいおい、便が妨げになりそうだけど、浣腸は?」
私「(恥汗)」
新人看護師「来られた時すでに5cm大だったものですから・・・」
私「す、すみません。ここのところ便秘気味だったもので。」
主治医「いやいや、気にしなくていいから。
  もし一緒に出ても赤ちゃんには全然影響ないから大丈夫。」
私「いや、でも浣腸しない方が助かります。
  前回便意痛なのか陣痛なのか区別がつかなくて苦しかったんで。」
主治医と看護師は笑い合いながらも、
新人看護師は引き続き主治医に軽く叱られていた。

主治医が来てから2回ほど陣痛を迎える。
先生来たからってすぐいきめないのか。
ううーん。早く終えたいよぉ。

陣痛がくると膝がひろひろ~と閉じてしまう。
主治医「こら!ちゃんと開いてキープしてないと!」
私「つ、つらいんです、キープが・・・。」
主治医「つらいのはわかるけど開いてる方が
 赤ちゃんが出てきやすくて、つらい時間が短くて済むんだよ。」

そうか。
どっちにしても痛いのは痛いのだから、
早く終えた方がおトクだよね。
俄然やる気がわいてきて、フンッ、と膝を開き、
陣痛と闘いながらもキープを心がけた。

「こんど陣痛が来たら先生に破水してもらいますね。
その後きっとすぐお産が始まりますよ。」
看護師からの説明に身が引き締まる思いがした。

陣痛がきて、足の間で生っぽい音が聞こえる。
なんというか、ハンバーグのたねの水っぽいのをこねるような、
そんな音と感触。
あたたかい粘膜っぽい液体がどんどんと出てくるのを感じる。
羊水さん、守ってくれてありがとう。助かったよ。

さぁ、破水もしたし、次の陣痛はきっと強烈なのだろう。
身構えて臨んだものの・・・拍子抜け。
つらくもなんともない陣痛で、しかも結構間隔をあけてしかやってこない。
陣痛がないとスタッフの人たちもやることがなく、
分娩室はしばし静寂に包まれる。間延びすることこの上ない。
ちょっと焦る私。

それでも陣痛がこないわけではないので、
「来ました!」と告げるといきみの指示が出た。
この時頭にあったのはただひとつ、楽天友だちの名言、
「分娩は分娩ではなく、分便である」
という言葉。
遠慮やかっこなど気にせずに、思い切りお尻方面に力をこめる。
「1度目のいきみで生んでやるうぅぅぅぅっっっ!」

・・・という気合も空しく、息止めが続かず仕切り直し。
いきみ逃しの時は呼吸を詰めてはダメで、
いきむ時は息をついてはダメ。
お産は呼吸を制すれば8割方成功したものなのである。
でもなかなかこれが難しいんだけど。

私「うーん。もういきみ方忘れちゃったかも。どうでしたっけ?」
主治医「(笑)。前回からそんなに経ってないでしょう?」
でも本当に忘れていた、分便、は頭に叩き込んだけど、
いきみ用のハンドル(自転車のハンドルのようなものです)は、
引くものなのに押してしまって看護師に叱られたりした。

さほど強くないにしても陣痛の波はやってくる。
看護師「はい、吸ってー吐いてー吸ってーハイッ!
 止めて止めて絶対息つかないで力入れてーっ!」
もう恥も外聞もなく力をこめまくる。
ものすごい形相なんだろうな、きっと。
立会い出産は絶対いやだ。

息が続かなくなったら、すばやく吸いなおして、
1回の陣痛で2回いきむ。ほほう、やり方変わったのね。
主治医「おおおお、出てきてる出てきてる!」
が、そこでどうにも息が続かず次の波を待つ。
足の間の奥の方に何かが挟まっている感触。

波が来た。
頭が真っ白になるまでいきむ。
主治医・看護師「ああああああもうちょっともうちょっと!!!」
なんかよくわからないけど多分中に手を入れられたりしてるかも。
足の間が痛いというより、裂けるように熱い。

出産の際は静かに生む、というメソッドを、
ジョン・トラボルタやトム・クルーズが支持しているということを聞いていたので、
別にファンでもないけど何か赤ちゃんに有益なのだろうと実践しようと思っていたが、
その痛熱さに負けて前回に引き続き叫んでしまった。

看護師「ハンドルから手を離して!息を短く吐いて!」
これだ!この呼吸になるともう終わったも同然なはず!
もちろん見えないんだけど、あ、頭が出た、あ、肩が出た、
みたいな感覚が足の間に起きている。

赤ちゃんの泣き声が聞こえた。
息子の時は、頭が真っ白だったのか本当に泣かなかったのか、
産まれた時に泣いた記憶がなかった。
でも今回は泣いてる。ちゃんと聞こえる。

息切れの中、「うれしい!」と思わず声をあげる。
無事に生まれたことと、思わぬ安産でラッキーだった、
という意味がこめられていた。
生まれた瞬間、もう1人生める!と思った。
ちなみに前回は「もう二度と生むもんか!」と思った。
陣痛が始まった瞬間から女に生まれたことをうらんだりもした。
でも前回がつらかったからこそ、今回こんなにラクに感じたんだね。
世の中に無駄なことなど、めったにないものです。

看護師「午後10時58分。女の子です。おめでとう!」

わぁ、本当に今日中に生まれてしまった。
しかもあと1時間も残ってるよ。
すごいな経産婦。

前回は陣痛室にめがねを置いてきてしまって(視力0.04)、
息子の顔を確認するのに時間がかかったけど、
今回はそれを教訓に早めにかけてスタンバっていた。
見せてもらった待望の女の子は「あれ?またゴージャス?」
と思ったくらい息子にそっくりで笑ってしまった。

出産後の処置で少し離れたベッドに娘は連れて行かれたが、
顔はこちらを向いていて、目が合っているような気がした。
か、かわいい・・・。
顔の造りやパーツの配置はともかく、
本当に小さくていとおしいその存在。
38W1Dで生まれたせいもあるのか、実際2,615gと少々小さめ。

少しして後産の処置をされた。
うぐぐ。これが結構痛い。もう1回軽い出産をしているよう。
主治医「裂けそうだったからちょっと切開したから、縫っておくね。」
え?切ってたのか。
初産の時、何が怖かったかって会陰切開。
でも前回も今回も結局いつ切開したのかわからなかった。
麻酔はちょっとちくりちくりと痛かったけど、
縫合は糸の引っ張り感はあるけど痛みはなかった。

23:20
それなりきれいにしてもらった娘が初乳を飲みにやってきた。
多分まだそんなに出てはしないだろうけど、
一生懸命吸っている。 なんていじらしい。
片方ずつ計20分ほど飲んで、また連れて行かれてしまった。

短時間で済んだため、体力が有り余ってなんだか退屈。
でも2時間ほど分娩室で休むことになっている。
外で待っている両親や息子のことが気にかかる。
看護師にもう帰ってもらうように伝えてもらったが、
出てくるまで待っているっておっしゃってましたよ、とのこと。

1:00
ようやく病室に帰れることに。
個室希望だったけど今日は空きがなくてひとまず相部屋。
車椅子で帰る人も多いけど、元気なので前回に同じく歩いて帰る。

母と息子が外で待っていた。
こんな時間なのに息子の目はランランとしていて、
いったい今夜は眠ってくれるのだろうか、と心配になった。
顔だけ確認して、両親と息子はまた1時間かけて実家に帰っていった。

病室に帰っても疲れているはずなのに
なんだか興奮して寝付かれず(前回もそうだった)、
分単位で時計を確認しながら朝を迎えた。

<出産日記・完>



---おまけ---

入院して3日ほど経った日だろうか。
担当看護師です、とあいさつに来た。

そいつは息子の時に私をマタニティブルーに陥らせた、
にっくき看護師であった。
よりによってあんたが担当だなんて・・・。

しかもあいさつが遅れたことに対して
いやーいろいろ仕事が忙しくてねぇ、
なんて、どうでもいい言い訳をしてくる。
これまたどうでもいいけど、
和歌山カレー事件の某被告に似ていたりする。

こいつは母乳に悩む母親に対する配慮というものが
まるっきりなく、出ないと困っているママたちに向かって
平気で暴言を吐くのである。
私は前回「そんなで出ないおっぱい飲まされても、
子どもは疲れて眠くなるだけよ。さっさとミルクを飲ませなさい。」
的なことを言われて、かなりのトラウマになった。

今回も「あら、全然胸が張ってないわね。
栄養足りなくなるから早めにミルク飲ませてね。」などと言い放つ。
出産入院のスケジュールの中に母乳マッサージというのがあって、
担当看護師であるこいつがやることになっている。
「私が出るようにしてあげるわ!」なんて張り切っててコワイ。

そしてマッサージの時間。
仰向けになり、マッサージを始めた瞬間、
母乳がピューッと飛び散った。

彼女はあっけに取られているようだった。
「あ、あら。胸が張ってなくても出るのねぇ。」
と言い、そそくさと持ち物をしまって詰所に帰っていった。

フンッ。
世の中にはいろんな体質の人がいるんだよっ。
ちなみに私は典型的な差し乳タイプのようである。

ようやく前回出産時のトラウマを乗り越えられたような気がした。

経産婦は結構ツライと聞く後陣痛も全くなく
(子宮がギュイーーーーンと収縮してるのは感じるが無痛)、
陣痛、分娩時間が短かったおかげか体のトラブルもなくて、
本当に手がかからない産婦だった、と看護師に評されながら
病院を後にしたのであった。

今回の入院で心残りだったのは、
母乳が割と出たので個室に移った後はほとんど部屋にいて
(病院が母子同室推奨なので)、前回かなり楽しかった
授乳室での交流がほとんどなかったこと。
今思うと、なんだか寂しいなぁ。


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