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2010.05.05
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 著者の原稿を本の形にするために必要な校正作業も、初校 (1回目の校正) → 再校 (2回目) → 三校 (3回目) と進んでくれば、いよいよ最終段階です。 三校で特に問題がなければ、その校正刷を印刷所の担当者に責了 (あるいは校了) と言って渡してから数日すると、白焼きと呼ばれるものが出てきます。 

 ここで責了とは、 まだ校正刷には若干の赤字 (修正) があるけれども、 それは印刷所の責任で直して校了 (校正を終了) として下さい、 の意味です。  したがって、 印刷所に戻す最後の校正刷 (ここでは三校) に全く赤字がなければ 「校了」 ということになります。 

 従来のフィルムを作るプロセスを経た (フィルムから刷版を作る) 印刷では青焼きと呼ばれるものが出てきたのですが、現在の本の印刷で主流となっているCTP (Computer to Plate) 印刷では、この白焼きを確認する作業が本の中身に手を入れられる最後の機会ということになります。 (青焼きはどういうものなのかについては 「本ができるまでの流れと製作部の仕事」 で以前に記しましたので、ここでは省きます。)

 白焼きが出てきたら、以下のことを1ページずつ確認していきます。
  1. 三校に入れた赤字がきちんと直っているか
  2. 図やイラストに間違いがなく、綺麗に、かつ周囲が欠けることなく入っているか
  3. 各ページの最初と最後の文字に、三校とのズレがないか
 
 この中で、特に3については細かいチェックでもあり、うっかりしがちです。 というのも、その場所は必ずしも赤字が入っているとは限らないからです。 編集の経験がまだ浅い人は、赤字や指示を入れた場所だけを確認すればよいだろうと思いがちですが、各ページの頭とお尻の文字にズレがないかどうかを三校 (三校に限らず、最後の校正刷) と照らし合わせることはとても大切であり、この点を注意していないと、思わぬことを見落としてしまうことがあります。

 赤字や指示が入っていないからと安心して、この照らし合わせをしないでいると、例えば次のようなことが起こっている可能性があります。
  A. ◯◯・・・,や 「△△・・・」 という文章で、最後のカンマやカッコが次の行にズレる
  B. 年号などの数字が2行にまたがる
  C. 索引事項として拾った言葉が、三校とは違うページにズレる
などなど。

 赤字や指示を入れていないところでそのようなズレなど起こるはずがないだろうと思う人もいるかもしれませんが、三校でページのどこかに修正があった場合、それが例えば5文字減る (増える) ような直しであったとしても、当然のことながら、その5文字分、文章はズレてくるわけです。 そのため、 上のAやBのようなことが、 同じ段落内のどこかで起こっている可能性がゼロではありません。 また、そのズレがページをまたがった段落内にあれば、Cのようなことが起こっている可能性もあるのです。 

 ということもあって、そのページの頭とお尻の文字をチェックして、全体にズレが生じていないかどうかを確認し、もしズレがあったら、たとえ三校でそのページに赤字が入っていなくても、前ページや次ページにある赤字の影響を受けていないかどうかを注意深くチェックすることが大切です。

 白焼きに赤字を入れなければならない箇所が出てきたら、そこに直接赤字を入れて、そのページの上のところに付箋を貼っておきます。 こうしておけば、白焼きを印刷所の担当者に戻すときに、直しのある場所を互いにすぐに確認できるからです。

 こうして白焼きの確認を終えて、印刷所の担当者に戻すと、これで長かった編集 (校正) 作業は終了となり、後は 印刷 → 製本 → 出版社への納本 という、本の形になるまでの一連の作業を待つことになります。

 





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Last updated  2010.05.05 21:39:43
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