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テーマ:保育園のこと(739)
カテゴリ:育児
狸さん(うちの赤子1歳5ヶ月)のギャルドリ(一時保育をしてくれる託児所)が始まった。
夏休み前は狸さんはギャルドリを楽しみにするほどになっていたし私も満足だった。休み中は毎日公園に連れていって他の子どもと遊んでいたので、問題はないだろうと思い、1日目、3時間たっぷり預けた。 迎えに行ったら、「明日は2時間にしてください」と言われた。 次の日、2時間預けたら、「2時間泣きっぱなしだったので明日は1時間にしてください」と言われた。 その次の日、1時間預けて、私が迎えにきたら、みんなオヤツの最中だった。 狸さんは、オヤツを食べておらず、私を誰よりも早く発見。ヨダレ掛けをつけたまま、クシャクシャの泣き顔になって私のほうに手をさしのべて歩き出した。その時、若い保母さんEが、 「Arrrrrrete! Ca suffffffit!! Arrete ta comediiiiie!」 …とイライラした声とウンザリした口調で狸さんに叫んだ。 日本語になおすと、ちょっとヤンキー調で、 「もぉおお、やーめーてぇーよー! いい加減にしてよぉー! 芝居はやめてよぉ!」 という感じだ。 Eさんは、その時、入り口に背を向けていたため私に気がつかなかったのかもしれない。が、私が来たことに気がついても、恥じ入る様子もなかった。その場に保母さんGもいたが、保母さんGも平気な顔をしている。 保母さんGは今期からこの託児所に来た人。保母さんEは、夏休み前に狸さんが「一番小さい子」たちのグループに入っていた時に世話になっていた保母さんだが、Eさんは悪人ではないものの、まだ若くて経験が少ないせいもあるのか、気が短めな人で、保母さんしてるよりは、ビキニをきて海岸でボーイハントをしているほうが似合いそうな人である。彼女が狸さんの面倒を見た日は、「もう大変だった」と言われてしまうのが常であった。老練なCさんが狸さんの面倒を見た日は「今日もとってもいい子だった」なのに、随分な違いだ。狸さんが相手を見て態度を変えているのか、それともCさんとEさんの心根の違いなのかは不明だが、個人的には、心根の違いを見て狸さんが態度を変えているのではないかと思う。(残念ながらCさんは、今期からは狸さんのいるグループ担当でない。もっと小さな子たちの担当である。) それにしても芝居はやめろって、…1歳5ヶ月の赤ん坊に向かってそりゃないでしょ。預けられ慣れていない赤ん坊が預けられて母親が恋しくて泣く、母親が迎えに来たときに安堵と甘えの涙をちびらせて駆け寄る───これ以上自然なことは世の中にないと思うのですが。 フランス語のArrete ton cinema!とかArrete ta comedie!、つまり「茶番はよせ、芝居よせ」という表現が私は大嫌いである。自分に論理的反駁能力や理解能力が欠如しているくせに、そのことは棚にあげ、相手のディスクールあるいは行為自体を「茶番」として扱うことで無条件に吟味もせず却下しねじ伏せるようとするその愚かさ狡さ怠惰さ。このタイプの表現を好むのは、頭が悪いくせにプライドばかり高い、感情的な人間であるのは容易に想像がつく。 そもそも、相手は赤子だ。泣くのをやめさせたければ「泣くのはやめなさい」といえばいいわけで、「泣くのはやめなさい」で泣きやまなかったら、「芝居はやめろ」でも泣きやむわけはない。 だいたいからして「芝居はやめろ」という表現自体、上で書いたように歪んでるのだし、狸さんにも悪影響だ! 園長に一言モノ申そうと思ったが、「ひょっとして、これは私が外人ゆえフランス語を曲解&拡大解釈しているのだったらどうしよう」と迷っているうちに、園長のほうから全く別のことで話しかけてきた。 「ちょっと狸さんのことなのですが。狸さんはお昼寝もしないし、オヤツも食べない。 泣いてばかりいる。とくにお昼寝をしないのは致命的である。これでは、保母さん一人が狸さんにかかりきりにならなければならず、他の子の面倒がみられない。狸さんのせいで託児所が機能不全に陥ってしまう。 これからは慣らし保育として毎日来て貰うかわりに1日最大1時間だけ預かる。お昼寝もオヤツも終わった午後3時から来てください。ただし、それも、狸さんがご自宅でお昼寝をすませた場合のみです。お昼寝をすませてない場合は、来ないでください。午後2時半までにお昼寝をしなかったら、キャンセルのために電話入れてください」 狸さんが最高に機嫌の良い時だけ1時間だけ預かってもらっても、1時間じゃ、実質私が自由な時間は1時間ないわけだし、掃除機かけて買い物したら終わりだし、その上、2時半まで狸さんがお昼寝するかどうか家で待ち構えているのでは、午後いっぱいは結局出掛けられないことになる(預けないなら預けないで、狸さん抱っこして買い物でも本屋でも行き帰りラッシュアワー避けながら行けちゃうもんね)。その上、実質預かって貰った時間は1時間でも料金は最低でも1日につき2時間分からとられる。 「乱暴で他の子に怪我させるから預かれない」などといった理由ならともかく、泣いて手がかかるから預かれないとは、託児所側の職務能力に問題があるのではないか? それを棚に上げて、「この子がいると託児所が機能不全になる」と狸さんにだけ責任をなすりつけるとはあまりにも酷い。 いろいろ言いたいこともあったが、しかし、ここはパリ。完全に預かる方の売り手市場だ。入りたい人は山のようにいて、みんなウェイティングリストに登録し何ヶ月も何ヶ月も待っているのである。文句言ったら「じゃあ来なくていいです」でバイバイかもしれない。仕方がないから、ハイハイ、とその通りにすることにした軟弱な私であった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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