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長時間列をつくるのが苦手なため、実はまだフランスでマクドナルドのハンバーガーを食べたことないのだが(パリのマクドナルドでは長蛇の列ができる)、列がはけやすい日本ではお金がないときによく食べていた。ハンバーガー80円・チーズバーガー100円時代だった。確か、その後更に値下げして、デフレを煽ると政府に怒られていたと思う。毎日食べたらいやになるだろうが、たまに食べるとまずくはないと思うし、値段に対して考えると「とてもおいしい」とすらいえる。
フランス人の庶民はマクドナルドというと、軽蔑すべき国アメリカの悪の産物であり、蛇蝎の如く嫌わなくてはいけないものと思いこんでる人が多い。マクドナルドをひどい食事の代名詞のように使う人間もいる。 (そういうフランス人に限って、外食というとマクドナルドばかりなような人が多いのだが…。) これは非常に凡庸で俗悪な思い込みであると思う。 まず、マクドナルドが値段の観点で庶民の味方であることは否めない。 現在、パリでできる外食ではマクドナルドが一番安いのではないかと思う。 パリのファーストフードの代表はケバブサンドであるけれども、マクドナルドのハンバーガーはケバブサンドより安い(*)上に、しかもケバブサンドよりは体にいいはずだ。ケバブサンド屋はマクドナルドチェーンのようにマニュアル化されてないので、油を変える頻度や衛生管理、材料の安全性の確認などは、全く個々の店の良心による。 (*)ケバブサンドは、最初何回か珍しくて食べていたものの、食べると腹が痛くなるので、最近食べてない、でも今パリでは多分4ユーロぐらいだと思う。マクドナルドに張り出してある値段を見るとケバブサンドより安い。Quick(ベルギー系)やPomme de Pain(フランス系)など他にもファーストフードはあって、悪くはないけど、マクドナルドより高いと思う。 また、マクドナルドは死者続出だった昨年の猛暑で多くの人命(とくに日本人留学生の命)を救った。 パリは冷房がきいててゆっくり座れる場所は日本に比べてとても少ない。家庭用冷房は普及していない。(ひょっとしたら近代建築の建物では普及しているのかもしれないけど。)フランス国立図書館は冷房がきいているので涼しいが、皆同じことを考えるようで朝から満員(定員以上は入れない)。 「クーラーのきいてる場所」→「マクドナルド」という柔軟な発想が出たのは日本人留学生に多かったらしく、多くの日本人留学生が樹液に集う昆虫のごとくマクドナルドに引き寄せられ、うつろな目をしてマックシェイクのストローをチュウチュウやっていたという。例外もあるそうだが、殆どのマクドナルドの店では冷房があるようだ。 マクドナルドのすばらしさはまだある。最近、パリグラム社発行の「パリのママガイド」を貰ったのだが、それを見ると、パリは赤ん坊連れで食事ができるところがむちゃくちゃ少ない。日本以上に少ない。少なくともパリのフランス人は、外出するとなると、子供を預けるのが普通である。フランス人は子供を預けることには抵抗はないらしいが、いつでも預けられる相手や場所があるとは限らないし、やっぱり不便である。 そんな中、赤ん坊連れて家族で行けるところの筆頭にマクドナルドがあがっていた。ということでマクドナルドは赤ん坊連れの味方でもあるらしい。 フランス・マクドナルドは、素材はフランス製品をつかっている、と一生懸命宣伝している。また、日本のマクドナルドでは日本人が働いているのと同様、マクドナルドで働いているのはフランス人であるし幹部もフランス人だ。こうした努力は全く無視されている。フランス企業が他国に進出する時の植民地主義的なやり方(幹部は全員フランス人・その国の言語や文化や考え方に全く無知な人間を送り込んでいることも多く、フランスで成功したやり方なら世界で通用すると信じている←だからうまくいかないんだってば)を考えれば、フランスのマクドナルドのほうが遙かに、「フランスにあわせよう、フランスを理解し、フランスに理解されよう」という努力をしているのだが。 しかし、フランスでは、マクドナルドは、貧乏くさくて野蛮でまずい食事の代表のように見下されるばかりか(そのわりになぜか利用者は多いけど)、なにかというとマクドナルドが醜悪なアメリカ資本家&パンアメリカニズムの代表のように見なされ、攻撃にあう。 一番あれまーと思ったのは、ブルターニュ解放戦線(FLB: Front de Liberation de la Bretagne)がマクドナルドにテロを仕掛けた時である。このテロで亡くなったのは地元ブルターニュのフランス人(というかブルターニュ解放戦線的に言えば「ブルターニュ人」)である。ブルターニュ解放戦線というのは、フランスからのブルターニュ独立を主張する組織だ。なぜにマクドナルド攻撃? この時はさすがにフランス・マクドナルドも腹に据えかねたらしく、フランス・マクドナルドの社長と副社長(二人ともフランス人)、新聞の一面を使い、「いー加減にしてくれ」と、黒い喪のイメージの怒りの広告を出していたのが印象的だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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