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博士の愛した数式 夏休みがはじまって、昼は騒がしいけれど夜はちょっとのんびりモードの我が家。 ずいぶん前の映画ですが、「博士の愛した数式」ってのをちゅまと一緒に見ました。 事故で80分しか記憶がもたなくなった寺尾聡の演じる天才数学者。 その世話をまかされた深津恵理演じる家政婦とその10歳の息子「ルート」の心温まる交流、 という話なのですが、話のあちこちで「数学の美しさ」というのが語られるのね。 教科書で見て、授業でやっただけでは「だから何?」としか思えなかったことが、 この映画で見ると「数学って美しいじゃん!」って思えてくるから不思議。 たとえば、ピタゴラスが発見した「友愛数」。 定義は 『異なる2つの自然数の自分自身を除いた約数の和が、 互いに他方と等しくなるような数。』 これじゃ美しいかどうかちっともわからない。 220の約数ってのは、1,2,4,5,10,11,20,22,44,55,110,220。 1十2+4+5+10+11+20+22+44+55+110=284 284の約数ってのは、1,2,4,71,142,284。 1+2+4+71+142=220 こういう関係。うーん、こうやって説明してもまだあんまり美しくないな。 ピタゴラスは「友人とは何か」と聞かれたとき 「それはもうひとつの私。例えば220と284のようなもの。」と答えたらしい。 これならちょっと美しいでしょ? これを映画の中の博士、そして博士から数学の楽しさを教わって数学の教師になった 「ルート」のドラマを織り交ぜた説明で聞くとね、いーんだこれが。 文じゃ説明できないよなー。 ちゅまと2人で「おおおおお、なんて美しいんだ~♪」と2人で感動しちゃいました。 一番小さい友愛数が220と284。 次に小さいのは1184と1210。 これを発見したパガニーニはなんと当時16歳! どんなに夢中になって探したのか想像しただけで楽しいよね。 おもしろかったのは、深津恵理の家政婦が、冷蔵庫の製造番号かなんかを見て それをメモするのね。博士の影響で数字が気になってしょうがない。 で、メモ紙の上でなんだかいろいろ長い間計算をして、それが素数だってことを確信する。 その数字がね、素数かどうかなんて、調べりゃわかることなんだろうし、 たいして高度な数学じゃないんだけどね。 でも自分で納得いくまで自力でいろいろやってみて 自分の力で確信を得て「よし。君を素数と認定する!」なんて数字に向かって言っちゃうわけ。 数学の感動と楽しさって学校で公式を覚えて問題を延々と解いたりするだけじゃ わかんないんだろうけど本当はきっと、こういうことだよなあ、って。 ドラマの中の重要なエレメントとしてオイラーの等式というのが出てくるのだけれど。 これがまたとてもロマンチックで美しい。 博士はこれでドラマにでてくる人間関係を暗示するのね。 お互いに無関係なはずの円周率 π とネイピア数 e がと虚数単位のi 。 それぞれ単独だと、iは、二乗してマイナス1 になる数のこと。 ルートマイナス1。そんな数は実数にはない。 心の中にしか存在できない数、とは博士の言葉。 ご存知円周率のπとネイピア数のeは延々と続く超越数。そんななんとなく不安定な三者が オイラーの等式というのに、なんとぴったりきれいにおさまっちゃう。 最初博士はこの等式を iπ e = - 1 って捉えてるのね。これはマイナスの関係。 でもあとでそれが iπ e + 1 = 0 となる。同じなんだけど、ぜんぜん違うんだな。 それが何を意味するのかは・・やめとこう。これ以上言うと これから見る人、つまんなくなっちゃうだろうからね。 コレ見ててちゅまが脱線。 「上ではね、地球で使うよりもπってずっとたくさんみつかってるんだよ。 だからもっといろんな計算がね、正確なの」 はあ?またこいつのわけわかんない話がはじまったよ(笑)。 「上で宇宙船つくる仕事にもね、ちゃんと数学は使うのよ。 で、上でだとできるんだけどね。下にはどうしてだかその知識を持って 来られないんだよね。ちびドラちゃんは上で使ってる数学は下に 来ても別に忘れたりしないんだけどね。でもあたしの宿題とかは 手伝ってくれないんだよねー。」 ちゅまはどうも直前の前世ではすごく数学ができたらしい。 で、上では今でも仕事に必要なくらいは思い出してるらしい。 今の下のちゅまが簡単な中学数学の問題を一生懸命夜中まで かかって解いてるのを見て、その前世を知っているちびドラちゃんのお母さんに 「あーあ、こんなにできなくなっちゃって・・・・。」と嘆かれたことがあるんだとか(笑)。 そうそう、肝心のドラマもね、すごくいい話。 80分しか記憶がもたない博士は客観的に見たら知的障害者なんだけど。 もう最高に愛にあふれてて、スピリチュアル的に見てもとても「美しい魂」の 持ち主なのね。それだけでも感動もの。 自分が意識しさえすれば、日常生活の中のどこにでも、 ものすごくささいなことの中にも美はある。それを感じて御覧なさい、 とは最近ウリエルさんに言われたこと。 あれ?・・・じゃ、これ見せたの・・ウリエルさん(笑)? 博士のように、難しい数学のみならず、ごくごく単純な 11という数字に美しさを感じたり、24という数字を潔いと感じたり。 そういう細やかな美を感じる感受性を持っていたいなあと思わせる映画でした。 原作の本もなかなかいいらしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.06.27 06:40:14
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