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編集者入門ミニ講座

2005.05.29
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 これまで44回にわたって、この 「編集者入門ミニ講座」 を連載してまいりましたが、今回をもちまして閉講と致します。

 このミニ講座では、編集者を目指している人たちや、編集者ってどんな仕事をしているのだろうと思っている人たちに、普段あまり知られることが少ない その仕事について、自分自身の体験などを交えながら、ごく簡単にではありますが、ご紹介してきました。

 本当は、原稿割付や校正の実際の様子などを写真でご紹介できればよかったのですが、そういう訳にもいかず、文章のみでの解説となってしまったために、読んで頂いた方にはイメージしずらくてわかりにくいところも多々あったかと思います (この点については、ごめんなさい)。

 実際の編集者の仕事は、ここに記した以外にも様々なことがあります。 また、 “編集者がどこまで携わるか” ということも、その出版社によって異なってきます。そのため、私がここに記したこととは違う面も多々あるかと思います。でも、ここに連載してきたことを読んで頂くことで、編集者の仕事やその役割について、少しは知って頂くことができたのではないかと思っています。

 編集者の仕事は緻密な作業の連続で、1冊の本を刊行するまでには、本当に膨大な作業をこなしていかなければなりません。でも、だからこそ、本が出来上がったときには、編集者としてたとえ何年経験を積んでも嬉しいものですし、自ら企画を立て、著者と読者を橋渡ししていく編集者の仕事は本当に楽しくてやりがいのあるものです。ですから、いま編集者を目指している人には、ぜひ、この世界に飛び込んで来てもらいたいと思います。 先輩の一人として応援しています。

 この講座が編集者を目指している人はもちろんのこと、これまで編集者というものにあまり興味を持っていなかった人にもなんらかのお役に立てることができたならば、嬉しい限りです。







Last updated  2005.06.11 00:16:42
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2005.05.22


 製本が完了すると、いよいよ待ちに待った納本です。出来上がった本が数冊、担当編集者のもとに届きます。完成した本を手にするのは、 「やっとできたな ー 」 と嬉しい気持ちになると同時に、ホッとする瞬間でもあります。 それから、しばしパラパラと中を捲って、何か問題はないかどうかをチェックします。何もなければ、まずは一安心です。

 本が無事できたことを確認したら、出版契約書の作成にとりかかります (著者に執筆をお願いする際には仮契約書というものを交わすのですが、本が完成した際には、正式な契約書を取り交わします) 。 契約書には、契約に関わる細かな事項の他、著作権者名、出版権者名、発行年月日、印刷部数、印税率、献本部数などを記す欄があり、2通作って、1通を著者が、もう1通を出版社が保管します。 (出版契約書の作成を編集者自身が行うかどうかは、出版社によって様々だと思います。)

 次に、献本作業を始めましょう。もうすでに、この段階では宛名書きなどの準備は整っているでしょうから、 後は 「謹呈」 の短冊を本に挟み、献本の挨拶状とともに発送します。 広告・宣伝用に、また書評用にと様々なところに献本をすることになりますが、書評の掲載や口コミで広がることは下手な広告よりも効果が大きいことも多いですから、的確な献本を行うことが大切です。  

 著者が遠方に住んでいる場合には郵送という形になってしまいますが、比較的近隣に住んでいるようであれば、出来上がった本 (献本分) と契約書を持って直接伺います。出来上がった本を手にした著者の喜ぶ顔を見るのは何よりも嬉しい瞬間ですが、これから この本が無事売れるように営業部とともに頑張らなければなりませんから、気が引き締まる瞬間でもあります。

 こうした諸々の仕事を終えると、後はとにかく、少しでも多くの部数が売れるように販売に努めます。営業部が事前に立てた販売計画に沿って動き出すことはもちろんですが、編集者自らも (宣伝用のポップも作ったりして) 書店に足を運びます。 (この辺りは、各出版社によっていろいろと工夫があるかと思います。)

 また最近は、ネット書店の存在も無視できないほど大きくなり、そこへの情報提供も大切な仕事となってきました。そのため、本の内容や宣伝についての書き込みをオンラインで行ったり、カバー画像を送ったりなど、少しでも読者の目に触れる機会が多くなるようにと積極的に宣伝を行います。

 編集者は、本が完成した喜びに浸っている間もなく、もう次の本の校正や原稿割付の作業に取り掛かっていかなくてはなりません。そのため、すでに刊行してしまった本に対しては、知らず知らずのうちに無関心になってしまうことがあります。しかし、出した本の販売動向をきちんと把握して、それが良くも悪くも、その結果を検討することが次の企画にも繋がることになるのですから、 “出したから、もう編集者の仕事は終り” ではなく、むしろ刊行した後こそ大切だと思います。それは、著者との関係についても然りです。

 次回で、この 「編集者入門ミニ講座」 も最終回となります。







Last updated  2005.06.12 13:46:16
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2005.05.15


 編集者は、印刷、製本という作業が進んでいる間に、献本の準備を始めます。 (前回記したように、広告の作成・掲載依頼は、この段階ではすでに済んでいなくてはなりません。)

 献本には、いくつかの種類があります。
  1. 著者への献本
  2. 本の完成までにお世話になった方への献本
  3. 書評 (広告・宣伝) のための献本

 1番目は著者との契約内容にも含まれているもので、ある意味、事務的な手続きという感じもありますが、本が出来上がったという感謝の意味を込めて、その本の著者へ本を差し上げるものです。そして2番目は、例えば、引用 ・転載などでお世話になった出版社や著者、装丁をお願いしたデザイナーなどへの献本です。

 3番目は、宣伝を目的とした献本です。皆さんも、新聞や雑誌などの書評欄を見たことがあるかと思いますが、ここで取り上げてくれるかどうかで、その本の売り上げ (販売動向) にも大きな違いが出てきます。書評欄に載ることで多くの読者の方々の目にとまるということもあるのですが、書店の店員の方々に関心を持ってもらうことができるということも大きいといえます。

 書評で取り上げられたことを書店の方に知ってもらえると、昨今の新刊ラッシュによる “動かないものは即返品” という傾向が強い中にあっても、その本については長期的に置いて頂けるようになることがあります。また、書店によっては、 “書評で紹介された本” というコーナーを設けるなど、商品陳列にも一工夫を加えて頂くことができて、いろいろな意味で販売に大きくプラスになります。

 そのようなこともあって、編集者は、書評をして頂けそうな媒体には積極的に献本を行います。正直言って、下手に広告を出すよりも、書評が載る方が圧倒的に宣伝効果があるからです。ただ、業界新聞や専門雑誌など、かなり専門的な分野に限られた媒体の書評欄に載った場合には、書店の方にもあまり大きくは興味を持って頂けないことが多いのですが、その場合でも、その分野に関心のある読者には大きなアピールになりますから、献本を惜しまず行うことが大切です。

 本が完成するまでの間に、上に述べたような献本先へ向けて宛名書きなどをしておき、本が完成次第、すぐに送れるように準備をしておきます。献本というのは、このように編集者の仕事の中では一見雑用的なものにも見えるのですが、とても大切な仕事の一つなのです。







Last updated  2005.06.11 00:16:16
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2005.05.08


 青焼きの確認が済むと、いよいよ印刷 → 製本という流れを経て本が出来上がるのですが、その本をどのように広告するかということについては、この段階になってから考えるのでは遅く、本を企画したときから ある程度考えておかなくてはなりません。

 ごく一部の出版社では広告 (宣伝) 部のようなものが別にあるところもありますが、多くの出版社では、担当の編集者が広告作りから広告媒体・方法の選定、広告会社への掲載依頼までをしなくてはなりません。 編集者は本を作るだけが仕事ではないのです。

 一般に、本を広告するために使われる媒体としては次のようなものがあります。
   1. 新聞
   2. 業界新聞 (専門新聞)
   3. 雑誌
   4. 専門雑誌
   5. 中吊り広告
   6. ダイレクトメール
   7. 自社のホームページ

 この中で1 ~ 5については、広告会社を通して各媒体への広告掲載をお願いすることになるのですが、一般に、本が発売される1 ~ 1.5ヶ月ぐらい前には広告を作成して広告会社へ渡しておかなくてはいけません。 なぜそんなに前から広告を作成しておかなくてはいけないのかというと、雑誌を例にすると、これは当り前のことですが、その雑誌自体も印刷にかけなくてはならないために、例えば5月号の広告は3月中旬までなどというように前倒しで締め切りが設定されているのです。 

 したがって、本が印刷にかかって自分の手が空いてから広告会社にお願いしようなどとのんびり構えていると、その広告が雑誌に載るのは1ヶ月、2ヶ月も先になってしまって、本が発売されて書店に並ぶタイミングと全く合わなくなってしまうのです。ということもあって、広告会社を通して広告を行なうときには、かなり早い段階から広告を準備しておかなくてはなりません。
 
 一方、6の場合は、愛読者カードなどで以前に読者登録のあった人たちへ新刊案内を送付するということが一般的ですから、上のケースとは違って、自分のところで、広告を流す日程をコントロールできることになります。また7の場合には、自社のホームページへ新刊案内を掲載するということですから、より迅速に対応することができることは言うまでもありません。

 これはどんな商品についても言えることだと思いますが、限られた予算の中で、その本 (商品) にベストな広告媒体を決めるのは本当に悩む作業です。どの媒体を使うか、その媒体選定に際しての私なりの細かな基準をここに記すことは控えさせて頂きますが、 “その本の最大の読者層が一番目にする広告媒体は何か” ということを考えることが大切です。

 また、広告媒体の選定とともに大切なのが、いかに魅力的な広告を作成するかということです。新聞や雑誌を見て頂ければわかりますが、本の広告が載る場所というのはだいたい決まっていて、他社の広告と並んで配置されます。したがって、多くの広告の中で、読者に少しでも印象に残るような (わかりやすく、インパクトを与えられるような) ものにするように工夫することが必要となります。

 以上、ざっと広告について記したのですが、ここに記したことは初歩の初歩ともいうべきものです。上の1 ~ 7について個々に記すとなると膨大な内容になってしまいますし、また広告を作る過程などについても触れたかったのですが、ここではごくごく簡単な内容に留めさせて頂きました。  







Last updated  2014.02.08 09:23:32
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2005.05.01


 三校 (三回目の校正) のゲラを印刷所の担当者に責了 (あるいは校了) で渡してから数日すると、青焼きが出てきます。青焼きとはどういうものなのかについては以前に記しましたのでここでは省きますが、この確認作業が、本文に手を入れられる最後の機会ということになります。

 まず最初に、三校のゲラを左側に、青焼きを右側に置いて、三校で入れた赤字が漏れなく直っているかを1ページずつ確認していきます。この作業で大切なことは、
  1. 赤字が直っているか
  2. 図やイラストが間違いなく、そして図の周辺部も欠けることなく入っているか
  3. 各ページの頭とお尻の文字に、三校とのズレがないか
  4. ゴミや汚れがないか (フィルム上にゴミがあると、それも青く現れるのでわかります)
をチェックすることにあります。 

 編集者は、1、2、4については注意を払って確認するのですが、3についてはうっかりしがちです。というのも、その場所は特に赤字が入っているわけではないからです。赤字だけを確認すればよいだろうと つい思いがちなのですが、各ページの頭とお尻の文字にズレがないかどうかの確認を忘れると、思わぬことを見落としてしまうことがあります。

 それは、ページの頭の文字、お尻の文字にズレがあるということは、そのページ内の文章が、たとえ数文字といえどもズレているということを意味していますから、例えば、次のようなことが起こっている可能性もあるのです。
  A. ○○・・・, の ,だけ、 あるいは 「△△・・・」 の 」 だけが次の行にズレている
  B. 年号などの数字が2行にまたがっている
  C. 索引事項として拾ったものが、三校とは違うページにズレている
などなど・・・。

 ズレなど起こるはずがないだろうと思われる方もいるかもしれませんが、文章に直しがあった場合、それが例えば5文字ほど減る (増える) ような直しであったとすると、その5文字分、当然文章はズレてきます。そのため、上のAやBのようなことが段落内のどこかで起こっている可能性もあります。

 また、そのズレが、もしページをまたがった段落内にあると、Cのようなことが起こってしまっている可能性もあります。ということもあって、そのページの頭とお尻の文字を押さえて、全体にズレが生じていないかどうかを確認し、もしズレがあったなら、そのページは念入りにチェックする必要があるのです。

 1 ~ 4についての確認作業において、もし赤字を入れなければならない箇所が出てきたら、そこに直接赤字を入れて、そのページの上のところに付箋を貼っておきます。青焼きでの修正はフィルムで直さなければならないこともあって、極力ない方がよいのですが、どうしても直さなければいけないものについては、青焼きを印刷所の担当者に戻すときに1つ1つ確認して、直しをお願いすることになります。そのため、直しの場所をすぐに特定できるように付箋を貼っておくことが大切です。

 こうして青焼きの確認を終え、印刷所の担当者に戻すと、これで長かった編集 (校正) 作業はすべて終了となり、後は、印刷 ・製本 ・納本という一連の作業を待つことになるのです。







Last updated  2005.06.11 00:15:47
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2005.04.24


 カバーデザインに対する考え方や、単行本とシリーズ本では難しさも違うということについては、 「カバーデザインについて Part.1・2」 のところで述べましたので、ここでは実際の流れについて記したいと思います。

 私の場合は、カバーデザインは長年お付き合いのあるデザイナーにお願いしています。もちろん、その本その本でそれぞれにデザイナーを変えてみるという方法もあるとは思うのですが、阿吽の呼吸と言いますか、まぁ、あまり細かなことを言わなくてもいろいろとわかって頂ける部分が多いということもあって、いつも同じメンバーの方にお世話になっています。

 まず、デザイナーには、その本の内容について伝えます。こんなイメージのものにして欲しい、色はこんな感じのものにして欲しいなどと、ある程度具体的に指示をすることもあれば、本の内容だけを伝えて、あとはデザイナーから何が出てくるかを待ってみる、という方法を採る場合もあります。

 打ち合わせをしてからしばらく経つと、デザイナーからデザインの第1案が送られてきます。私は、それをしばし眺めた後、数日間、そのデザイン案を自分の机のいつでも見える場所に置いておきます。これは一体何をしているのかというと、素敵なデザインというのは見ていていつまでも飽きることがないという私の考えがあって、 「そのデザインに飽きるか、飽きないか」 を自分なりに試しているのです。

 数日眺めているうちに、 「このデザインはイマイチかなぁ ~ 」 とか、「ここの色はもう少しこの方がいんじゃないかな ~」 などと気になる部分が出てきたところで、またデザイナーと打ち合わせをします。もちろん、この段階で仲間の編集者や営業部の人たちにも見せて、いろいろと意見を聞いておきます。

 そして、修正をお願いしたデザインの第2案ができたら、また数日机の上で眺めます。そして、特に問題がないと判断したら、それを持って書店に出向きます。カバーを持って書店に何しに行くかというと、本 (自社の同じ厚さの本) にそのカバーを巻いてみて、 実際に書店で平積みをしたり棚に並べ、カバーが他社の本に負けていないか、目立つかどうかなどをチェックするのです。

 社内だけでデザインを眺めていると、比較するといっても大抵は自社の本だけになってしまうので多くの本が並ぶ書店でそれが目立つ (満足できる) デザインと言えるものかどうかを確かめることが大切です。そこで、実際に棚に並べてみるのです。

 そうすると、社内で見ていたときには 「これはいける!」 と思っていたデザインでも、
  ・ 多くの本の中では目立たない
  ・ 他社のデザインと比べて見劣りがする
  ・ 平積みなら目立つが、棚に並べてみるとほとんど目立たず埋もれてしまう
などの欠点が見えてきます。そこで書店の店員さんの意見なども聞きながら、ポイントを頭の中で整理し、もう一度、デザイナーと打ち合わせをします。

 こうして何回かの細かな修正のやり取りがあって、ようやくカバーデザインが出来上がります。最終決定に至るには、社内の会議でGOサインを出してもらわなければなりません。無事、OKが出たら、デザイナーからデザインのデータを受け取り、それを印刷所の担当者に渡して、カバーの色校 (色の調子や線数、文字の太さなどを確認するための校正) を出してもらいます。そして、色校に特に問題がなければ実際の印刷にかかり、カバーが出来上がることになります。

 以上、ざっとご紹介致しましたが、これはあくまでも私自身についての場合ですから、各編集者によって、また出版社によっても異なる部分があるということは押さえておいてほしいと思います。 







Last updated  2005.06.11 00:15:32
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2005.04.17


 再校を印刷所に入れてしばらくすると、三校 (三回目の校正刷り) が出てきます。三校は校正作業としては一般に最後といえるものです。 そのため、著者の校正は再校までで、三校からは編集者が最後の確認をしていきます。念のため、著者には校正の控えを渡しておき、何か間違い等に気がついたときにはすぐに連絡を頂くようにします。

 三校では、これまでと同様、一つ前のゲラ (ここでは再校) の赤字が正確に直っているかどうかを確認します。特に、再校で著者の大きな直しがあったページは、追加の文章が本文とうまく繋がっているかどうか、図との位置関係は大丈夫かどうかなどをチェックしましょう。

 付き物関係の校正のやり取りについては特に触れませんでしたが、本文の校正と同様、初校・再校と進めていきます (ただし、多くの場合、本文と別工程で進めていくことが一般的です) 。そして、この三校において本文と付き物の校正がすべて足並みを揃え、本1冊分のゲラが整うことになります。

 再校との照らし合わせが済んだら、ページに関わるものについてのチェックを始めましょう。

 まず、目次です。各章や節のページに間違いはないかどうか、一つ一つチェックしていきましょう。次に、索引です。再校に著者の直しが入ると、索引として拾った語句が三校では違うページにずれていたり、中には、その語句自体が本文からなくなっていることもあります (著者の書き換えや削除によって) 。ですから、これも慎重にチェックをしていくことが大切です。

 最後に扉、奥付を確認しましょう。著者の略歴・名前に間違いはないか、初版発行日はこれで大丈夫か (この日付は製作部に確認することも必要です) 、ISBNコードに間違いはないかをチェックします。

 これで、三校のゲラの確認はすべて終了しました。当然のことながら、この段階で、図やイラストについても校正が済んで仕上がっていなくてはなりません。そして、そのデータを、トレース会社・イラストレーターからMOやCD-ROMの形で受け取っておきます。もちろん、それらのデータを社内のパソコンで開いて確認することを忘れないようにしましょう。

 あとは、台割表と刷り位置指定書の準備です。印刷所では、16ページを1単位として (これを1台と言います) 1枚の紙に印刷していきます。そして、それ以下のページは2で割れる数を単位として、以下、8、4、2ページがこれに続きます。ですから、例えば160ページの本は10台ちょうどということになりますし、162ページの本は10台と2ページということになります。このようなことから、奇数で終わる本というものはありません。

 もし、仮に全体が奇数ページになってしまった場合には、白 (しろ) と呼ばれる白紙のページを入れるなどして偶数ページになるようにします (白紙にはせずに広告を入れたりすることも多いです) 。ということで、台割表とは、1冊全体を16ページを単位として区分けし、用紙1枚に印刷されるページを割り振るための指示書と言えるものです。

 刷り位置指定書は、版面 (本文が印刷されている領域) を紙のどこに置くか (例えばA5版の本なら、そのA5の領域のどの位置に版面を置くか) を指定するものです。 具体的には、柱を天 (てん:上の意味) から何cmのところにもってくるか、のどアキ (本の中心の繋ぎ目をのどと言います) は何cmにするかなどを指定して、「この位置に配置して下さい」 と印刷所に指示をします。
 
 さぁ、これで準備は整いました。以下のものに怠りがないか、いま一度確認しましょう。

  ・ 三校のゲラ  ・ 図版とイラストのデータ  ・ 本文中で使う写真類

  ・ 台割表  ・ 刷り位置指定書

そして、これらに問題がなければ、それを印刷所の担当者に、「これで責了として下さい」 と言って渡します。責了とは、まだ三校には若干の直し (赤字) があるけれども、それは印刷所の責任で直して校了 (校正を終了) として下さいの意味です。もし、三校に赤字が1つもなければ、「これで校了です」 と言って担当者に渡すことになります。

 責了の次には青焼きが出てきますが、青焼きの作業について触れる前に、次回はカバーデザインの完成までについて簡単に記すことに致します。


 






Last updated  2005.06.11 00:15:09
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2005.04.10


 前回は、付き物の中でも、扉・目次・索引・奥付について記しました。今回取り上げる序文も、これらと同じく付き物と言われる部類に入るのですが、その本の著者の思いや読者へのメッセージが込められているという点で、 他のものとは少し違う位置にあるかと思います。 なお、 「序文」 は、「まえがき」 や 「はしがき」 などと書かれる場合もあります。

 序文は、一般に、

  ・ どんなことについて書いたのか
  ・ どんな目的で書いたのか
  ・ 読者対象は誰か
  ・ どんなことに注意して読んで欲しいのか

などの内容が書かれているもので、扉と目次の間に置かれます。

 皆さんも、書店で手にした本を買うかどうか判断する際に、その本の序文にざっと目を通すと思います。1ページの半分も満たないような極く短い分量の序文では著者の意図が伝えきれない場合もあるでしょうし、反対に、4ページも5ページもずらずらと書かれていると、この著者は何が言いたいのだろうかと、読者にあまり良い印象を与えず、逆効果となってしまう場合もあります。

 ということもあって、序文のボリュームは2、3ページというのが一般的だと思いますが、そこに読者を引き付けるような文章が書かれていれば、手にした本を買ってもらえる可能性も高くなります。序文の原稿は、著者が本文の原稿を脱稿したときに一緒に頂ける場合もあれば、初校、再校と校正が進んでいく中で、著者が原稿作りをしていく場合もありますが、上のようなことを考慮しながら、適当なボリュームに書いて頂くようにお願いすることになります。

 通常、本文の内容は著者の筆の力に頼ることになりますが、序文については、コマーシャル的な要素を含めることもあって、編集者もかなり力を入れて原稿をチェックすることが大切です。 (場合によっては、著者と共著になるぐらいに編集者が書き直しをすることが必要になることもあります。) もちろん、そうは言っても、あまりに売り込みというのがあからさまの文面では読者もうんざりしてしまいますから、そこは注意が必要です。

 初校、再校、そして付き物と進んできました。次回は、いよいよ三校 (校正作業としては、一般に最後といえるもの) の作業について記すことに致します。







Last updated  2005.06.11 00:14:32
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2005.04.03


 1冊の本を構成しているものの中で、本文以外のものを、付き物 (つきもの) といいます。それぞれ具体的には、扉、序文 (次回に解説) 、目次、索引、奥付などを指します。これからの解説は、お手元に本を用意して頂くとわかりやすいかと思います。


  扉 (とびら)
 本を開くと、まず最初に、書名・著者名・出版社名などが書かれたページが出てきます。これが扉 (とびら) とよばれているものです。本によっては、この扉のページも独自に洒落たデザインにしているものもありますが、一般的には、本のカバーや、カバーを剥がした本体 (クロスとよばれる部分) の書名・著者名・出版社名の配置と同じデザインになっているものが多いです。

 本の中の構成が、例えば、○○編、△△編、××編、・・・などのようにいくつかの編に大きく分かれているような場合には、各編の最初のページをその編のタイトルページにすることがあります。 つまり、このページは、これから始まる “編” の扉と言えるものです。このように本文中に設ける扉のことを、一番最初の扉とは区別して、中扉 (なかとびら) とよびます。 


  目次 (もくじ)
 目次は、その本の構成を一目で示す案内板のようなものであると同時に、この本を理解する上で著者が重要と思っているポイント (項目) が並んでいるため、編集者にとっても、また読者にとっても、とても大切なものと言えます。

 本を買おうとする読者は、書店で本を手にとって少し立ち読みする際に (またネット上で購入する際にも)、必ず目次をチェックします。ただズラズラと各章のタイトルを並べたような目次では、決して読者の購買意欲を高めることはできません。目次がしっかりとしているというのは (見た目にもわかりやすく、またレイアウトにも工夫が見られると) 、その本の骨格が最初にしっかりと示されているということですから、それだけでも、読者に良い印象を与えることができます。

 とかく編集者は本の中身のことに夢中になりがちで、目次作りをおろそかにする傾向があります。目次も決して手抜きをせず、読者に少しでも好印象を与えられるような工夫をする、ということを心掛けることが大切です。


  索引 (さくいん)
 教科書、参考書、専門書、マニュアル本 (解説本)、辞書など、主として読者が学ぶために読む (必要な) 本には索引のページがあります。読者の立場からすると、自分の知りたい情報 (事項) が索引に拾われているかどうかが、その本を買うかどうかの1つの目安になります。そのため、実際には本文中にきちんと解説されているのに、索引に自分の知りたい事項が拾われていないと、買うかどうかの判断の際に、「この本には自分の知りたいことが書かれていないかもしれない」 という誤解を持たれてしまうことにもなります。

 したがって、上に挙げたような内容の本の場合には、編集者は著者と相談しながら、この本の読者が調べるであろう (引くであろう) と考えられる言葉 (事項) については、索引事項としてきちんと拾っておくことがポイントとなります。そういう意味からも、その本の中に出てくるキーワード (重要語句) は必ず拾い上げて索引事項に入れることが大切です。


  奥付 (おくづけ)
 奥付には、著者のプロフィール、出版社、印刷会社、製本会社の名前、本の発行年月日、ISBNコードなどが書かれています。その本がまだ増刷されていなければ (つまり、初版であれば) 1つの発行年月日しか書かれていません。そして、増刷を重ねるようになると、初版の発行年月日の下に増刷をした月日が加えられることになります。ということもあって一般的には、奥付の発行年月日は、その本がどれだけ売れているかの1つの目安にもなります。

 著者のプロフィールをどこまで載せるかは、基本的には著者の判断に任せることになります。しかし、本の種類や内容によっては、著者のプロフィールが大きな看板となる場合があります。その著者のこれまでの経歴や過去の著作物の紹介などが、その本の内容への期待感を高めるということもあるからです。そのため、その種の本の場合には、編集者は著者と相談の上、宣伝効果も考えたプロフィール掲載をすることが大切です。


 以上、ごく簡単にですが、付き物について紹介してきました。これを読まれた後に、実際にいろいろな本を開いて見比べて頂くと、「本によってそれぞれ違うものだな ~ 」 と、新たな発見をして頂けるのではないかと思います。

 次回は、今回紹介しなかった、序文について記したいと思います。







Last updated  2012.03.30 23:26:22
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2005.03.27


 著者から、 「再校が済んだ」 との連絡が入ると、編集者は校正を受取りに著者の所に出向きます。 (郵便であれば、著者から再校の済んだゲラが送られてきます。) 著者の校正は再校までというのが一般的であり、この校正が著者の直接の赤字が入る最後ということになります。もちろん、三校 (3回目の校正のことで、主として編集者のみが行なう) で新たに気づいたことを著者に確認して赤字が入ったり、著者が手元に置いてある控えのゲラを見直しして、追加の赤字を言ってくることもありますが、基本的には、これが著者校としては最後となります。

 さて、再校のゲラを確認する際に最も大切なことは、初校を要再校で印刷所に入れる前に行なったことの繰り返しですが、大きな修正や削除、図の追加や削除があるかないかということです。大きな修正や削除がなければ、まずは一安心といったところです。

 次の作業は、これも初校のときと同じく、著者の赤字を一つ一つ確認していき、わからない点があれば著者に確認していきます。一般的に、校正というものは回数が多くなるほど赤字が減っていくので、再校は初校よりも赤字の程度は減っているはずですから ( “はずです” と書いたのは、再校でも真っ赤にしてくる著者も中にはいますので) 、赤字のチェックは少し楽になります。

 本文の赤字と一緒に、図の中にも赤字が入っていないか忘れずにチェックしましょう。特に、写真などの場合に、「この写真、もう少しサイズを大きく (あるいは小さく) して欲しい」 などのコメントが入っていることがあります。その際は、再度、写真のトリミングをして縮率を指定し直すことが必要となります。

 当然のことながら、写真 (あるいは図) のサイズが変われば本文にズレが生じるので、どのくらい文章が動くのかを計算して、なるべくページをまたがって文章が流れ込まないように、うまくレイアウトを行なうことがポイントです。これはなぜかというと、文章が何ページにもわたってズラズラとずれていくことになると、思わぬ問題が起こることがあるからです。

 これまでにも何度か例は挙げましたが、ここでまた一つの例を挙げると、最初は本文の半ばぐらいにあった小見出しが、このズレによって、いつの間にか一番下の行に来ていたりなど (見出しが一番下の行にポツンとあるのは問題外です)。 ですから、このようなことを防ぐためにも、なるべくなら、そのページの前後でズレを吸収するようにレイアウトを指定し直すことが大切となります。

 次に、著者の赤字によって、各章の終わりのページ (ノンブル) がズレないかどうか確認しましょう。例えば、いま1章の終わりのノンブルが10で、2章が11から始まっていたとしても、1章のページ数が1ページ増えて11になったら、2章以降が全部ずれてきてしまいます。 「なぁ ~ んだ、ただノンブルがずれるだけでしょ」 と思うのは大間違いで、たとえば、見開き (本を開いた状態) で左右のページに図を入れていたりすると、このたった1ページのずれによって、どちらかの図は次ページにずれてしまい、見開きにはならなくなってしまいます。ですから、細部にわたって、気を抜いてはいけないのです。

 これらの確認作業が一通り終了したら、再校のゲラに要三校 (3回目の校正を出して下さい、の意) と書いて、印刷所の営業担当者に渡します。 (社内でDTPを行なっている場合は除きます。)

 次回は、付き物 (つきもの) と呼ばれる、扉、目次、索引、奥付などについて記したいと思います。 なお、序文も付き物に属しますが、これについては、その後に記すことに致します。








Last updated  2005.06.11 00:13:18
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