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2005年02月28日
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テーマ:ご近所問題(10)
カテゴリ:日常生活
昼頃、呼び鈴がなる。
「どちら様?」ときくと「区の警察署のものですが」というのであけると3人の私服の男女が立っていた。階下のバーの騒音の件で来たという。

いろいろ手続きをしてから既に1ヶ月以上が経過しているが、やっと来たのかパリ警視庁…。いや、でも、おかしいな。今、区の警察署と言ってた。来るのは警視庁じゃなかったっけ?しかも、私たちとランデブーとって来てくれるんじゃなかったっけ??まあいいや。

警官達はまるで映画のようにきびきびと行動した。
うちのアパルトマンの中に2人が残り、1人がバーの中に降りていく。
うちに残った2人はそれぞれ寝室と居間にスタンバイ。
居間にいるブロンドストレートヘア+そばかすの女性警官が、通り側の居間の窓を開け、居間の真ん中で腰に手をあてて仁王立ちになる(かっこよかった)。
その時になってやっと、突然の出来事に絨毯の上に座ったまま口あんぐりの狸さん(うちの赤子11ヶ月)の存在に気づいたらしい。狸さんに向かって「あらベベちゃん♪」とちょっとウインク。

バーに行った警官は、バーのカウンターにあるコンポのボリュームを上げたり下げたりしては通りに出てきて、「どう?」とうちの窓に向かって叫ぶ。
居間にいる警官は「強すぎるわ!低音が響くのよ!」とか
「大丈夫だと思うけど、寝室のほうはどう?」と寝室に入った警官に呼びかけたりする。

寝室にいる警官は「こっちでは強すぎるよ」とか「そんなに強くはきこえないけど、俺だったらこれじゃ眠れないな!」などと居間にいる警官に叫ぶ。
居間にいる警官はそれをまたアパルトマンの窓から通りに向かって叫んで「寝るには強すぎるってよー!」と下の警官に伝えるのである。

寝室と居間(うちのアパルトマンは日本でいう2階にある)と、そして通りの間でキビキビと叫び合う3人の警官。

なな、なんとも派手な方法だ。


(うーん、バーの人には分からないように夜こっそりやってきて、デシベルで計測するってきいてたような気がするのだけど…。)

うちの近所はアルジェリア人が多い。今は冬だからみんな中に入っているが、ちょっと物珍しいことがあると、そのへんの店の前の歩道にいっぱい暇なおっさんや子供が出てきてうろうろする。通りにちょっと視線を投げると、彼らが総出になってうちのアパルトマンを見上げているのがわかった。
 このへんのアルジェリア人どうしは全員知り合いで、一つのコミュニティーをつくっているのでバーの騒音をめぐるバーと私たちの問題はこの界隈全体のアルジェリア人の噂になっているらしい。近所のアルジェリア人主婦Sさんとの立ち話で彼女が「うちのアパルトマンは暗くて」というので「うちは下のバーの騒音が」といったら「あらっ、それじゃお宅なのね!バーのことで警察に苦情を持ち込んだというのは。」と言ったのでああ噂になってるんだなと気がついた次第である。

3人の警官のチームワークによる大胆なオペレーションが終わり、バーにに降りていった警官が戻ってきた。

「バーのコンポにlimitateur(音量制限器)を付けてきたわ。
厳重注意しときましたから。」

音量制限器ってどんなものなのだろうう。音量コントロールのつまみにガシッと熊手みたいなものが付けられて、そこに南京錠がかけられている様子が目に浮かんだが、もしそんなものだとしたら、これもまた結構ワイルドな…。

私:「あのー、防音工事を義務づけることはできますか?」

警官:「それは私たちにはできないわ。勧告はできるけど。彼らが勧告を守らずまた騒音を出したら、罰金刑ね。私たちにできるのはそこまで。」

あれ?防音工事をしなかったら、強制的にバーを閉めさせるんじゃなかったっけ?なんだかきいていたのとは違うなあ。

…と密かに同様する私に、警官達は「また騒音があったら遠慮せず御連絡ください」と力強いスマイルを残して帰っていった。

警官が帰ってから30分ほどすると、小さくではあるがまたズンズンとバーから音がきこえてきた。自分が話しているときこえないが、黙ると、ズンズンズンズン耳につくレベルだ。音量制限器をもうちょっと小さい音量のところにつけてくれればよかったのに…。警官たちは「寝ようとしてる時だったら…」などと想像力を働かせて最善をつくしてくれたが、車やなにやらで結構騒がしい真っ昼間の通りに向かって窓を開け、3人で叫び合っているのでは、やっぱり夜寝ようとして寝台に頭をつけて横たわっている時と比べて騒音に対する感度が違いすぎる。

それにしてもおかしいな。パリ警視庁が執行官と一緒に夜中に計器を持ってやってきてバーに知られないようにこっそり計ってくれるはずだったのに、なぜ区の警察署から真っ昼間にきて、しかもバーも巻き込んで音量制限器?もう警視庁は来てくれないのかしら?

そんなことを思っているうちに、夫が仕事先から連絡してきた。

夫「パリ警視庁から連絡があったよ!明日の真夜中に執行官連れて来てくれるって!」

なんと皮肉なことであろうか。今まで待ちに待ったパリ警視庁。
パリ警視庁からの訪問予告の連絡があと数時間早ければ、私は区の警察署の人たちに事情を説明し、バーに感づかれないよう帰ってもらったのに!!
今日の昼、区の警察署からのあんなに派手なオペレーションと厳重注意があったばかりでは、今やバーはすっかり警戒してしまったであろう。やつらは今までも夜間パトロールを呼んだりすると、2、3日は静かにして、その後また音量をあげるということを繰り返している。その上、今やコンポには音量制限器までつけられているのだ。

夫に今日の出来事を説明し、「パリ警視庁の担当の人に電話して、今日あったできごと(区の警察がきて制限器をつけていったこと)を話すように」言った。夫もしょんぼりしてしまった。パリ警視庁の担当は「それでも一応来ます。」とのことだった。とりあえずランデブーを夜の9時に変えて、明日来て貰うことになった。


私たちも想像していなかった今日の警察署によるオペレーションは、どうも、私たちが区役所コネからもプッシュしようとしたのが、裏目に出たのだと思われる。そういえば、先日、区役所から、「この件には特に注意を払ってくれと区の警察署に一筆したためた」と手紙があったばかりだ。
このオペレーションが9ヶ月ほど前に行われていたら、非常に助かっていただろうが、長い時間かけてたどり着いた最終手段(パリ警視庁の計測)が来る前日とは、あまりにもあまりにもあまりにもタイミングが悪すぎる。(泣)





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最終更新日  2005年03月02日 07時43分37秒
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